不定期連載『サイキックの研究と分析』シリーズ。 記事一覧はこちら。
◆◇「夢の世界」と「無意識の世界」◆◇
これまで、「波の世界」というのを仮定して、サイキックについて色々と説明していきましたが、
実は「波の世界」というのは、人間が夜に観る「夢」とか、
あと、普段は認識していない「無意識」などとも近いです。
『不思議の国のアリス』とか、
「夢」や「無意識」にあるような不思議な世界を表現している作品がありますが、
そんな不思議な世界は、実はサイキックにおける「波の世界」と通じています。
「夢」を表現した作品だと、自分が慣れ親しんでるものだと、
『ゆめにっき』というフリーゲームがあります。
これは、「とても暗い雰囲気の、夢の中(という設定)の世界を歩き回るゲーム」というコンセプトのRPGゲームです。
(RPGといっても戦闘もストーリーもなく、ただ歩き回るだけ。)
RPGツクール製で、夢の世界をレトロゲーム風に表現した作品ということで、コアなファンが多いです。
人気が出たことにより、ゲームがWebで直接遊べるように移植もされました。
それから、コアなファンによる音楽アレンジなども色々と出ています。
BMSアレンジ。カッコ良いので紹介。
COSMo氏による音楽アレンジ。とてもオススメ。
こうした世界観は、
実は「死後の世界」とも繋がっていて、
普通の人間にとって恐怖を感じる領域でもあります。
『ゲゲゲの鬼太郎』とか『妖怪ウォッチ』とかありますけど、
「妖怪」がいる世界だと思ってみるのも良いですね。
「妖怪」とは、摩訶不思議な現象から伝説として生じるようになったものです。
伝説が現代ではポップなカルチャーになっていますが、
これもファンタジーとしてのサイキックみたいなものです。
あと、個人的には『東方妖々夢』あたりも物凄く推したいんですが、
あんまり書くと話がマニアックになってくるんで止めときます。
プレイ動画をアップしたことがあるので、興味のある方は観てください。
「夢の世界」に通じるもの
先ほど「夢」に通じてる作品ということで、『ゆめにっき』というゲームを挙げました。
こういうゲームは、自分みたいにファミコンをやってたような文化を生きた世代にヒットするものですが、
他の文化においても『ゆめにっき』に該当するような作品を探すと良いと思います。
ここで、他にも「夢の世界に通じているようなもの」を挙げていきましょう。
まずは、フランスで起きた「シュルレアリスム運動」というものがあります。
これは、1924年にアンドレ・ブルトンという人が宣言したのが始まりらしいです。
そこから芸術の一つのジャンルになり、
「シュール」という言葉の語源にもなります。(意味は大分違うらしいですが……)
代表的な画家として挙げられるのは、マックス・エルンスト、サルバドール・ダリ、ルネ・マグリット、イヴ・タンギー、ポール・デルヴォー、エドガー・エンデとか・・・らしいです。
まぁ、自分はそこまで詳しくもないんですが、
個人的にはサルバドール・ダリあたりが好きです。
あと、シュルレアリズムに傾倒することになった芸術家で有名なのはパブロ・ピカソ。
ピカソは、まともに描いても凄く絵の上手い画家ですが、
「キュビズム」という変わった手法を使い始めたのが特徴的な人です。
キュビズムとは、簡単に言うと、従来の遠近法を意識した絵の描き方ではなく、「対象を複数の視点から見た姿を一つの図面に描き込む」・・・というものです。
この手法で描くと、以下の絵のような抽象的な絵になります。
これはつまり、「客観」で捉えた絵を忠実に描くというより、
「主観」で捉えたという側面が大きい絵ということになります。
これもこれで、もはやサイキックの感覚を使って描いたのでは?と解釈してみるのも面白いです。
あと、マウリッツ・エッシャーの絵。
エッシャーは「だまし絵」と呼ばれる絵の使い手であり、
空間的な「上下」の関係とかがめちゃくちゃになっているものを描くのが得意な人です。
こういうのも、空間を超越した感覚になることができるため、それが非常にサイキック的です。
エッシャーの絵をモチーフにしてゲームにした『Monument Valley』というアプリがあります。
これは中々面白いし、AndroidかiPhoneを持ってれば遊べるのでオススメです。
それから、美術とは少し変わって、「サイケデリック」というジャンルがあります。
これは、元々は「サイケデリクス」という幻覚剤を指した言葉がありますが、
そこから派生したものです。革命的な幻覚ドラッグとして「LSD」が有名。
そういう幻覚剤のビジョンから生まれたジャンルがサイケデリックです。
幻覚剤は大体は規制されるに至ってしまったものの、そこから派生したジャンルが面白いです。
有名な魔術師、アレイスター・クロウリーのデザインした『トート・タロット』とかも、
ドラッグによってビジョンを得て描かれたことで有名です。
これは、LSDが生まれる前の作品になるけどサイケっぽい。
海外だと、サイケデリックとシュルレアリズムを混ぜたようなものはパワーが強いです。
海外には日本みたいに「妖怪」という存在がありませんが、この辺りは面白いです。
あと、「夢の世界」や「シュルリアリズム」と絡んでいるのは、「4次元」というジャンル。
「3次元空間」から逸脱した「4次元空間」の世界です。
以下の「4次元立方体」の画像はよく知られています。
表と裏が逆になるように動いているのが特徴。
「4次元」というと、これは『ヌーソロジー』とも絡んでくる分野で、
以下の動画が良いです。
今観ている景色に対して垂直方向に「4次元目の軸」があり、奥行きは変わらないけど景色が変わっている、という感覚が大事になります。
あと、最後に、「ヌーソロジーの同人誌」を書いた時に協力してもらった、
個人的に好みな絵を描くへびつかいさんという人。
個人的に可愛らしくて好みなので良い!
◆へびつかい – Tumblr –
以上、人間が夜に観る「夢」のような世界と、
死後の世界、
妖怪の世界、
シュルレアリスムの世界、
主観的な世界、
幻覚剤によって3次元から逸脱した世界、
4次元(空間)の世界、
人々があまり見向きしない影の世界。
大体この辺はリンクしていて、
サイキックの入り口にもなるということを押さえておきましょう。
ユングの研究と「夢の世界」について
「夢」や「無意識」の世界は、
『カール・G・ユング』という心理学者が研究していた領域でもあります。
元々、無意識と夢の研究は、ジークムント・フロイトが先行してやっていました。
フロイトは、精神病や神経症の解明には患者が抑圧している無意識を知らなければならないと考え、
無意識を知るためには「夢」の内容が有力であると考えました。
そこで、フロイトが立ち上げた精神分析学協会に、
同じく無意識の研究をしていたユングが合流するようになります。
フロイトの発想は、人はそれぞれ固有で個人的な無意識を持っているという「個人無意識」止まりでしたが、
ユングの発想は「集合無意識」にまで及びました。
人の無意識は、ある所まではその人の固有のものになってるが、ある所に行くと他の人とも繋がっている集合的な無意識の領域がある・・・とユングは主張しました。
これは科学的には絶対にあり得ない、ということで、フロイトは賛同しませんでした。
そもそも、ユングは、錬金術とか霊能力とか東洋思想とかにまで興味が及んでいて、
発想がオカルティストな心理学者として有名です。
まさしく、ユングは「サイキック研究者」の先駆者とも言える人物です。
ユングが提唱していた「集合無意識」というのは、
「人と人同士が共有している無意識の世界」になるので、
まさしくここで言う「波の世界」とも解釈できます。
ユングはさらに、人の世の中には様々な文化がある中で、
それぞれの民族に伝えられている神話や童話は、「集合無意識」に関係しているということで、それらの研究していました。
人間の無意識の世界に触れる作品というのは、
古今東西で色々とあるため、その世界観について着目していたわけです。
科学的な世界観に埋没していると、
こうした不思議な世界観というものは受け入れにくくなるかもしれませんが、
そういう世界を探ってみるのも面白いと思います。
ちなみに、ユングに関してはAmazonで中古が1円(※)で売られてる伝記漫画が結構良いです。
(※2019年現在の価格)