不定期連載『サイキックの研究と分析』シリーズ。 記事一覧はこちら。
◆◇量子力学と超能力◆◇
超能力の在り方は、テクノロジーの発展によって異なってくる・・・というのは、
前にも述べたことですが、特に押さえておくべきポイントです。
古代からあるものだと、エジプトの魔術とかインドの神通力といったものがありますが、
日本だったら、卑弥呼の祈祷とか、中国から伝わった仙術のようなものがあります。
平安時代あたりだと、陰陽師がいて、陰陽五行思想に基づく風水的な術を使ってたし、
江戸時代だと、よく分からない存在は「妖怪」として扱われることがありました。
テクノロジーが発展していくにつれ、「よく分からないもの」はそれに対して影に潜むようになり、
アメリカあたりでは、現代のテクノロジーに対抗するように現代的な超能力が出てきて、
アメリカあたりから出たそれが日本にも伝わるようになるわけです。
時にはテクノロジーに対抗するようなものとして超能力が出てきたり、
時には逆にテクノロジーに影響されるように、
SFっぽいエンターテイメントが出来るようになっていきました。
そして、テクノロジーの発展として重要な出来事になるのが「量子力学」の登場です。
これは、1920年代頃に骨格が出来上がっていきました。
量子力学については・・・次の節で詳しく説明することにしますが・・・
量子力学の登場によって、ミクロの物理学はこれまでニュートンが言っていたような物理学でないことが分かったし、
物質の大元を作り出しているものは、何だかよく分からないものだということが分かってしまいました。
ここで、量子力学をあくまで従来のように物質の動きを説明するための物理学のように扱うタイプの学者もいますが、
中にはユニークな解釈を試みる者も出てきました。
初期だとニールス・ボーアあたりの解釈は、サイキックと親和性が高いです。
デヴィッド・ボームも、物質は精巧なホログラムではないか?と主張しており、
1980年代のニューサイエンスブームの中で話題になっていました。
現代だとロジャー・ペンローズあたりが面白そうなので、自分は今、目をつけています。
現代物理学で起きてる現象に、東洋で伝えられていた教えを見出だすという人も出てきています。
フリッチョフ・カプラによる『タオ自然学』あたりが有名です。
1975年頃に出て世界的ベストセラーになったこの本は、
東洋思想と量子力学をかけ合わせた先駆的なものでした。
そんでもって言っておくと、量子力学に対して、
素粒子の正体はわれわれの意識であり、
「素粒子は人間の意識構造と同型対応している」って言ってるのが、
『ヌーソロジー』提唱者の半田広宣さんです。
1997年に始めて本が出てます。世界的ベストセラーにはなってませんが(笑)
他にも、「素粒子の振る舞いをどのように解釈するか」を巡って、
あちこちで様々な言説も出てくるようになります。
適当に見繕うと以下のようなものがあります。
◆【宇宙】並行宇宙は存在し、それらは相互作用している…米豪の学者がパラレルワールドの新理論提唱
◆物理学の最新理論「宇宙は一つじゃない、我々と別の宇宙は本当にある」 | 不思議.net
◆宇宙は幻影。この宇宙がホログラムであることを証明する初の”証拠”を発見したと主張する物理学者(英研究)
◆この世界がゲーム内シミュレーションではないという証明は可能なのか?アメリカで有識者によるパネルディスカッション
◆人間の意識は「脳内ブラックホール」を通じて異次元に存在している!? 大学教授「意識=波動であり、脳=粒子」
このように、超能力も以上のような言説と絡めて扱われる時代になっているわけです
あと、現代物理学に影響されてるであろう作品といったらやっぱりこれ。
・・・さて、ここまでは『サイキックの研究と分析』の導入として、
「超能力とは何か?」ということをメインテーマとして書いてきました。
次からは、この「量子力学」についてを詳しく書いていこうと思います。
■次へ