不定期連載『サイキックの研究と分析』シリーズ。 記事一覧はこちら。
◆◇量子コンピューターについて◆◇
量子力学の話はそろそろ終わりにしたいですが、
今度は、「量子力学の実証」の一つである「量子コンピューター」について説明します。
「量子コンピューター」というものを聞いたことはあるでしょうか?
SFとかに名前は出てくるけど、原理はよく分かってない人が多い?
「量子コンピューター」とは、まず、「量子ビット」というものが使われてるコンピューターのことを言います。
「量子ビット」とは、「量子力学」の原理が使われた機械の部品を使って作る
「0と1の信号、どちらの可能性も持った状態のもの」です。
言い換えると、0と1の「重ね合わせ」の状態のものということでもあります。
具体的には、電磁場の性質や光子の性質を利用した部品で「量子ビット」を作ります。
有名な量子コンピューターとして、GoogleやらNASAやらとも提携している
D-Wave Systemsという企業が作った「D-Waveシリーズ」というのがあり、
それには超伝導磁束回路というのが使われているらしいです。
なんかよく分からないけど、上記の部品には128対もの「量子ビット」があるらしいです。
絶対零度マイナス273度にほぼ近い環境で回路を動かすことで超伝導状態が実現し、
それによって電流が右回りの状態か左回りの状態かで「重ね合わせ」になってる状態を作ることができます。
「シュレディンガーの猫」が生きた状態なのか死んだ状態なのか分からないように、
測定することでどちらかの状態に決定するという部品を実際に作ることができるわけです。
そういう部品を組み込んで作られたのが量子コンピューターになります。
なんだかよく分からないけど凄い。
量子ビット内蔵の量子コンピューターは、
基本的にかなりの低温環境でないと動作しないという条件を持ったりするので、
それにともなう機械の製造とセッティングが難しいものになります。
(ただし、超伝導とは違う方法を使うものや、常温で動くものも開発されてるらしいです。)
このような「量子ビット」を組み込んだコンピューターに、
特殊なアルゴニズムを与えることによって、特殊な計算をしてくれる、
普通だったら膨大な時間がかかる処理も、一瞬で答えが出てしまう・・・
単純なスピードで言うと10年かかるものは数分、
1000億年かかるものは数時間でできる勢いになり、
まさしく「次元の違う」スピードの処理速度になっています。
普通のコンピューターは
0⇒1⇒0⇒0⇒1⇒0⇒・・・⇒[答え]
という処理なのに対し、
量子コンピューターは、
0と1が重ね合わせ状態だから時間は関係ねぇ!⇒[答え]
ってな感じの処理の仕方です。
(かなり雑な説明ですけど。)
だから、普通のコンピューターの場合は、
1回の処理で0.001秒かかるとして1000兆回の処理がいる場合、1兆秒の時間がかかる・・・ということになりますが、
量子コンピューターはそうではないということです。
以上のような特殊なマシンが「量子コンピューター」です。
ただ、「計算のさせかた」や「どういう時につかうか」が非常に特殊なため、
使いどころが難しいので研究段階なものになっています。
量子コンピューターについて、
あまり突っ込んだことを書くと難しい内容になりそうなので、これくらいにしておこうと思います。
詳しく知りたい方は、とりあえず自分は以下の本を読んで学習しました。
ひとまず、ここで言いたいのは、
量子力学のような現象が実際にあって、それが量子コンピューターとして組み込まれて研究されているということです。
ちなみに、人工知能に量子コンピューターを組み込むなんていう研究もされているらしいです。
確かに、同じ機械部品として合わせて使うという発想は分かりますが、
こんなワケの分からないものを人工知能に組み込んだらどうなるか・・・は、本当に分かりません!
普通のコンピューターに使われている量子力学
今度は、普通のコンピューターの話をします。
「量子力学」というと、観測とか波動とかオカルトな話にも発展しますが、
普通のコンピューターにも、半導体といった部品の中に量子力学の技術は使われています。
この辺は電気工学ようなジャンルになり、そこまで突拍子もない話にはなりません。
「量子ビットが使われてる量子コンピューター」だけではなく、
「普通のコンピューター」でも半導体の中などでは量子力学が使われてるわけですが、
量子コンピューターと普通のコンピューターが違うのは、
普通のコンピューターは「科学として想定できる現象」を扱っていることです。
確かに、素粒子は観測問題が出てくると予測不明のものになってきますが、
半導体の中の動きで観測されない場合、
それは波動関数で予測できる範囲内のものとなる・・・とか、難しいことが以下の本に書かれてました。
この「動きが予測可能」であったり「再現が可能」ということは、
「科学」として扱える必須条件でもあります。
このように、量子力学には、観測問題とか色々とあるけど、
やはり、「科学」として扱えるものもあり、動きが特定できる機械の部品に利用することも可能ということです。
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