【連載】サイキック研究

■サイキックの研究と分析(29) ~「エーテル体」と「アストラル体」について~

投稿日:2019年2月9日 更新日:

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不定期連載『サイキックの研究と分析』シリーズ。 記事一覧はこちら。


◆◇「エーテル体」と「アストラル体」について◆◇

『サイキックの研究と分析』では、
オカルト的な専門用語については、あまり深入りしない方針なんですが・・・

しかしながら、この概念が中心となるであろうという用語が、西洋魔術のジャンルにはあります。
それは「エーテル体」です。

なんかFFでMPを回復するアイテムみたいな名前ですね。

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【Final Fantasy Ⅵ】

「エーテル体」という言葉の発祥についてですが、
まず、「エーテル」という言葉が先にありました。
これは、古代ギリシャあたりで既に言われてた概念です。
ヨーロッパで広く知られている説に、四大元素説(火・地・風・水)というものがあり、
これは地上にある万物を構成していると考えれていましたが、
それに加えて、天上に存在する第5元素として「エーテル」というものが
古代ギリシャでアリストテレスによって提唱されました。

四大元素(火・地・風・水)もFFとかで聞いたことがあると思います。

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【Final Fantasy Ⅴ】

そこから、「目に見えない物体」に対する呼び方として「エーテル体」という言葉を、
神智学協会の創始メンバーであるヘレナ・P・ブラヴァツキーが使い始めました。
19世紀にブラヴァツキーが提唱したものは西洋で広く伝わるようになります。
それから、ルドルフ・シュタイナーが引き継いで、「エーテル体」という言葉を使いました。

◆エーテル体 – Wikipedia

「エーテル体」は「生命体」とも呼ばれていて、生命力をつかさどっており、
身近にある「目に見えないエネルギー」を表す概念となっています。
「西洋魔術」のジャンルでも、ブラヴァツキーに習って「エーテル体」という言葉が使われることがあります。

そもそも、「目に見えない何か」には、呼び方が色々あります。
その代表として「気」とか「オーラ」とかがあります。
「気とオーラは同じものなんですか?」という質問をされると返答に困りますが・・・
う~ん・・・どうなんだろう。
こういう問題は定義をちゃんとしっかりしないと曖昧になることが多いです。

自分の見解としては、人体から発しているから同じように観察されることは多くて、
気の使い手が感じるものだったら「気」、
オーラ視ができる能力者によって色がついて見えたら「オーラ」…ということになるのではないか?と思います。
こういうのは「受信の仕方」によって違っちゃうので、
その元はどうなってるのか分からないということです。
元は同じものであるってことはあり得ます。

そして、「エーテル体」もそれらと近い概念と捉えてもらって良いです。
特に「気」に近いかもしれない。

ちなみに、物理学の世界では、宇宙で光を媒介する存在として「エーテル」というものが仮に定義されていましたが、
これと「エーテル体」とは、直接の関係はないらしいです。
(しかし、「光の媒介となる」「宇宙に充満している」という所は、エーテル体にも通じてそうなのが面白いです。)
 

「波の世界」とエーテル体

そして、『サイキックの研究と分析』的に肝となるのは、
「波の世界」は「エーテル体の世界」と解釈できるということです。
これは、言い換えると「エーテル空間」とも言えます。

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さらに、「波の世界」が素粒子と関係してるように、「エーテル体」も素粒子と関係しています。
素粒子と「物質体」と「エーテル体」との絡みは、以下のように解釈できます。

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自分としては、「エーテル体」を「波」のイメージで捉えることはしっくりきているので、
エーテル体を「波」でイメージするのもアリだと思います。
この手段はなかなか新しいものでもあります。

「波」というと、数学だとsinとcosのうねうねのことを言います。
これは回転運動から作られるものでもあります。
sin,cosのアニメーションを見てるとなんだか落ち着く。

 

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Math Gifs – Album on Imgur

あと、波紋みたいな模様も波から作られます。

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そして、サイキックの道は「エーテル体」のある「エーテル空間」を開く道でもある・・・ということになります。
そのためには、「エーテル体」を感じるための器官を身体の中に育てる必要もあるわけなので、
ルドルフ・シュタイナーはそれについてよく説明しています。
シュタイナーの本は難しいものが多いですが、
以下の本はサイキックを身に付けたい人には全般的にオススメです。

「エーテル体」はシュタイナーの人智学で使われている概念なのと、
自分の研究している『ヌーソロジー』とかでも
シュタイナー論と絡めて使われるようになっているので、それらの概念とも接合しやすいです。
従って、サイキックもそういうのと絡めて扱っていきたいと思います。
 

「アストラル体」について

「エーテル体」に近い概念に「アストラル体」というのがあります。
これもブラヴァツキーが提唱したものであり、
「オーラ」みたいに「目に見えない概念」みたいなものです。
・・・こういう風に、「目に見えない概念」が二つ以上出てくるとまたややこしくなりますが・・・
「エーテル体」と「アストラル体」の提唱者であるブラヴァツキー氏の文献から判断すると、
「生命力」をつかさどっているものが「エーテル体」なのに対し、
「情動や感情」をつかさどってるものが「アストラル体」です。
「エーテル体」や「アストラル体」は層のようになっていて、
「エーテル体」よりも「アストラル体」の方が物質と離れた所にあります。

ブラヴァツキーに引き続き、シュタイナーが「アストラル体」という言葉を使います。
ブラヴァツキーが「○○○○体」と呼んでるものは、「肉体」「エーテル体」「アストラル体」「メンタル体」「コーザル体」「ブッディ体」「アートマ体」「モナド体」と色々あるのに対し・・・
シュタイナーは「物質体」「エーテル体」「アストラル体」「自我」の4つでまとめています。

シュタイナーの世界の捉え方と、ブラヴァツキーの捉え方は違いますが
「アストラル体」に関しては大体は似た意味になっています。
「アストラル体」は一言で言うと「感情体」とも呼ばれ、情動をつかさどっています。
肉体から離れていく場合の順番も、「物質体(肉体)」⇒「エーテル体」⇒「アストラル体」となっています。

それから、シュタイナーは「エーテル体」や「アストラル体」について、
「鉱物」「植物」「動物」「人間」との絡みで、以下のように述べています。


鉱物:物質体

植物:エーテル体+物質体

動物:アストラル体+エーテル体+物質体

人間:自我+アストラル体+エーテル体+物質体


つまり、「植物が持っていなくて動物が持っているもの」がアストラル体ということになります。

この辺を、アストラル体を掴むためのヒントとしましょう。
 

「アストラル・ライト」について

「アストラル体」という言葉の発祥は、
ブラヴァツキーより前にさかのぼると、
エリファス・レヴィの言った「アストラル・ライト」から来ています。

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「近代魔術の父」と呼ばれてる人。『魔術について』の所でも書きました。

レヴィの「アストラル・ライト」は、簡単に説明すると
「サイキック能力(魔術、心霊現象、霊媒など)を発揮させる、宇宙に遍満するエネルギー」と言われています。

◆アストラル体 – Wikipedia

しかし、ここはややこしい所なんですが、
レヴィの言う「アストラル・ライト」と、ブラヴァツキーやシュタイナーの言う「アストラル」が指すものは、どうやらハッキリと別物らしいです。
ここで、「アストラル・ライト」とは何なのか?をちゃんと読み取っておくことにします。
こういうものは、伝達された言葉で読み取ると、本筋からズレることもあるので、
レヴィ本人の書いた原書を参照することにします。


レヴィの著作で有名な『高等魔術の教理と祭儀』。約4300円。まぁまぁ高い。

上記の本には「アストラル・ライト」という言葉は書かれてなかったですが、
代わりに「幽光」という言葉が書かれていました。
「アストラル・ライト」は別名で「星幽光」とも呼ばれているため、ここでは「幽光」と訳されているようです。

以下、書かれている内容の一部を引用します。

物体の姿は、光の一つの変形である、そして反射のかたちで光りの中へ戻されそこに留まる。従って「魔術の大作因」と名付けられる「幽光」、すなわち地上の流体は、カバリストが述べるように、われわれの霊魂が呼び起こして、その「透明体」に服従させることができる様々な種類の映像あるいは反射で充満しているのである。
催眠術にかかった人間は術者が送り込む場所へ実際に赴くのではなく、「幽光」の中にあるその映像を想い浮かべるのであって、この光りの中に存在しないものはなにひとつ見ることはできないのである。
「幽光」は直接神経に働きかけ、そして動物組織の中で神経が導体となって幽光を脳へ送り込む。
「幽光」が生命を育むにたる精力を欠くときは、医学も匙を投げる突然崩壊の病が生じる。
男女の愛は常に幻影の一種である、何故ならこれは創造力が産み出す一種の蜃気楼の結果なのだから。「幽光」は『創世記』の蛇の姿で表される何処にでもいる誘惑者である。
蛇を飼いならすためには、すなわち「幽光」の輪を支配するためには、その流れの外に身を置く方法、すなわち自分を隔離する方法を心得ねばならない。
われわれの降霊術や降魔儀式に数々の怨霊や亡霊を送り込むのもこの「幽光」であり、われわれの悪夢にああも忌まわしい種々様々な怪物を持ち込む奔放自在な形態の集団はすべてこの中に貯えられているのである。
すでに述べた如く「幽光」は諸々の形態の貯蔵槽である。理性によって呼び出されるときは、調和の取れた形態が産み出される。狂気によって呼び出されたときは、無秩序な醜悪なかたちで出現する。

・・・以上。
抽象的なことが色々と書いてありますが、魔術書なんてそんなもんです。
書物から学ぶ場合は、こういう抽象的な文章から実体を読み取っていくしかないです。

あと、上記の原文を他で翻訳している人がいて、以下のページにも内容が載っていました。

◆高等魔術の教理と祭儀 1-5 – Hiroのオカルト図書館

さて、レヴィの原書から分かるように、「アストラル・ライト(幽光)」とは、
「サイキック能力(魔術、心霊現象、霊媒など)を発揮させる、宇宙に遍満するエネルギー」に該当し、
レヴィはあらゆる超常現象をこれで説明しようとしているわけです。
『創世記』の「蛇」の例え話も用いられているため、「情動」とも関係していそうですが、
「アストラル・ライト」はサイキックに関わる非常に幅広いものを指す概念と捉えて良いです。
それは、『サイキックの研究と分析』で言うと、
「波の世界」に存在するものや、「エーテル体」にも該当します。
特に「アストラル・ライト」の場合は「光」としての姿が強調されるため、
「光として観測されたもの」ということになります。

以上のことから、「エーテル体とアストラル体をひっくるめた、光として観測されるもの」が、
レヴィの「アストラル・ライト」と解釈するのが妥当そうです。

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つまり、レヴィは「エーテル体とアストラル体をひっくるめた、目に見えないエネルギー全体」を
「アストラル・ライト」と名付けて、「魔術」とはそれを扱うもの…ということにしたわけです。

それをさらに、ブラヴァツキーが「エーテル体」と「アストラル体」とに分けていき、
シュタイナーがさらに再定義した・・・ということになります。
 

エーテル体やアストラル体についてまとめ

つまり、「エーテル体」や「アストラル体」についてまとめると、以下のようになります。

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簡単に説明すると、意識を変容させていく場合は「物質」⇒「エーテル体」⇒「アストラル体」という順番があり、
アストラル体の方が物質よりも離れた箇所にあるが、
例外的にアストラル体は「肉体にある感情や情動」と重なってるため、そっちを先に感じることもある。
・・・と自分は理解しています。

サイキックを扱うにおいて、「エーテル体」をベースに先人の知恵を使いつつも、
「エーテル体」と「アストラル体」の使い分けぐらいはやっておきたい
・・・というのが自分の方針です。
 
 


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ユング心理学が専門でありながら古今東西の文化や宗教全般にも詳しく、スクールカウンセラーとして数多くの実績を持つ偉人、河合隼雄さんの書籍を読み直してその思想を学ぶシリーズ。

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正式名称は『はじめての人でもホロスコープを自分で読めるようになるための記事』。西洋占星術で出した結果をある程度の所まで読めるようになることを目的とした記事。

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