さて、ここで「4次元式止観瞑想」の効用とは何か?について説明していく。
まずは、その効用については、「天台小止観」で言われていた通りのものが挙げられる。
先の内容においては『善根』と言われていたものであり、これは、古典的に伝えられている「神秘主義」の修習のメリットでもある。
加えて、これは「目に見えないもの」を扱うための、根本的な「センス」を身につける修行にもなるものである。こうしたセンスには、『ミクロ知覚』
というものが必要になると先ほども説明したが、そうしたものを知覚する能力を身につけることにも通じている。
また、「止」の感覚をベースして「イメージ」へと発展させることにより、安全に「魔術や魔法」を扱うことができるため、「魔術や魔法」における「基礎修行」にもなる瞑想方法である。
それから、「何故、『4次元』を用いるのか?」という点についてであるが…
それは、「数学的な空間認識と結びつけること」が重要だからである。
人間が「X・Y・Z軸」といったようなやり方で空間を認識するのは、大昔からやっていた行為というわけではない。
17世紀頃になって「ルネ・デカルト」が「複数の軸」を用いて物事を捉えるやり方を発明し、そこから『デカルト座標』という空間の捉え方が使われるようになった。
加えて、「アイザック・ニュートン」がそこに物理学を持ち込んで、それが普及することによって、初めて、「X・Y・Z軸+物理現象」 という内容で「世界」が一般的に認識されるようになる。
この「X・Y・Z軸+物理現象」という仕組みが「コンピューター」上で動く「デジタル空間」
として使われるのが20世紀の末期ということになり、それを「オンライン」で動かす空間が登場してくるのが21世紀になってから・・・ということになる。
こうした「X・Y・Z軸+物理現象」という見方は、いわば、現代人にとって「共通の視点」となっているわけである。
そこで、『4次元式止観瞑想』のように「4次元」を絡めて瞑想を行うことにより、現代人が築き上げてきたものを踏まえつつも、それを乗り越えるように瞑想を行うことができる。そうすることにより、理知的に「目に見えないもの」の世界へと参入することができるのではないか?という目論みが『4次元式止観瞑想』にある。
以上のように、古典的な効用がありつつも、現代にある科学的な価値観を踏まえた効用があるのが、『4次元式止観瞑想』である。