肝心な所はどこか?

 さて、この『天台小止観』の内容の中で、一番重要な所や、肝心な所はどこになるのだろうか?
 ここで、実際の実践に該当する所は、<実践編>「六. 正しく修行せよ」 であるため、実践はそこがメインとなるだろうと思う。
 また、<前準備編>にも、前準備として必要なことが書かれているし、特に「四. 調和をはかれ 」 には実践に近いことも書かれているため、そこも重要な所である。

 それから、その他の話の中には「心がけ」の話が書かれていたりする。
 「心がけ」の話というのは、「止観」の修習を行うにおいて「どういった精神状態でいることが望ましいか。」という問題である。
 これに関しても、智顗の話は非常によくまとまっているので、参考にすると良いと思う。

 しかし、「心がけ」に関する話は色々と言える所であり、これは「仏教」でなくても良い所でもある。
 また、仏教で昔から伝えられている説法は、昔に教えられたことであるため、これはそのまま現代にも使えるかどうか?という問題は、なかなか難しい問題である。
 特に、智顗の説法は漢文から訳しているため、必然的に文章が固いのが特徴となる。

 従って、「心がけ」の話に関しては、他の「神秘主義」の教えを参考にするのも良いと思う。例えば、『ルドルフ・シュタイナー』といった、優れた神秘家の教えも併用するという手もあると思う。
 それから、各自が生きていく中で、自身の力で教養や一般常識を身につけていくことも必要だろうと思う。
 


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