ある日、『西洋魔術シンポジウム』なる 魔術関連のイベントに参加していました。
その中で「カバラの入門書はどれが良いか?」という質問がありました。
この問題は、結構、ベテランの人に向けてそれが問われたにも関わらず、
あまりしっくり来る答えがはっきり返ってこない問題でした。
(オススメ本は英語の本だったりするし・・・)
「カバラとは何なのか?」 というのをあっちこっち探したり調べたりしてる身としては、
確かにこれは難しい問題で、 例えば、日本語に翻訳されている本なんかは、
近代魔術カバラの影響を受けているものが多いけれど、
これは正統な「ユダヤ・カバラ」かというとそうでもなく、
かといって、現代日本において、 正統な「ユダヤ・カバラ」で、満足できるカバラがちゃんと学べるかというと、
それもかなり難しかったりします。
ベテランの人にとっては、 流派と正当性を特に意識するからこそ、
答えるのが難しい問題なんだと思います。
この問題について、 とりあえずの素人見解としては、 まずは読みやすい、
大沼忠弘さんの『実践 魔法カバラー入門』を読んで、 カバラの世界観や、その雰囲気を掴んでみて、
それから、ガッツリと内容が書かれている、 ダイアン・フォーチュンの『神秘のカバラー』を読んで、
近代魔術カバラとして割とメジャーなカバラを学んで、
それから、 『神のようになる―カバラーと人生の窮極目的』を読んで、
カバラの原典に近い「ゾハールの書」的な、「ユダヤ・カバラ」の姿勢を学ぶ・・・などのやり方があります。
これらの書籍は、全部、大沼忠弘さんという人が、執筆・翻訳に関わっているので、
大沼さんで構成されるコースということになります。
ただ、それを読んだだけでも、 「パスワーク」といった近代魔術カバラの手法にはあまり触れられていないし、
「ユダヤ・カバラ」についても、 一部分しか触れていないので、 そうした点を踏まえる必要があります。
補足として、 ゴールデンドーン形成時のカバラの情報を追いたければ、
『ヴェールを脱いだカバラ』(翻訳がイマイチなため、読み込みは難しい。)
ユダヤ・カバラ系で、ルーリアカバラあたりの情報が割と書かれているのが、
『知の教科書 カバラー (講談社選書メチエ) 』
ユダヤ神秘主義の権威と言われる人の本を読みたければ、
ショーレムの 『カバラとその象徴的表現』
・・・などを押さえておくと良いかもしれません。
実は、Youtube動画っていう手段もあって、
『明かされたカバラ』シリーズを見るという手もあります。
他にも色々とやり方があるでしょうけど、 自分の分かる範囲のやり方では、そんな所です。