ここで、哲学者カントの言ってることから生まれた、「コペルニクス的転回」という言葉について述べます。
「コペルニクス的転回」とは、まず、「コペルニクス」は、地球の周りを太陽が回っているという「天動説」に対して、太陽の周りを地球が回っているという「地動説」を唱えた人ですが、そこから派生して、物事の見方が180度変わってしまう事の比喩として、「コペルニクス的転回」という言葉が使われます。
哲学者のカントが、この言葉を哲学の世界で使いました。
カントは自身の展開する「認識論」の中で、「認識が対象に従うのではなく、むしろ対象のほうがわれわれの認識に従わなければならない」ということを唱えました。
それは、言い換えるなら、「通常、我々がモノ(対象)を認識する時は、モノが存在するのを観測者が捉えて、そこにモノがあると認識したからである。しかし、観測者がモノを捉えて、モノがあると認識したから、モノが存在すると捉えることができる。」ということになります。
ここでいう、「認識が対象に従う」が「はじめにモノが存在すると捉え、それを認識する」であり、
「対象のほうがわれわれの認識に従う」ということが「認識するからモノが存在すると捉える」ということになります。
カントはこれを「コペルニクス的転回」と例えて説明しました。
この中で、「認識が対象に従う」の部分は、「客観」に基づいた認識の仕方にあたります。そして、「対象のほうがわれわれの認識に従う」の部分は、「主観」に基づいた認識の仕方にあたります。
ヌーソロジーでは、客観的認識から「コペルニクス的転回」を引き起こし、主観的認識ベースの世界観を掘り下げていく必要があります。