「シャドウ」と「ペルソナ」の統合

 これらの注意点などがありますが、そうして得た『自己』こそ確実であり、危険性はその力の強さの裏付けでもあります。
 要は、この段階で必要なのは、「シャドウ」と「ペルソナ」の統合になります。
 
 「シャドウ」とも「ペルソナ」とも向き合うことができ、その双方の問題が解消できるかどうかです。
 自分自身の「自我」の基盤となる所も育てておく必要があるし、「目に見えないもの」「非常識的なもの」も明確に扱えるようにしておく必要があります。
 必要であれば、自分の劣等機能となっている所を育成しなければいけないかもしれません。

 『自己』の確立に必要な、「自分のビジョンをしっかりと現実の中へ転化させていく」ということは、自分の『主体』の発見と同時に、社会性や、表現スキルなども必要になってきます。それぞれ、「シャドウ」と「ペルソナ」と向き合わないと、出来ない問題となります。
 「シャドウ」とちゃんと向き合うと、そこに「こころ」を見出すことができます。これが自分の潜在的な『自己』であり、真の『主体』と言うことも出来ます。従って、「シャドウ」と「ペルソナ」の統合は、「こころ」と「ペルソナ」の統合だと言うことも出来ます。
 「シャドウ」も「ペルソナ」も双方とも扱えるようになると、それらは同じ「自分」かもしれないという「納得」が起こってきます。それは、「悟り」に似た感覚かもしれません。