ヌーソロジーやらサイキック研究やらを主題にブログをやってる自分ですが、
どうしてもマニアックな話が多いので、
もっと一般の人でも興味持ちそうな心理系の話をしたい・・・
自分が興味ある心理学の分野というと、
ユングとかラカンとかマニアックな臨床心理学系が一番好きで、それが専門みたいなものだけど・・・
有名で親しみやすい人だと、河合隼雄さんがいます。
ということで「河合隼雄を読み直す」ってシリーズをいっちょやってみようと思います!
↓目次(全9回)
1.はじめに、書籍紹介
※このシリーズの本文は基本的に「である調」統一で書いていきます。
河合隼雄とは?
まずは河合隼雄はどんな人物か?の話から。
1928年~2007年に生きていた人なので、自分(Raimu)が高校生ぐらいの時までご存命だった人。
自分が高校生の当時に書籍を読んで好きになったけど、惜しくも亡くなってしまった。
主にスクールカウンセラーとして悩める学生達の相談にのっていた人として活躍していた。
昔は臨床心理士といったカウンセラー系の資格が存在しなかったので、
日本人で初めてスイスにあるユング研究所にてユング派分析家の資格を取った人としても有名。
他にも「京都大学名誉教授」「国際日本文化研究センター名誉教授」「文化功労者」・・・などの肩書きがいっぱいある。
本もいっぱい出している。
著作にて扱うテーマは、実体験に基づいたカウンセリング論、ユング心理学、学校教育、父性原理と母性原理、東洋思想と西洋思想、日本文化と宗教・・・と非常に幅広く、
しかも数学科で数学の高校教諭を3年やっていたこともある理系なので数学的思考にも強い。
和洋折衷、理文折衷、理論と実践の両輪もこなしている賢者のような人だと思う。
歴史上の偉人と比べてもここまでの凄みを持った人はそうそういないのではないだろうか・・・
Wikipediaにも書いてある通り、「幼少期より、死について考えていた」・・・といった、感受性が強かったこともあるらしい。
Wikipediaを参照すると他にもいろいろと書いてある。
著作いろいろ
まずは河合隼雄さんの紹介が主題ということで、
著作の紹介を軽くしていこうと思う。
カウンセリングを語る
とりあえず河合隼雄さんの代表書籍として思いついたのがこれ。
20年に渡って行われたカウンセリング研修講座の中から、
書籍として刊行できるように編集して作られた本。
カウンセリングとは何か?という話から始まるカウンセリング論であり、
河合隼雄さんの長年の実践経験から
「達人的コミュニケーションのエッセンス集」みたいなものにもなっている。
また、「カウンセリングとは?」を語ると「人生とは?」「人間とは?」「こころとは?」といった問題にも直結してくるため、
家庭問題、学校問題、治療と成長、日本文化、西洋文明、宗教、たましい、人生・・・
幅広いテーマを横断したことが書かれている。
子どもと学校
「子どもと学校」がタイトルなので、学校とか教育とかがメインテーマ。
河合隼雄さんのユング心理学でよく出てくる
「父性原理と母性原理」についてしっかり書かれてるのも特徴的。
他にも、価値観の多様化について、個性と教育について、「問題」の受けとめ方について、日本文化における教師と生徒関係、不登校について・・・など・・・
幅広いテーマを横断して学校教育の在り方について考える本。
1992年頃出版なので時期が古いながら、現代にも通じている問題である。
父親の力 母親の力―「イエ」を出て「家」に帰る
この本も「父性原理と母性原理」について割とよく書かれている。
他にも、欧米の価値観が入ってくることによって変化した日本についてとか、
伝統的な文化である「イエ」の束縛から逃れ、「個人」を大切に生きていこうとした日本はどこへ向かうのか・・・
を序の口の話題としながら、「イエ」や「家族」の問題を中心に扱っていく本。
河合隼雄さんの本の中では割と新しめな2004年出版。
ユング心理学入門
河合隼雄さんの専門であるユング心理学の教科書的書籍なので、
代表書籍の筆頭に挙がる本。
ユング心理学を学ぶ目的のものとしてとても分かりやすいが、
扱うテーマそのものが難しいのでそういう意味では難しいかもしれない。
専門的な内容なので一般向きにしては難しめかもしれないが、
河合隼雄さんがよく使うユング心理学の用語についてちゃんと説明してあるのでオススメ。
コンプレックス
「コンプレックス」はもともと心理学の専門用語なので、
この本の内容も専門的なものだけど、心理学的に突き詰めた話があって面白い。
コンプレックスの一種に「劣等コンプレックス」があるため、
「劣等感」のような意味として扱われることが多いが、
コンプレックスは本来「複合」の意味を持ち、
自分の中にある分裂した感情のようなものが主体性をおびやかす状態を表す。
この本ではそうした「コンプレックス」について、
臨床心理学的に深堀りしていく。
こころの最終講義
このシリーズの表紙として使わせてもらった。
1992年の講義が中心にした講義録。
河合隼雄さんがよく扱うテーマについて書かれている。
各章のタイトルは「コンステレーション」「物語と心理療法」「物語にみる東洋と西洋」「物語のなかの男性と女性」「アイデンティティの深化」など。
これも興味があるなら読んでみると良いかも。
ケルト巡り
ケルトの文化はキリスト教が根付く前からあった原始的な文化で、
一神教的なキリスト教と違って多神教的な文化を持つ。
そのため、西洋よりも東洋や日本の考え方に近く、日本人が馴染みやすい文化となっている。
「父性原理と母性原理」の話がよく出てくるのと同様に、
「西洋と東洋」についてもよく書かれている本。
個人的に好きな本なので割とオススメ。
宗教について考えるのにも適してる。
その他の書籍
他にもたくさんの本が出ているので、
気になるタイトルのものがあれば手に取ってみると良いと思う。
↓続き
余計なお世話ですが、河合隼雄先生の「最終講義」がYoutubeにありますので、見てみてくださいね。来夢さんが河合先生を「主にカウンセラーとして、、、」と書かれていました(まぁ、臨床家であり続けられたことは確かですが、ご承知とは思いましたが)が、ちょっと寂しく感じたわたしなのでした。先生は単なるカウンセラーや学者ではないですねぇ、、、。
https://www.youtube.com/watch?v=TcW40V9pzpw
最終講義がYoutubeにアップされてたんですね!
知らなかったのでありがとうございます。
河合さんがただのカウンセラーでないのはよく分かる所で、
実績と経験があるからその紹介が一番分かりやすいだろうと言う配慮がありつつも、
実に並大抵ならぬ活躍をしてる方なので、このような紹介になりました。