「ペルソナ(仮面)」というもの

 ここでまた、ユングについてですが、ユングの提唱した「元型」の一つに「ペルソナ」というものがあります。
 この「ペルソナ」とは、「仮面」という意味です。文字通り、自分を構成している「仮面」であり、「他人向けの自分」のことを言っています。

 これは正しく、「見られている時の自分」をベースに作り上げたものであり、『次元観察子ψ4』との関わりが強いものです。
 ラカンの「想像的自我」に近いものだと言うこともできます。

 ユングは、「ペルソナ」については、「アニマ」の問題と絡めて、以下のように述べたそうです。
 (河合隼雄著「ユング心理学入門」より引用)


 
 (男性は、)一般には、男性としての強さや判断力などがまず期待されるので、このような外的な期待にそえる「ペルソナ」を作り上げることが大切であり、このような「ペルソナ」を人生の前半において築いた後に、「アニマ」の問題との対決は人生の後半(三十五〜四十歳以後)になされるのが普通である。
<中略>
 ただ、例外として、芸術家、宗教家や、前述したように心理療法家なども、若いときから「アニマ」の問題と取り組まねばならぬ宿命を背負った特殊な人であると思われる。

 


 これは、「男性」と「アニマ」についての説明で述べたことですが、女性にもいくらかは通じているのではないかと思います。

 これも、まず『次元観察子ψ4』で、自分自身の「自我」を作り上げることの重要性を説いています。
 それと同時に、ヌーソロジー的には、『次元観察子ψ4』は偶数系の観察子であるので、偶数系を先手とし過ぎないようにするという注意点も、必然的に出てくるので、そこで「アニマとの対決」という話になります。
 そして、「アニマとの対決」というのは、『次元観察子ψ3』の方向へと向かうことにあたります。

 また、「ペルソナ」にとって、「あまり向き合っていない自分」にあたるのが、『次元観察子ψ3』に絡むものとして出てきた、「シャドウ」にあたります。
 「ペルソナ」を鍛えることと対にして、「シャドウ」についても考察することが、「ψ3」と「ψ4」を合わせて理解するのに必要となります。