「内向タイプ」と「外向タイプ」

 心理学者ユングの提唱した概念で、「内向タイプ」「外向タイプ」という二つのタイプがあります。
 これも、ヌーソロジーの観察子で紐付けて考えることができます。

 人間の自我は、基本的には『次元観察子ψ1〜ψ2』の領域にあり、そこから、ψ1〜ψ2→ψ3へ向いて、→ψ5(自己)…へと向かっていく方向性と、ψ1〜ψ2→ψ4へ向いて、→ψ6(他者)…へと向かっていく方向性があります。
 これが、ユングの言った「内向タイプ」と「外向タイプ」との関わりが深いです。
 ユングは、「内向タイプ」と「外向タイプ」について、「意識のベクトルが内側に向いてるか、外側に向いてるか」という説明の仕方をしていますが、ほとんど、その二つの方向性のことをいっているのではないかと思われます。

 内向タイプと外向タイプの説明で、ユングが述べたもので以下のようなものがあります。
 (河合隼雄著「ユング心理学入門」より引用)



 世の中には、ある場合に反応する際に、口には出さないけど「否」といっているかのように、まず少し身を引いて、そのあとでようやく反応するような一群のひとびとがあり、また、同じ場面において、自分の行動は明らかに正しいと確信しきって見え、ただちに進み出て反応してゆくような郡に属するひとびとがある。
前者はそれゆえ、 客体とのある種の消極的な関係によって、また、後者は客体との積極的な関係によって特徴づけられている。
 ・・・前者は内向的態度に対応し、後者は外向的態度に対応している。



 以上のように説明されるのが、「内向タイプ」と「外向タイプ」です。

 内向タイプと外向タイプのそれぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。

内向タイプ

外向タイプ

心のベクトルが内側に向き、
自分に関心が強い。
自分自身を追求することを良しとする。

 心のベクトルが外側を向き、
他人に関心が強い。
社会に順応することを良しとする。

特徴〜

・心のベクトルが内側へと向いている
・孤独で殻にこもりがち 
・自分を表現するのが下手
・自分自身で突き止める哲学が理念
・自分自身で作る価値を追い求める
・ひとり旅が好き
・他人とは関係なく動く
・一人で仕事をする方が好き
・意外と存在感が強い
・意外に頑固

〜特徴〜

・心のベクトルが外側へと向いている
・社交的で殻にこもらない
・自分を表現するのが上手い
・身近な他者による風習が理念
・肩書きを追い求める
・競争が好き
・他人に合わせたり、合わさせたりして動く
・他人と仕事をする方が好き
・意外と存在感が薄い
・周りに流されやすい 

<キーワード>
独創性、非常識、自己満足、一人旅、
質、マイペース、芸術、哲学、理想、
イメージ、無意識、自分優位、天才、子供

 <キーワード>
社会性、常識、順位、群れ、
量、順応、政治、経済、現実、
物、意識、他人優位、一般人、大人



 人間の自我は「ψ1〜ψ2」内にあるので、「内向タイプ」は、「ψ1〜ψ2」にとっての「ψ3」外向タイプは、「ψ1〜ψ2」にとっての「ψ4」と、特に関わりが深いです。
 また、「内向タイプ」は奇数系の観察子である『ノウス(NOOS)』の方向性に近く、「外向タイプ」は偶数系の観察子である『ノス(NOS)の方向性に近いタイプにあたります。
 実は、『ノウス』と『ノス』の二つの方向性を、簡単にイメージすることに適しているのが、この二つのタイプだったりします。