大祓詞について

  
・「大祓詞」(おおはらえのことば)とは、日本で古来から伝えられてる祝詞(のりと)である。
 神社でよく使われ、極めて強い浄化のパワーを持っている。

・使い方は、好きな時に、音読か、黙読をするというだけである。
 唱える時間を決めても良いし、黙読でもなかなかの効果がある。
 なるべく、心臓のリズムに合わせたような、ゆっくりなペースで読むのが良いとされているが、好きなペースでも良い。

・書籍「大祓 知恵のことば」(著:葉室頼昭)に、祝詞本文と、それについての説明などが載っている。
 ここに載せている祝詞の本文も、書籍「大祓 知恵のことば」から引用したものである。
 
 
<大祓詞について>

・日本にあるいくつかの祝詞の中の一つだが、その中で、全国の神社で毎日唱えられているもの。
・日本を創造した神様が、日本を建国し、あらゆる罪を穢れ払うという訳の詞であるが、そうした意味を「言葉の響き」そのものに込めてある。
・言霊そのものにパワーがあり、言葉の意味は分からずとも、その言霊の持つパワーが重要となる。
・「言葉」とは、一般的には「理屈」で捉えてしまうものだが、この祝詞は、「理屈」として捉える前の「言葉」の力がある。この祓詞のように、物事を「理屈」で考えないようにすることに、神様を強く認識する力がある。
・「穢れを払う」ということは、物事の本質を認識するということである。
 
  
<テキスト>

 たかまのはらにかむづまります すめらがむつかむろぎ かむろみのみこともちて やほよろづのかみたちを かむつどへにつどへたまひ かむはかりにはかりたまひて あがすめみまのみことは とよあしはらのみづほのくにを やすくにとたひらけくしろしめせと ことよさしまつりき かくよさしまつりしくぬちに あらぶるかみたちをば かむとはしにとはしたまひ かむはらひにはらひたまひて こととひし いはね きねたち くさのかみはをも ことやめて あめのいはくらはなち あめのやへぐもを いづのちわきにちわきて あまくだしよさしまつりき かくよさしまつりしよものくになかと おほやまとひだかみのくにを やすくにとさだめまつりて したついはねにみやばしらふとしきたて たかまのはらにちぎりたかしりて すめみまのみことのみづのみあらかつかへまつりて あめのみかげひのみかげとかくりまして やすくにとたひらけくしろしめさむくぬちに なりいでむ あめのますひとらが あやまちおかしけむくさぐさの つみごとは あまつつみ くにつつみ ここだくのつみいでむ かくいでば あまつみやごともちて あまつがなぎをもとうちきり すゑうちたちて ちくらのおきくらにおきたらはして あまつすがそを もとかりたち すゑかりきりて やはりにとりさきて あまつのりとの ふとのりとごとをのれ
 かくのらば あまつかみは あめのいはとをおしひらきて あめのやへぐもをいづのちわきにちわきて きこしめさむ くにつかみは たかやまのすゑひきやまのすゑにのぼりまして たかやまのいほりひきやまのいほりをかきわけて きこしめさむ かくきこしめしてば つみといふつみはあらじと しなとのかぜのあめのやへぐもをふきはなつことのごとく あしたのみぎりゆふべのみぎりを あさかぜゆふかぜのふきはらふことのごとく おほつべにをるおほふねを へときはなち ともときはなちておほうなばらにおしはなつことのごとく をちかたのしげきがもとを やきがまのとがまもちて うちはらふことのごとく のこるつみはあらじと はらへたまひきよめたまふことを たかやまのすゑひきやまのすゑより さくなだりにおちたぎつ はやかわのせにます せおりつひめといふかみ おほうなばらにもちいでなむ かくもちいでいなば あらしほのしほの やほじのやしほぢのしほの やほあひにます はやあきつひめといふかみ もちかかのみてむ かくかかのみてば いぶきどにます いぶきどぬしといふかみ ねのくに そこのくににいぶきはなちてむ かくいぶきはなちてば ねのくにそこのくににます はやさすらひめといふかみ もちさすらひうしなひてむ かくさすらひうしなひてば けふよりはじめてつみといふつみはあらじと はらへたまひきよめたまふことを きこしめせと かしこみかしこみもまをす


<画像>

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<携帯用>

         


<PPTファイル>

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<テキスト(漢字交じり)>

  高天原に神留まり坐す 皇親神漏岐神漏美の命以て 八百万神等を神集へに集へ給ひ 神議りに議り給ひて 我皇御孫命は 豊葦原瑞穂国を 安国と平けく知食せと 事依さし奉りき 此く依さし奉りし国内に 荒振神等をば 神問はしに問はし給ひ 神掃へに掃へ給ひて 言問ひし磐根木根 立草の片葉をも事止めて 天の磐座放ち 天の八重雲を 伊頭の千別に千別て 天降し依さし奉りき 此く依さし奉りし四方の国中と 大倭日高見の国を安国と定め奉りて 下津磐根に宮柱太敷き立て 高天原に千木高知りて 皇御孫命の瑞の御殿仕へ奉りて 天の御蔭日の御蔭と隠り坐して 安国と平けく知食さむ 国内に成り出む天の益人等が 過ち犯しけむ種種の罪事は 天津罪 国津罪 許許太久の罪出む 此く出ば天津宮事以ちて 天津金木を本打ち切り末打ち断ちて 千座の置座に置足はして 天津菅麻を本刈り断ち末刈り切りて 八針に取裂きて 天津祝詞の太祝詞事を宣れ
 此く宣らば 天津神は天の磐戸を押披きて 天の八重雲を伊頭の千別に千別て聞食さむ 国津神は高山の末低山の末に登り坐て 高山の伊褒理低山の伊褒理を掻き別けて聞食さむ 此く聞食してば罪と言ふ罪は有らじと 科戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く 朝の御霧夕の御霧を朝風夕風の吹き掃ふ事の如く 大津辺に居る大船を舳解き放ち艪解き放ちて大海原に押し放つ事の如く 彼方の繁木が本を焼鎌の利鎌以て打ち掃ふ事の如く 遺る罪は在らじと祓へ給ひ清め給ふ事を 高山の末低山の末より佐久那太理に落ち多岐つ 早川の瀬に坐す瀬織津比売と言ふ神 大海原に持出でなむ 此く持ち出で往なば 荒潮の潮の八百道の八潮道の潮の八百曾に坐す速開都比売と言ふ神 持ち加加呑みてむ 此く加加呑みてば 息吹戸に坐す息吹戸主と言ふ神 根国底国に息吹放ちてむ 此く息吹放ちてば 根国底国に坐す速佐須良比売と言ふ神 持ち佐須良比失ひてむ 此く佐須良比失ひてば 今日より始めて罪と言ふ罪は在らじと 祓へ給ひ清め給ふ事を 聞こし食せと 恐み恐みも白す


<現代語訳>

※簡易版。あくまで、言葉としての意味を意識するのではなく、
無我の心で言霊を唱えるのが良いとされる。
1. 天上の神様の「」の仰せにより、
たくさんの神様が集められた。

2. スメミマノミコト(ニニギノミコト)は、
豊芦原の瑞穂の国(日本)を
安国となるように委託された。

3. このようにしているうちに、
反抗する荒ぶる神達が出てきて、
問いや払いを行った。
そうすると、
岩石や草木の片端まで静かになった。

4. 神様は、天の岩倉を出発して、
天の八重雲を押し分けて、
地上に御降神(天下し)された。

5. このようにしている中、
大倭日高国を安国と決めて、
宮殿を立てた。

6. そうした中で成りい出る、
天の益人達が犯した罪が現れることもある。

7. このようになった時は、
天つ宮事を用いて儀式をし、
天つ祝詞を宣ると良いでしょう。
こうすると、天津神は、
天の岩戸を出発し、
天の八重雲を千分きて、
お聞きくださります。

8. 国津神は、高山、低山を登り、
庵をかき分けて、
お聞きくださります。

9. このようにお聞きくださいましたら、
まるで、様々な自然が移り変わるように、
罪は一切、祓い、清められることでしょう。

10. 高山の末、低山の末から、
水が落ちていて流れの速い川の中にいる、
セオリツヒメという神様は、
それを大海原へ持っていきます。

11. 荒潮の渦の中の
ハヤアキツヒメという神様は、
これをのみ込みます。

12. イブキドヌシという神様が、
それを根の国、底の国へと、
フーっと吹き入れます。

13. 根の国、底の国にいる、
ハヤサスラヒメという神様が、
どこかへ持ち去り、散り消してくれます。 

14. このようにして、
あらゆる罪を消してくださいますなら、
今日、あらゆる罪は無いように、
祓い給い、清め給う、
その力をお与えくださいとお願い致し、
謹んでお祈り申し上げます。
 
 
<テキスト+段落番号>

1.
たかまのはらにかむづまります すめらがむつかむろぎ かむろみのみこともちて やほよろづのかみたちを かむつどへにつどへたまひ かむはかりにはかりたまひて 

2.
あがすめみまのみことは とよあしはらのみづほのくにを やすくにとたひらけくしろしめせと ことよさしまつりき 

3.
かくよさしまつりしくぬちに あらぶるかみたちをば かむとはしにとはしたまひ かむはらひにはらひたまひて こととひし いはね きねたち くさのかみはをも ことやめて 

4.
あめのいはくらはなち あめのやへぐもを いづのちわきにちわきて あまくだしよさしまつりき 

5.
かくよさしまつりしよものくになかと おほやまとひだかみのくにを やすくにとさだめまつりて したついはねにみやばしらふとしきたて たかまのはらにちぎりたかしりて すめみまのみことのみづのみあらかつかへまつりて あめのみかげひのみかげとかくりまして やすくにとたひらけくしろしめさむくぬちに なりいでむ 

6.
あめのますひとらが あやまちおかしけむくさぐさの つみごとは あまつつみ くにつつみ ここだくのつみいでむ 

7.
かくいでば あまつみやごともちて あまつがなぎをもとうちきり すゑうちたちて ちくらのおきくらにおきたらはして あまつすがそを もとかりたち すゑかりきりて やはりにとりさきて あまつのりとの ふとのりとごとをのれ かくのらば あまつかみは あめのいはとをおしひらきて あめのやへぐもをいづのちわきにちわきて きこしめさむ 
 
8.
くにつかみは たかやまのすゑひきやまのすゑにのぼりまして たかやまのいほりひきやまのいほりをかきわけて きこしめさむ 

9.
かくきこしめしてば つみといふつみはあらじと しなとのかぜのあめのやへぐもをふきはなつことのごとく あしたのみぎりゆふべのみぎりを あさかぜゆふかぜのふきはらふことのごとく おほつべにをるおほふねを へときはなち ともときはなちておほうなばらにおしはなつことのごとく をちかたのしげきがもとを やきがまのとがまもちて うちはらふことのごとく のこるつみはあらじと はらへたまひきよめたまふことを 

10.
たかやまのすゑひきやまのすゑより さくなだりにおちたぎつ はやかわのせにます せおりつひめといふかみ おほうなばらにもちいでなむ 

11.
かくもちいでいなば あらしほのしほの やほじのやしほぢのしほの やほあひにます はやあきつひめといふかみ もちかかのみてむ 

12.
かくかかのみてば いぶきどにます いぶきどぬしといふかみ ねのくに そこのくににいぶきはなちてむ 

13.
かくいぶきはなちてば ねのくにそこのくににます はやさすらひめといふかみ もちさすらひうしなひてむ 

14.
かくさすらひうしなひてば けふよりはじめてつみといふつみはあらじと はらへたまひきよめたまふことを きこしめせと かしこみかしこみもまをす




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