現代社会考察

「現代の若者はどんな意識を持ってるのか」問題について考えてみた その1

投稿日:2019年8月31日 更新日:


 
今回は「考えたことをとりあえず書いてみる」記事です。

書籍『奥行きの子供たち』の5章は映画『2001年宇宙の旅』についてでした。
そんでもって、脱線して、2000年代からを生きている「現代の若者の意識について」も書かれていました。

この辺に関しては、どうなんだろう?と思った箇所もあり、
諸説ある所だと思います。

自分ぐらいのアラサーあたりな年齢になると、
おっさんの階段を微妙に登り始めてるぐらいの年でもあるけど、
まだまだ若者に近いってことで、そういう視点で書いてみます。

まぁ、結論を言うと、
「多様化しまくってて全部は把握できない」
って感じなんですが、
思ってること、考えたことについて書いてみます。
 

~トピックス~

■「現代の若者は他人からどう見られてるかを気にする」問題について
■学習指導要領の改定の問題について
■オタクカルチャーと「人目気にする」問題
■「現代の若者は権威に反抗することを格好悪いと思ってる」問題について
■1960年代カルチャーと「権威への反抗」問題
■やはり中心にあるのはコンピューター
■インターネット登場という情報革命
■新時代の二分化仮説

 

「現代の若者は他人からどう見られてるかを気にする」問題について

まず書かれてたのは、2000年代初頭からは「他者軸の時代」に入っていて、
自己の価値が低下し、他者の目線を気にするようになったということです。

そこで、自分の感情よりも他者目線での判断を優先しないと、
「イタイ奴」と思われてしまう不安が出てきた
・・・といったことが言われています。

自分個人(Raimu)の問題としては、
ずっとひねくれた意識を持ってて、どっちかというと「そこまで気にしないで生きてきた」側なんで、
その気持ちがよく分かる、って感じではないんですが・・・

まず、これに関しては、日本は昔からそうなのでは?という視点から読んでみましょう。
日本の江戸時代とかどうだったのでしょう?

自分の敬愛するユング派カウンセラー、河合隼雄さんの「父性原理と母性原理」論によると、
西洋は父性原理、東洋は母性原理をベースに動いていると言われています。
そんでもって、日本は東洋にカテゴライズされていることもあり、
母性原理中心で動く社会となっています。

母性原理で動く文化は、
「全体の一体感」を求める傾向にあり、
「個人の意識」よりも「全体の中にある自分」という意識を大事にします。
だから、必然的に「他者の目線」を気にすることにもなるし、
特に、感情のレベルで、身近な他人や所属してるコミュニティを強く意識していることがあります。

これはかなり深い問題で、
先の本『子どもと学校』では、
教育問題に出てくる母性原理と父性原理の関係についてが書いてあります。
それについて書いていくとかなり長い話になるのでひとまず置いておいて・・・

例えば、日本の江戸時代とかもずっとそんな感じで続いていたと想像できます。
日本の武士は、西洋の戦士や指導者逹と比べると、実はずっと女性的な性格であり、
全体の一体感を出すレベルで集団行動を重んじます。
西洋の場合は、全体の一体感を出すためには、キリスト教といった強力な宗教が必要ですが、
そういうのがなくてもナチュラルに一体感が出せるのが日本の戦士の特徴です。
しかし、合理的な思考とかはあんまり得意ではないので、
例え効率が悪いやり方でもみんなやってたらずっと続けたりします。

以上が、東洋諸国の一つである日本の文化の特徴だと言えるでしょう。
とはいえ、「東洋」ってくくりだと、
中国やインドも「他人からどう見られてるか気にしてるのか?」って話になってきますが・・・
(中国だと共産主義があり、やはり集団での行動を大事にします。インドだと神様からどう見られてるか気にする傾向があったりすると思われます。)

思うに、「日本」という国は、人目を気にしつつ一体感で動きつつも、
さらに真面目さを持ち合わせてた文化を持っています。
なんやかんやで世界的にはかなり治安が良い方という事実もあります。
良くも悪くも、奇抜なことがしにくい文化でもあります。

現代の場合はそこにインターネットが登場してることが大きな特徴と言えるでしょう。
LINEとかSNSの登場、さらに、スマートフォンでそれらと常時アクセスできることにより、
そこからの目線を常時気にする必要まで出てきました。
つまり、「人目を気にする」対象が、LINEとかSNSも追加になっている・・・
・・・という状況なんだと思います。
 

学習指導要領の改定の問題について

あと、先の書籍『奥行きの子供たち』に書かれていたのは、
「教育評論家の尾木直樹先生が、2003年頃から大学生が教師に反抗しなくなったと言っていた」とか、「1989年の学習指導要領の改訂が原因」って話とかでした。

学習指導要領の改訂で、1989年から授業態度や生活態度も教師の主観で評価する制度が始まったらしいです。
なので、そこで学生が人目を気にする方向になっていって、
そうした学生が成長した結果が2003年頃の大学生の態度として表れた
・・・ということが先の本には書かれていました。

この「1989年の学習指導要領の改訂」の話に関しては・・・どうなんだろう。自分は中学も高校も私立の進学校にいたので、これに関しては全然わからない所です。
私立の進学校となると、厳格な「成績至上主義」なんで、
人目を気にしてるよりも、とりあえず成績が良ければそれが正義ってことになります。
思うに、学習指導要領がすべての権威を持ってる時代は大分前に過ぎているので、
これは一部の人にしか効かないんじゃないか?という気もします。

まぁ、それは教育評論家の尾木直樹先生の洞察らしいので、
それが良いセンいってるのであれば当たってるのかもしれません。

「2003年頃から大学生が教師に反抗しなくなった」の話は確かに気になる所で、
これは、経済問題や雇用問題の変化なども、全体的な影響力として大きいかもしれません。
この辺には、経済的には「就職氷河期」と呼ばれる最悪な時期があり、
およそ1993年から2005年あたりと定義されています。
この頃の時代は、社会のレールから外れると本当に生きていけなくなる危機感があったとか、
ひどい状況の先例を見ていると、特に保守的になっていく・・・ということが予想できます。

学校の先生なんかの評価より、そっちの方がよほど重要ではないか?と自分なんかは思います。

そうなってくると、人目を気にするかどうかの問題というより、
生存のための社会からの「圧」がとにかく強くなって、
従わざるをえなくなったという問題に近くなっていきます。
 

オタクカルチャーと「人目気にする」問題

さて、世の中は表もあれば裏もある。
中には「人目とかあんまり気にしないタイプ」な人もいます。

その代表となるのが、「オタク」というやつかもしれません。
「人目を気にしないタイプ」は、だいたいそのカテゴリーに集まっています。
「もうちょい気にしろよ」と突っ込みたくなることもちょいちょいあるぐらいかもしれません。

まぁ、同じオタクカテゴリー内でも、
「まじで人目を気にしないでタイプ」とか、
「オタク内でも気にするタイプ」とかいるので、
その辺も色々ありつつ・・・
大体、人目を気にしたくないタイプはオタクに流れてくことが多いと思われます。

ちなみに、日本のオタクの変容事情というのも奥が深いです。
昔のオタクはもっと迫害されてたという話があります。
自分が高校生ぐらいの時もそこまで酷くはなかった気がする・・・のかな?
場所にもよると思うのでよく分かりませんが・・・
2000年代後半か2010年代が近づいていくにつれて?ぐらいか、
アニメをよく観てるようなオタクの人がだんだんと市民権を得るようになったというか、
仲間が増えて活動しやすくなっていったような傾向があります。

こうした変化の背景には、
おもしろい漫画やアニメを一般の人が多くみるようになったとか、
『電車男』のヒットとかAKB48の登場とか、
ニンテンドーDSによるライトゲームの普及とか、
スマホによるライトゲームの普及とか、
ファミコン世代やエヴァンゲリオン世代の成長とか、
オタク系コンテンツがより拡大していってビジネス的にも無視できなくなったとか、
事情は色々あると思われます。

こうして、オタクが活動しやすくなった一方で、
「ライトなオタク」が増えたという説もあります。
本来のオタクは「御宅に引きこもって何かにこだわり続ける」ような人のことを指しているはずでした。
米国だと「ギーク」という言葉があり、
元々は「社会に適応できない者」として使われる差別用語でしたが、
コンピュータやインターネット技術に時間を費やしていて、
エンジニアとしては優秀な人とかもいるイメージで使われるようになりました。
しかし、最近でよく言われている「オタク」というと、
「とりあえず話題のアニメやゲームを追っていく」感じになったので、
あんまり一つのことを極める感じじゃなくなりました。

その辺のオタク事情を追いかけてみても面白いと思います。
 

(長くなりそうなので「その2」に続きます。)

◆「現代の若者はどんな意識を持ってるのか」問題について考えてみた その2


-現代社会考察

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

現代の若者意識、「さとり世代」「つくし世代」という言葉をよく考えてみる その1

前にこんなの↓を書きました。 ◆「現代の若者はどんな意識を持ってるのか」問題について考えてみた その1 現代の若者の世代を表す言葉に「ゆとり世代」とか「さとり世代」とかがありますが、 正直、この言葉に …

「現代の若者はどんな意識を持ってるのか」問題について考えてみた その2

前回の続きです。 ◆「現代の若者はどんな意識を持ってるのか」問題について考えてみた その1   ~トピックス~ ■「現代の若者は他人からどう見られてるかを気にする」問題について ■学習指導要領の改定の …

現代の若者意識、「さとり世代」「つくし世代」という言葉をよく考えてみる その2

  前回の続きです。 ◆現代の若者意識、「さとり世代」「つくし世代」という言葉をよく考えてみる その1    ~トピックス~ ■「ゆとり世代」という言葉は使いません ■「さとり世代」について ■「つく …

書籍「ゼロ年代の想像力」に見る、作品分類について(セカイ系とかサヴァイヴ系とか)

宇野常寛という人の書籍『ゼロ年代の想像力』というのを読みました。 これはちょっと一昔前に出た本で、 ゼロ年代(2000年代)と、それ以前の作品から分析する、 大衆心理の変容みたいな批評本でした。 ちょ …

「現代の若者はどんな意識を持ってるのか」問題について考えてみた その3

前回の続きです。 ◆「現代の若者はどんな意識を持ってるのか」問題について考えてみた その1 ◆「現代の若者はどんな意識を持ってるのか」問題について考えてみた その2   ~トピックス~ ■「現代の若者 …

プロフィール

Author:Raimu

魔術・オカルト全般好きな理系。
サイキックの研究とか、占星術とか、
神秘と科学の考察的な、自分の好きなものを置いていきます。

詳しくはこちら。

超能力や魔術の研究や、物理学・量子力学を絡めた解明を目的に、少しずつ書いていった連載記事。

半田広宣さん提唱の宇宙論・具体的イデア論と言われている『ヌーソロジー』。その基本から実践的な入門までを、自分なりに一通り説明したページ。

その他に作ったものはこちら。

Kindle本など。Amazonで買えます。
「佐道来夢」という名前で出してます。

書籍版Kindle版があり。
「4次元」とは何か?というのが主なテーマ。割と理系的な視点から「異世界」について探求していった本と言っても良いかもしれない。
『ヌーソロジー』の理解に必要な「4次元認識」の実践部分もあり。
詳細はこちら

書籍版Kindle版があり。
宇宙論『ヌーソロジー』の入門用。半田広宣さん監修の元、ヌーソロジーの主要な知識を押さえれるコンパクトなハンドブック。
「変換人生活のためのヒント」というテーマの書き下ろしテキストもあり。
詳細はこちら

書籍版Kindle版があり。
「リアルな魔法使い」とは何か?をテーマに、「目に見えないもの」との付き合い方や、その仕組みなどについて幅広く書いていった。オカルト的なことを実践していたり、関心のある人に読んでもらいたい本。
詳細はこちら

書籍版Kindle版があり。
ユング、フロイト、ラカンなどの「精神分析」のジャンルを、ヌーソロジーの概念を使って説明することを試みた「ヌーソロジー×精神分析」の本。精神分析の概念がゼロからでを分かるようにしつつ、ヌーソロジーの世界観の理解も深めることができる。
詳細はこちら

メイン⇒@raimu_23tm

占い関連⇒@raimu_23tm_thot

ヌーソロジーたん⇒@noosology_tan

アストロロジーたん⇒@astrology_tan

今 日 の 月 相

各月相の意味の一覧