「エメラルド・タブレット」序文

 
錬金術の祖、『ヘルメス・トリスメギストス』著、『エメラルド・タブレット』序文。
「錬金術 (アルケミスト双書)」より引用。

 

ここに真実を刻む。一語の虚言もなく、すべて、信に足る真実である。
上にあるものは下にあるもののごとし、しかして下にあるものは上にあるもののごとし
かくて「一なるもの」の奇跡がなされた
「一なるもの」の力を得て、「一なるもの」から万物が生じたのごとく、
万物は「一なるもの」が手を加え工夫をこらして創造された。
その者の父は太陽であり、母は月である。風はその腹に宿り、大地はそれを鍛え養う。
その力は、大地に向かうとき、まったきものとなる。
火から大地を分離し、膨大なるものから微小をわかつ、
穏やかにして、いとも精妙なる業をもちいて。
力は大地から天に昇り、再び大地に降る、上にある力、下にある力を結合して。
かくて、汝は天地万物の栄光を獲得せん。されば、汝に曖昧模糊たるものなし。
これぞ、すべての力からなる力。
すべての微細にして精妙なるものを我が物とし、すべてのものを貫き通すがゆえに。
かくして、万物が創造された。かくして、驚異の練金の術が行われん。
なんとなれば、これぞ秘宝であり、人は我をして三大ヘルメスと呼び、
しかるがゆえに、我は世界知の三原質を司るものなり。
ここに、我が語るべき太陽のなす業のすべてがある。




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