カバラの「生命の樹」と、ヌーソロジーの『観察子』を別物ということですが、それぞれ合わせて考えると、以下の図のようになります。
上側にあるものが従来の「生命の樹」であり、その下側にあるものが、「生命の樹」の型に『観察子』を当てはめたものになります。
伝統的には、生命の樹を反対にした存在は「クリフォト」と呼ばれ、闇の象徴となるものですが、ここでのそれはクリフォトとは違って、進化の方向性を持つものにあたります。
上側の樹が、カバラの原典「ゾハールの書」に書かれている、伝統的な生命の樹の形であり、下側の樹は、ヌーソロジーで観察子と呼ばれているものと見て良いです。
ポイントとしては、上側の樹は、22の「パス」が重要視されていて、このパスにはそれぞれ22のヘブライ文字が割り当てられています。(図では、ヘブライ文字ではなく、それに対応する数字とアルファベットを記載しています)
それから、下側の樹は、各ユニットに該当する惑星が割り当てられており、これが重要視されます。
元々、ゾハールの書に書かれてる生命の樹には、セフィラーに惑星は当てはめられていません。代わりに、ユダヤ人が扱うカバラでは、22のパスに当てはまるヘブライ文字が重要視されています。
また、上側の樹は、カバラの「ダァト」にあたる箇所が「非セフィラー」とされていて、10の数字と22のパスで構成される形が神聖視されています。
しかし、ヌーソロジーの観察子では、この箇所に「8番目」のユニットが毅然として存在しており、それが物質世界において「結界」のようなものを作っています。
全体としては、「上側の樹」のモデルは、上へ上へと上昇することで、「ケテル」と呼ばれる場所でもある神へと回帰していきますが、「下側の樹」は、下へ下へとどんどん降りていくことで、神へと近付くという道になります。
これは、老子が言った「上善水の如し」のように、下へ行くほど意識進化の道へと入り込むというモデルだと言うことが出来るかもしれません。
日本で「榊(さかき)」と呼ばれているものがあります。これは、実際にある木の名前であり、日本の神事によく使われ、神棚にもよく祭られている木のことを言います。神と人との境にある木という意味を持ち、「境木」が語源になったと言われています。それから、「逆木」と書けないこともないです。
この「境木」というものは、ここで出てくるひっくり返った「生命の樹」のことをいう。・・・のかどうかは分かりませんが、そのように捉えてみても良いかもしれません。