新海誠さんの映画『君の名は。』が凄い勢いで人気ですね!
自分も、あの作品は非常に気に入ったので、
とりあえず3回は劇場で観ておいたり、
小説版などをしっかり押さえて楽しんでます。
それから、これまでにあった新海誠さんの作品というのも気になってきて、
既に観たことがやつも含めて、改めて観てみることにしたので、
以下、その感想を書いておきます。
ほしのこえ
新海誠さんの初アニメ作品。25分アニメ。
新海さんは一人でこれを作ったらしいけど、アニメだから相当手間がかかるはずであり、
会社を辞めてこればっかり作ってたというエピソードを聞いてるだけでもなんか感動してくる。
少し昔の作品ということもあってか、エヴァンゲリオンというか、綾波レイというか、
その辺の美学をひっそりと感じるような気がする。
作品の内容には、「冥王星」とか「シリウス」とかいうキーワードがめっちゃ出てきてる。やっぱりスピリチュアルな感じ。
「遠い何処かで自分でない誰かが戦ってる」というコンセプトも良い。
同人アニメの特徴というのがこの作品には出ていて、
企業が作ってるアニメのような完成度の高さがあるわけではなく、
同人特有のショボさみたいなのはあるけど、
それを補う攻撃力みたいな同人特有の表現もあって、
やっぱりそういうセンスを元々持っているから、
その後に物凄い作品を作れたんだと思う。
「時間と空間を超えた想い」っていうのはこの頃からテーマにあったっぽい。
ただ、この頃はどちらかというと「別れ」というテーマの方が強い。
雲の向こう、約束の場所
劇場長編作品としては初となる、代表作品の一つ。
だいぶ昔に一回だけ観て、最近になってまた観なおした。
主人公二人が理系な所が印象に残っていて、
同じ理系としてこれには結構反応してしまう。
とてもSFっぽい内容を盛り込んだアニメで、
飛行機飛ばしたりとか、エンジンがどうのこうのとか、
旧式なコンピューターのプロンプト画面とか、「並行世界」の話とか色々と出てくる。
世界観が現代のようで現代ではない感じが独特で、今の日本で言うと少し古い時代を感じさせる。
その世界観の中で行われる青春ストーリーというのが前半部分、
その圧倒的に美しい演出は、流石、これが新海誠さんかと思った。
後半は、科学的な内容に加えて、
軍事的な内容まで絡んでくる、かなり難しいアニメに。
しかし、現代の世界のようで、何故か立っている「塔」という世界観は独特で、
何か神秘的なものを感じさせる作品。
「この世界は地球が見てる夢」とか何とか、
そんなことも言われてる作品。
主人公が理系ということで、個人的には評価したいし、
あの世界観の美しさは、やはり新海誠さんの素晴らしさを感じるけれど、
いかんせん、難し過ぎるからちょっと消化不良な感じが残ってしまうかもしれない気もする。
秒速5センチメートル
新海誠さんの作品の3作目。
1回見たことあるけど、改めてまた見てみた。
『君の名は。』の放映以前は、
新海誠と言ったらこれでしょ!と、よく言われるぐらいの代表作だった気がする。
確かに『雲の向こう、約束の場所』とかよりも難しくない気がするけど、
『君の名は。』ほど簡単でもない。
SF的な難しさのある前作と違って、
主人公とヒロインの関係をメインテーマに絞っている。
恋愛モノでもあるので、女性でも気に入る人が多そう。
序盤からちょっと見ていくだけで、すぐに引き込まれる感じがあり、
こうやってすぐ人を引き込める所は、さすが新海誠さんという印象。
またしても「時空間を超越した想い」的なのがテーマとなっている。
コンセプト的にも『君の名は。』に近くて見やすいと思うので、
興味を持った人にとりあえずオススメしたい作品。
余談だけど、主人公がシステムエンジニアになってる所とか見ると個人的に親近感沸いてしまう。
星を追う子供
あの名作『秒速5センチメートル』の次の作品
・・・だけど、あんまり良い評判聞いてないやつで、初めて観た。
あれ?新海誠さんってこんな感じだっけ?
ってのが初見の印象であり、
いつもの圧倒的な世界観と雰囲気で押す攻撃力が無い・・・
絵もちょっとイマイチなのも若干気になる。まぁそれは良いとして・・・
ちょっとジブリでも意識してるのかな?っていう雰囲気があるけど、
物語は結構たんたんと進んでいく感じ。
地下世界から先の世界観は割と好き。
スピリチュアルな感じはむしろ露骨に出てるかもしれない。
ストーリーはそれなりに良いと思ったので評価はまぁまぁだけど、
教科書的な展開で物足りない感が強かった作品。
しかし、新海誠さんは、こういう異世界ファンタジーものも結構好きそうなので、
次回作で凄いのを作ってくれることちょっとだけ期待したい。
言の葉の庭
事実上『君の名は。』の前の作品ということになるやつ。
その割にはそこまでは話題になっていなかった?
とりあえず、スルーしてた作品であるので、初めて観てみた。
46分のアニメ映画になっていて、ボリュームは少なめ。
何となく文学的なタイトルだなと思ってたけど、
予想通り文学的な内容な気がする。
時間が少ないこともあって、
今までの作品よりはボリュームが少なめの短編みたいな話。
以前のは異世界とか平行世界とか出てくるような規模の内容だったけど、
今回はそんな感じでもない。
それなりに文学的で綺麗な作品でいながらも、
ネガティブな感情表現、欝要素が割と多い気がしたので、
確かに『君の名は。』と違ってこっちはヒットしなそうな作品という印象がある。
正直、最後の展開の意味とかはよく分からなかったけど、
これはこれで新海誠さんの作品なんだなぁという感想。
・・・以上になります。
やっぱり、過去作で安定してオススメできる作品は、
『秒速5センチメートル』
『雲の向こう、約束の場所』
の二作かなぁ・・・と思いました。
『ほしのこえ』も、新海誠さんの原点ということで、
興味を持った人はさくっと観て欲しい作品です。
「君の名は。」関連の書籍について
以下、『君の名は。』関連の書籍についても書いておきます。
小説 君の名は。 (角川文庫)
新海誠さんが書いたらしい。・・・プロ並というかプロより凄いんじゃないかというぐらい読みやすくて面白かった。
基本的に映画の展開に忠実な内容で、三葉や瀧の内面の気持ちなどが書かれていて、
あとは、三葉ちゃんの可愛らしさもよく出ているので、
気になった人には結構オススメできる。
君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)
瀧(in三葉)、テッシー、四葉、そして俊樹(三葉の父親)にスポットが当たっている外伝小説。
特に見所なのは、4章の俊樹が主役の所で、
三葉の母親である二葉や、糸守町を巡る神話などが出てくる。
そして、映画の最後での三葉の父親の…理由などが明らかになっている。
まさかこんなに深い話になっていたとは!という感じ。
君の名は。 (1) (MFコミックス アライブシリーズ)
コミカライズ版。絵柄的にも悪くないし、
映画にないシーンもちょっと追加されている。
映画の内容をおさらいするのにも良さそうだし、結構オススメできる。