「重心」について

 前述した「<ペンターブ・システム>」の節で、『負荷』『反映』『等化』『中和』という4つの基本因子について説明しましたが、これに付け加えると、『重心』という因子があります。

 これは、数字でいうと0番目に該当します。
 『0:重心』→『1:負荷』→『2:反映』→『3:等化』→『4:中和』と発展していき、さらに、『4:中和』から次のステージに入る手前のゼロポイントということにもなります。
 また、「1〜4」の中心という言い方もできます。
 あらゆる「1」「2」「3」「4」に対応するもののバランスを取るための中間ポイントでもあり、「あらゆる変換における中点」と言うこともできます。このポイントはあらゆるものを『等化』するためにも重要となります。

 この『重心』については、オコツトが「神」だと言ったことがあります。そして、それは「力を持たないもの」だとも言いました。それは「神」というよりも、老荘思想において「道(タオ)」と呼ばれるものに近いかもしれません。陰陽に分かれる以前の存在であり、また、それは陰陽を変換する際にもキーとなる概念でもあります。

 それから、オコツトの言った『重心』というものは、普通に「人間の身体における重心」とも関わりがあるので、そういうものとして解釈しても良いみたいです。
 人間の身体における『重心』というのも大事であり、我々の私生活にとっても、それを見失わないように動いたり行動したりすることが、『等化』と『中和』のバランスを取ることにもなります。
 これは武道の世界でも重要な概念であり、武道においては、自分の『重心』を崩さず、相手の『重心』を崩すことで、相手を怯ませ、「倒す」ことが出来ます。
 現代においては、「武」というものはあまり重要視されないので、「智」における『重心』というのを探ってみると良いかもしれません。

 人間はこの『重心』を見失わずに、どこまで動けるか、どこまで頭を働かせれるか、というのが重要なのだと思います。そうすることで、「天」を味方につけたかのような、理に適った生き方をすることができます。人間として、それが出来るかどうかで、上手くいくかいかないかが決まるのではないかと思います。