カバラ×ヌーソロジーを考えるにおいて、今の所の自分の知識と見解のまとめです。 元々、半田さんがレクチャーでカバラをテーマにするということで、それに向けてメッセージとして送った情報ですが、 全体でシェアすると有意義そうな気がしたので、公開しておきます。 こういうのって、何処までバラして良いか難しい所なんですが…、上手いこと調整したので大丈夫だと思います。
カバラの起源について ・まず、カバラの起源について ・「カバラ」としてまとまっているものの起源というと、13世紀にスペインで出てきた「ゾハールの書」というのがある ・カバラの「生命の樹」についてのことは、ほとんどここに書かれていることになる。「ゾハールの書」の以前の書物に「バヒルの書」というのなどもあるが、「ゾハールの書」が、ほとんどカバラの中心的原典と言っても良い ・ただ、この「ゾハールの書」は、13世紀に「モーゼス・デ・レオン」という人物によって、「偽作(作者を特定の者として出版する)」という形で広まったものなので、その内容自体は、恐らく、それよりずっと前に登場していると思われる ・さらに、この「ゾハールの書」は、受け継がれてきたユダヤ神秘主義の集大成であるので、ユダヤ神秘主義の起源というと、紀元前にも遡る話になると思う
・自分が「イシス学院」にて、大沼忠弘さんから教わったこととしては、そのユダヤ神秘主義の潮流は、遡るとエジプトに至るみたいで、エジプトには、「万物の根元は数である」という、魔術的な思想があった これは、「フラワーオブライフ」にも表れている、神性幾何学の思想でもある ・この「数」の思想が、ギリシャに伝わったのが、ピタゴラスなどが伝えるヘレニズム数学で、ユダヤに伝わったのが、後の「カバラ」ということになる ・さらには、エジプト人はそもそも「シリウス」から来たということまで言われていた。やはり根底にあるのは「シリウス」の思想ということになるのかもしれない ・そのシリウスの魔術的な思想が、ユダヤに伝わり、ユダヤ人向けにフォーマットされたのが、ユダヤ神秘主義であり、「カバラ」なのではないかと思う。 これが、「ユダヤ教」の弊害に対抗するための、神秘主義の潮流となっている
「コクマー」と「ビナー」について ・さて、難しいセフィラーである、「コクマー」と「ビナー」の問題について述べる。 そもそも、この辺は、近代魔術で解釈されてる「コクマー」と「ビナー」というのと、あくまで原典に記述されている「コクマー」と「ビナー」というのがあって、解釈がやや異なる場合があるかもしれないが、ひとまず、原典を追うことにする ・13世紀に広まった「ゾハールの書」の内容は、後にユダヤ人以外にも知られることになるが、「ゾハールの書」はもともとアラム語(ヘブライ文字の口語)で書かれていて、ユダヤ人以外は手を出しにくかったものである ・しかし、「ゾハールの書」の「生命の樹」に関する箇所を、ラテン語に翻訳した人というのが出てきて、その本が「カバラ・デヌダータ(裸のカバラ)」という書物として出回ることになる。 これが、カバラがヨーロッパに大きく広まるきっかけにもなる ・さらに、その「カバラ・デヌダータ(裸のカバラ)」を、19世紀のイギリスで、かの有名な「黄金の夜明け団」の創始メンバーであるマグレガー・メイザースが、英語に翻訳する。これが「ヴェールを脱いだカバラ」という書物として出回る。これも当然高い影響力持ち、これをさらに日本語に翻訳したものが、日本で出版されている ・ただ、日本語版「ヴェールを脱いだカバラ」は、流石に「アラム語→ラテン語→英語→日本語」と翻訳されているので、翻訳に齟齬があって読みにくく、カバラ学習には向かないものになる ・また、あくまでメイザースによる独自解釈が行われている側面も強い ・ただ、「黄金の夜明け団」にてカバラがどのように伝わったのかについてや、原典の様子などがある程度分かるので、やはり重要な書物ではあると思う ・この日本語版「ヴェールを脱いだカバラ」には、本の最後に索引がついているので、気になったキーワードの出ているページを調べて、それに関する所のみ調べるということが出来る。この使い方だと結構役に立つ ・そして、そのやり方で「コクマー」と「ビナー」について調べてみると・・・ やはり、コクマーは「男性原理」であり、「ビナー」は「女性原理」であるということが書かれている。それから、「コクマー」は「存在」を作るもの、「ビナー」は「大いなる海」と呼ばれるもの、というのが分かってくる。 これが、ヌーソロジーでいう「ヒトの思形」と「ヒトの感性」のイメージに確かにピッタリであるが、カバラの場合はそれに続きがあって、カバラ的には、それは「神から受け取ったもの」と解釈することができて、その本質は「神」に該当する他者側の観察子にあると解釈するのが良いのではないかと思う。 つまり、それぞれ「*ヒトの感性」と「*ヒトの思形」ということになる ・また、「ヴェールを脱いだカバラ」のコクマーの解釈を見てみると、コクマーは、「ケテルにとっては女性原理として働く」という記述もあって、必ずしも男性的なものとしてのみ働くものではないようである ・後に近代魔術カバラの解釈とも合わさることになるが、コクマーとビナーについては、「Ω*10からΩ9へと流れるもの」と「Ω*9からΩ10へと流れるもの」を、ひっくるめてそれぞれ「コクマー」と「ビナー」として扱っているのではないかというのが自分の最終結論である。 これで解釈すると、どれも辻褄が合ってきて、Ω*10に着目するかΩ9に着目するかによって、解釈などが違ってくるのではないかと思う
近代魔術カバラについて ・近代魔術カバラは、いわゆるユダヤ人以外が語ったカバラである「キリスタン・カバラ」に該当し、メイザースなどが高い影響力を持つなどして、独自の発展を遂げることになる ・日本で手に入る良いカバラの本として、ダイアン・フォーチュンの「神秘のカバラー」というのがある ・ダイアン・フォーチュンも「黄金の夜明け団」に入団してたことがあり、これはポスト・黄金の夜明け団あたりの時期に書かれた書物みたいだが、自分的には非常によく出来てる書物だと思う ・魔術的な象徴の内容とかには、自分的には使えないものが含まれてるように感じるけれど、ダイアン・フォーチュンは、少なくとも、何か的を得たものを会得したような感覚があり、それを伝えてるように思う ・ここで出てくる惑星の解釈も、ヌーソロジーの惑星解釈の世界観ともそれなりに近い ただ、「ダァト」の解釈と「土星」の解釈は少し違う ・カバラの惑星の解釈は、単純に考えると、グノーシス主義において伝えられている、人間が地上から天上へと意識進化するにおいて通過する惑星の順番「地球→月→水星→金星→太陽→火星→木星→土星」というのがあり、それを「ダァト」を非セフィラーとして、10から1へ遡る形で当てていくと、あのようになるのではないかと思う 恐らく、土星以降は、正確には「分からない」といった具合になると思う ・既存解釈では、「ダァト」を非セフィラーとして扱うことが毅然として絶対なので、その辺の解釈がややヌーソロジーと違うのではないかと思う ・ただ、逆にいうとそれ以外であったら、かなり完成度の高いのが、ダイアン・フォーチュンのカバラなので、日本でカバラを学ぶとすると、頼りにすることになる本だと思う
近代魔術カバラにおける「コクマー」と「ビナー」について ・さて、近代魔術カバラの「コクマー」と「ビナー」の解釈としては、まず、先天的な「神」とも言える、「アイン・ソフ」という「無限」と呼ばれる存在から、原点として「ケテル」から創造のエネルギーみたいなものが流出されることになり、これが、神のエネルギーの「第一通過点」となる。その「第二通過点」が「コクマー」で、「第三通過点」が「ビナー」ということになる ・「ケテル」からの流出時点では、その力は捉えることすらできないぐらいに曖昧なものであるが、「第二通過点」にて、「力」として捉えることはできるぐらいのものになる。だから「コクマー」は「力」のセフィラーとも言われている ・「コクマー」の段階では、力は持っているけど、まだ形が定まっていないような曖昧さがある。ここで、「第三通過点」にて、「形」がある程度、定まるようになる。だから「ビナー」は「形」のセフィラーとも言われている ・こうして、コクマーを「力」、ビナーを「形」とする解釈は、カバラではかなりメジャーなものとなっている ・ここが、「コクマー⇒感性」「ビナー⇒思形」と絡めて捉えるべき所でもあると思う ・それから、「ケテル」「コクマー」「ビナー」と、それ以外のセフィラーの間には、「深淵」と呼ばれる隔たりがあるという記述がある これは、間違いなく、「自己側→他者側」へと移る際の深淵ではないかと思う ・そう考えると、「ビナー」より上位が、特別に厄介なことが納得できる
「ティファレト」について ・それから、ここでは割と高次の概念について述べているわけだが、カバラで最上位の概念である、「ケテル」などを知覚したり扱ったりするには、まず、「マルクト」から「ティファレト」までのセフィラーの感覚を、しっかりと固めておかないと、おかしな方向に進んでしまう恐れがあるので、そこの所をしっかりとやっておく必要がある、と自分は教わった ・「ティファレト」というのは、カバラ全体の中心にある「自己」のあるセフィラーであり、高次元でありながらも、人間の次元にも近い所にあるセフィラーである。 カバラの実践をするにおいては、まずは、「ケテル」に向かうのよりも先に、この「ティファレト」の認識を固めておく必要がある ・この辺りは、ヌーソロジーで言うと「次元観察子ψ1~ψ5」の感覚を固めておくべきということに似ていると思う
「神のようになる」という著書について ・さて、ここで、また重要なテキストである「神のようになる」という書籍について述べる ・この本は、カバラで伝えられている「ゾハールの書」の奥義の内容を簡潔に英語でまとめて書いた「マイケル・バーグ」という人がいて、それを大沼忠弘さんが日本語に訳したもので、「ユダヤ・カバラ」の思想にかなり近い本である ・これは、「イシス学院」の初級コースのカバラのテキストにも、直々に使われている。 この本の内容は、なかなか特徴的なものとなっているが、主に「カバラの神」というものについてと、それに対する「エゴ」についての話である ・「カバラの神」は、「与える」「分かち合う」という性質を持っているという所が強調されている。 この本の思想としては、カバラの目指すべき方向性として、あくまで「分かち合う」という、利他的な姿勢を貫いていて、近代魔術カバラで忘れがちな、ユダヤ・カバラの原点ともいえる考え方があり、カバラというのは、あくまでそういった姿勢が大事だということを思い起こすことができる ・そして、この辺りのユダヤ・カバラの教義を追っていくと、やはり、カバラは「魔術思想」であるけれど、「ユダヤ思想」であるということが分かってくる 「ヴェールを脱いだカバラ」もそうであるが、あくまで「ヘブライ語」があるから成り立っているという側面がある。 また、「ラビ」の存在も重要となっていたり、その他、ユダヤ人特有の考え方によって、ユダヤ・カバラは成り立っている ・今のユダヤ・カバラは、「イサク・ルーリア」が作った潮流によって出来ているが、そのユダヤ・カバラの内容が簡潔にまとまっているのがこの本だという風に、自分は教わった ・ルーリアについては、カバラをよりグノーシス主義に近づけた人という印象があるけど、自分はあまり詳しくない
「サビアン占星術」について ・最後に、カバラと直接関係はないけれど、自分が重要だと思う書物「サビアン占星術」について述べておく 「サビアン占星術」とは、松村潔さんという人が書いた書物である ・松村さんは、オカルト全般詳しい人で、ここで出てくる惑星の捉え方が、ヌーソロジーととても近い ・「2013:人類が神を見る日」にも出てきた、マヤ文明研究家の高橋徹さんという人がいるけれど、あの人の提示してきた解釈が「ビナー⇒天王星、コクマー⇒海王星、ケテル⇒冥王星、ダァト⇒土星」という風になっていたと思う 調べてみると、高橋さんは、松村さんの研究会に参加していた経歴があって、この解釈も松村さんの影響を受けていると思われる 松村さんのこの解釈は、ユダヤ・カバラ的にも、近代魔術カバラ的にも、異端ということになるけど、自分としては、惑星とカバラを併用して扱うのであれば、ヌーソロジーとよく合ってる解釈であると思うので、この辺りも押さえておきたい所だと思う
あとついでにオススメの書籍としては、「実践 魔法カバラー入門」あたりが読み物としても面白いのと、 半田さんが薦めていたのとしては、「知の教科書 カバラー」というのがあります。