「キアスム」について

 ヌーソロジーでは、『キアスム』という構造が重要視されます。
 それは、「自己」と「他者」において、相互に役割が入れ替わる「2×2」の構造のことを言います。

 冒頭の『タカヒマラ』における、『定質』・『性質』・『反性質』・『反定質』の4つは、『シリウス』×『プレアデス』における関係なわけですが、ここにおいても、「2×2」の構造が現れています。
 『シリウス』と『プレアデス』は、この時、「自己」と「他者」のどちらかに対応していて、相互の2つの力の関係は、お互いに入れ替わっています。
 ヌーソロジーがベースの考え方として持つのは、「2元論」ではなく、こうした「4元論」にあたるというのが、重要な所です。

 人間は、物事をなるべく単純に、1面的に見たがるものです。しかし、それはヌーソロジー的には、恐らく、「『付帯質』によるモノの見方」にあたります。これは、物質と人間がメインとなる領域である『プレアデス』の世界において、主に働く力でもあります。
 また、物事を何かと同一視して単純に見たがることにより出来る世界を、哲学者ドゥルーズは、「『同一性』の支配する世界」というように説明しています。
 真実を見極めるためには、こうした視点だけでなく、2面的に物事を見る必要があります。

 ヌーソロジー的な思考とは、「善⇔悪」の対立ではなく、「善悪⇔悪善」の対立で物事をみることだと言われています。
 自分の中であっても、他人の中であっても、善の裏には悪があり、また、悪の裏には善があるものです。また、それが善悪に代わるものであったとしてもそうです。
 一見、善悪の構造に見えるものは、より奥を見てみると、違ったものが見えてくるものです。真相を見極める為には、目立って認識しやすいものだけを見ているだけでは、1面的で限られたものしか見えてきません。

 『変換人型ゲシュタルト』を身につけ、『人間の外面』で物事が見えるようになった時、『奇数系観察子』と『偶数系観察子』が、「自己」と「他者」の関係において、その役割が相互に入れ替わるという仕組みが、ある程度は見えてくるようになります。

 このように、物事を2面的に見ることが、その物事の真実を見極めることに通じているため、ヌーソロジーでは、『キアスム』という構造を重要視します。