「東方Project」の作者ZUN氏の妖怪に対する考え方です。
これは、書籍「The Grimoire of Marisa」にて、
霧雨魔理沙というキャラクターの書いた文章として出てきます。
夜空を流れる星、花香に誘われ舞う蝶、低きを求めて流れる水、深く暗い霧。
自然に起こる事柄には何らかの理由がある。
人間はそれらの出来事に説明が付くように理由を捏造した。
そうして目に見える出来事は全て、人間の物となる・・・・・・筈だった。
自然に起こる現象にあちこちで別の解釈が生まれた。それは統一された理論を好む人間にとっては、一つの正解を除いて、もしくは解釈の全てが誤りであると考えてしまうだろう。
しかし妖怪達の考え方はこうだ。目に見える物、世の中に起こる出来事、それに対する考えすらも、全て正解である。何故なら、妖怪自身も現象と考え方から生まれた物だからだ。
現象と考え方から生まれた、妖怪というものは、
「主観」と関わりが強い存在だという所が重要だと思います。
ZUNさんと妖怪について。他にもいろいろ
ZUNさんと妖怪は親しき仲なのは言うまでもなく・・・
東方Projectには妖怪キャラがいっぱい出てきますし、
そもそもZUNさん自体が妖怪なんだか神なんだか分かんない存在な所があります。
自分がプレイ動画を上げた『東方妖々夢』なんかは、
「妖」の字がついてることもあり、その辺が裏テーマにあります。
「ありとあらゆる境界をつかさどる妖怪」とかも出てきますね。
『東方永夜抄』では、
「人間×妖怪」のタッグが月の民に挑むというストーリー構成になっていて、
三部作をしめくくる作品となりました。
最近では、『東方茨歌仙』とか『東方鈴奈庵』とか、
漫画原作で活躍していることが多いZUNさんは、
豊富な民俗学ネタをそっち方面で披露したりします。
そんでもって、自分が個人的にビビっときたのは、
オリジナルCDの『秘封倶楽部』シリーズの中で、
「素粒子には妖怪が潜んでいる」
ということを示唆するメッセージがあったことです。
妖怪×物理学ネタ!
ZUNさんがたまにこういうネタを仕込んでくる所は、
自分が凄い好きな所です。
ちなみに、自分の知り合いで妖怪に詳しい人というと、
哲学の本とかも出してる『甲田烈』さんという人がいて、
この人の考え方も面白いです。
甲田さんにとって「妖怪」というのは、
「この宇宙の影に潜む、ありとあらゆるもの」みたいな、
非常に広義のものを指すらしく、
「妖怪論」というジャンルもなかなか奥が深いものだと思います。