「幅」について

 ヌーソロジーで言われている『幅』とは、『奥行き』と反対の概念にあたります。ここで言う『幅』も、いわゆるただの「幅」とは違く、『奥行き』と同様に、ヌーソロジー的には特別なものとして扱います。

  『幅』とはつまり、「距離」もとい「長さ」のことを言います。それから、『奥行き』が「前」の軸なのに対し、『幅』は「横」の軸にあたります。ヌーソロジーで重要視される『幅』は、先ほどの「3次元空間のイメージ」の話がありましたが、この「3次元空間のイメージ」が作っている『幅』という意味で、間違いはありません。
 ヌーソロジーでは、「普段の我々は、『奥行き』を『幅』として捉えている」ということがよく言われています。これも、「3次元空間のイメージで作った、距離を持った『幅』が、『奥行き』にあると思い込んでる」ということです。
 これは、人間の空間認識は『幅』が先手になってしまっていることであり、このことが、『偶数系観察子』が先手となる要因となっています。
 『偶数系観察子』が先手となっているということは、他者の持つ見方や、科学的なモノの見方、モノを物質としてしか見ない認識を先手にするということになるので、これは、「世界には物質しかない」という、唯物論的な価値観に幽閉される要因にあたります。
 ヌーソロジーではこの観念を脱することを目指しています。

 ただ、人間が触覚などで捉えた物質空間においては、『奥行き』に『幅』があるというのはその通りになります。それはヌーソロジーでいう『付帯質』でのモノの見方にあたります。逆に、『精神』でのモノの見方では、『奥行き』は、ただの純粋な『奥行き』となります。

 必要なのは、こうした『付帯質』でのモノの見方と、『精神』でのモノの見方との、切り分けであると思います。