まず、半田広宣さんが、チャネリングソースである『オコツト(OCOT)』と、出会った時の話を書きます。
これは、書籍『2013:人類が神を見る日』(現在は電子書籍版のみ発行・販売)に書かれていることなので、その部分の記述をそのまま引用しつつ、書かれている内容を忠実に説明していきます。
あくまで、重要な箇所を抜粋した形になるので、より詳しい内容は、原書を参照して欲しいです。
コウセンさんがオコツトに出会ったのは、1989年11月11日で、その時、コウセンさんは、自身の兄とタキオンエネルギーに関する研究をしている最中だったそうです。タキオンとは、光速度以上の世界に存在すると言われている未知の素粒子であり、「タキオンエネルギー」と呼ばれる特殊なエネルギーを持っているものです。
そうした中で、コウセンさんは、そのタキオンエネルギーを空間の中で描像する方法、論理的整合性のとれるやり方で解明する方法を探っていました。
その研究に没頭しているとある夜、いつものように眠りにつこうとした時、それは起こったそうです。コウセンさんがいつも通り、描像不可能とされる超高速の世界を、夢うつつの中でイメージし、弄んでいた所、いつもと違うイメージが混じり初めてきた・・・と書籍には書かれています。
以下、その様子を『人類が神を見る日』の記述そのままで引用します。
(この内容は、デジタル・エディションの販売ページにある、サンプルPDFにも載っている内容です。)
今でもはっきりと覚えている。1989年11月11日のことだった。おそらく午前4時ごろだったと思う。当時、わたしは兄とは違ったアプローチでタキオンエネルギーの発生装置を作る方法を考えていた。しかし、そのためにはどうしてもクリアーしなければならない難問があった。それは、光速度以下の世界とタキオンの世界がどのようなトポロジーでリンクしているのか、その空間構造を見出す必用があったのだ。ところが、この空間構造というのが実にやっかいな代物だった。
現代物理学には大きく分けて相対論と量子論という2本の理論的な支柱がある。相対論は、天体の運動などマクロ空間に関する力学を記述する理論で、量子論は原子や素粒子などのミクロ空間における力学を記述する理論だ。この2つの理論は現代物理学の枠組みの中では水と油のような関係にあり、両理論の統合さえできれば物理学は一応の完成を見るとまで言われていた。わたしが模索していた空間構造とは、結果的に、この2つの理論に共通する新しい空間概念を作り出すことにあったのである。
そして、その解明のカギは、まぎれもなく超光速粒子と呼ばれている『タキオン』を日常的な空間の中でどのように描像すべきかの解釈にあるとにらんでいた。
アインシュタインの相対論の延長線上にあるこの『タキオン』は物理学者の間でもコンセンサスが得られていない正体不明の存在だったが、この虚的物理量にうまく論理的整合性を持たせることのできる何らかの描像アイデアはないものか、そのことばかり考え続けていたのである。
今思えば、長期間にわたる右脳的な作業の連続でかなり精神的に疲弊し、一種のトランス状態にあったのかもしれない。しかし、その時に、まさに確実に、この信じ難い物語はスタートした。
わたしは、ベッドに入り眠りにつくまで、心地よいまどろみの中で思考を巡らすのが何よりも好きだった。時としてはそれは思わぬ直観を顕在意識に押し上げてくれるように思える。ニュートンのリンゴ、ガリレオのランプ、アインシュタインのエレベーターなど、過去の偉大な科学法則の原型の多くがこのトワイライトゾーンから発信されている。
わたしはその夜も、いつもと同じように、描像不可能とされる超高速のイメージを夢うつつの中で弄んでいた。S・ホーキングの虚時間宇宙モデルやカルツァ=クラインの5次元テンソル、ファイバー・バンドル、ベルの定理など、何の具体的な意味の連結も持たない数々の物理概念のイメージが、深く澄み切った思考空間の中をボンヤリとよぎっていく。いつもなら、このまま深い眠りに入っていったことだろう。
しかし、この夜は何か様子が違っていた。立ち上がってくる様々なイメージの奥に、何か奇妙なノイズが混じり始めたのだ。最初はキッチンにある冷蔵庫の音かとも思ったが、発信源はどうやら外部ではなく、わたしの脳の内部にあるようだった。わたしは思考を小休止し、その正体不明の音に意識を集中することにした。間脳の右後方部分、おそらく右内耳の奥あたりだ。まるで壊れかけたラジオのチューン音のような音が鳴り響いている。
〜シュルン、キュルン、シュルン、キュルン、キ〜ン、キ〜ン、シュルン、キュルン・・・・・・〜
数種類の甲高い回転音と、耳鳴りの時に聞くような金属音が混じり合っている。このような聴感覚は以前には体験したことがない。
〜シュルン、キュルン、シュルン、キュルン、・・・・・・・・・・・・・・・〜
意識をその音に集中すればするほど、音源が次第に接近してくるのが分かった。
それにつれて、下半身にチカチカした痒みが起こってきて、その微細な痒みは、〜プチプチ、プチプチ〜と気味の悪い音を立てながら前進に広がっていった。まるで細胞に浸透している体液が沸騰し始めたような感じだった。やがて、前進の細胞の一つ一つが体液の内圧に耐えきれず膨張し始めた。苦しくて呼吸が思うようにできない。
体全体が風船のように膨らんでいく。それに伴いその奇妙な回転音はボルテージを徐々に上げ、鼓膜をつんざくまでになっていた。膨張が限界に達したと思われた瞬間、頭頂部からシューと空気が抜けるような音がし、細胞の膨張は元の状態に戻ったようだった。わたしは荒い呼吸の中で自分に落ち着くように言い聞かせた。
が、しばらくすると、また、例の回転が近づいてきで体の膨張が始まった。体内からの圧力が再び高まり、金属音が鼓膜をつんざくように響く。起きようとしても金縛りに襲われたかのように体が全く動かせない。もし、これが夢だとすれば、目を開ける意識を力強く発現させさえすれば目覚めることができる。わたしは祈るような気持ちで瞼を思いっきり開いた・・・・・・。
薄ぼんやりした暗がりの中にいつもと同じ見慣れた風景が浮かんできた。ステレオの赤いパイロットランプとビデオのデジタル時計が部屋の中で明滅している。バルコニーのサッシには街灯に照らされて映し出された夜風に揺れる街路樹の陰があった。なまぬるい静寂の中で壁にかけた音だけがカチ、カチ、カチと響いている。
――変な夢だった・・・・・・・・・――
少しばかり汗ばんだ額を撫でながら、わたしは上半身を起こした。金縛りは肉体的疲労に重なって精神的
興奮が高ぶっているっている時によく経験していたが、こういう時は、すぐに眠りに戻るとまた必ず同じ状態が襲ってくる。わたしはベッドから抜け出して、とりあえず居間のソファで一服することにした。
そのときだ――顔面から30センチほど離れた目と鼻の先のところに一粒の白く発光する小さな球体が突如として出現してきたのは。しかも、それは視線の方向を変えても絶えず視界の中の同一の場所につきまとってくる。目を閉じようが開けようが、その物体だけは消えない。わたしは思わずその謎の物体に魅入られてしまった。その粒は螺旋状の回転運動をしながら顔面の方に近づいてくる。先ほどの回転の正体はこの小さな球体だったのだ。シュルン、キュルン、シュルン・・・・・・・・・・・・・・・と、その接近に合わせて再び回転音が大きくなっていく。体の全細胞は再び沸騰し始め、またもや全身が金縛り状態に陥った。何か未知の力に羽交い締めにされ、今度は目を閉じることさえできない。その白い光の球体はまるで電気ドリルの刃のように旋回しながら、ついにはわたしの眉間に突き刺さるように突入した。
こうして、『オコツト』なる存在が、コウセンさんの中に入り込むこととなりました。