人間の持つ、「狂気」というものは、「分裂」と近い性質を持ちます。
これは、「自我の解体」の方向性を持っていて、人間が「内なる存在」を重要視すると、必ず発生するものにあたります。
肉体を持っていない存在が、精神世界に参入する場合は、特にただその場所のいるだけで済むことですが、肉体を持っていたり、社会生活をある程度していかなければいけない人間にとってはそうもいかず、そこでは必ず「狂気」というテーマが出てくるものです。
この「狂気」は、「分裂」による現象と言うこともできますが、「社会的なものに対するアンチテーゼ」でもあります。つまり、「客観的意識」に対抗するための、強い「主観的意識」というのが必要になっていきます。
そして、「芸術」というものが、より優れた「狂気」を持っているべきものにあたります。