それから、ラカンは「象徴界」と「想像界」というものを提唱しました。
この二つは、ラカンの提示した世界観においては、かなり深い意味を持つ概念ですが、簡単に説明すると、まず、先ほどの「鏡像段階論」において、他人から見た自分のイメージから「想像的自我」というのを形成していきますが、この時の「想像的」イメージの在り所というのが「想像界」にあたります。
ここでの説明では、つまりこれは、他者から「見られている」という意識が、「想像界」との関連が深いということです。
対して、「象徴界」は、「想像界」との反対に対応する概念にあたりますが、「見られている」という意識と逆向きで、「見ること」の意識に関連している所にあるのが、「象徴界」ということになります。
人間がただ「見ること」に徹した場合は、そこには純粋な「象徴」と「象徴と象徴が作る構造の世界」というのがあります。そこに「象徴界」があります。
つまり、この辺りのヌーソロジーとラカンの概念は関連していて、『人間の外面』・『次元観察子ψ3』と「象徴界」は絡んでいて、『人間の内面』・『次元観察子ψ4』と「想像界」は絡んでいます。
「象徴界」と「想像界」は、もっとより深い意味を持ちますが、ひとまずは、「『人間の外面』は象徴界の入り口」、「『人間の内面』は想像界の入り口」という説明が妥当であると思います。
より突き詰めて追求すると、「象徴界」は『次元観察子ψ9(人間の思形)』、「想像界」は『次元観察子ψ10(人間の感性)』のことを言っています。この辺りは、「ψ9⇒ψ*3」「ψ10⇒ψ*4」という『凝縮化』の構造や、「人間の思形≒言語」「人間の感性≒知覚」という関連性が絡んでいる所ですが、ひとまずは、ここでは詳しくは触れないことにします。
「象徴界」と「想像界」についての説明は、また「シェーマL」についての項目で述べていきます。