西洋の四大元素(火・地・風・水)と易の陰陽の関係について

投稿日:2019年11月29日 更新日:

↓前回書いた記事。

易占いの理解の目処が立ってきました

「易」が分かってきて、中国の陰陽も分かってきました。
ここでさらに、西洋発祥の四大元素論との絡みについて考えてみます。

まず、宇宙論としての「易」で言われてることは、
「はじめに太極ありき」
ということです。
まず原初に、陰と陽にも分かれてない、一つの「存在」というのがあって、
そこから陰陽が分かれて二つになります。
その二つがまた二つに分かれて「四象」になり、
さらにその四つが二つに分かれて「八卦」になる・・・
みたいなことからできてくるのが万物、ということらしいです。

「物質が生まれる」という現象は「二つに分かれる」という原理から起きる
・・・というのは、古今東西の秘教的な思想でだいたいどこでも出てくる考え方なので、
よく覚えておきましょう。

易で言われてるような、「はじめに太極ありき、で、そこから二つに分かれる」という思想は、
西洋の四大元素論とか神道とか、
ヌーソロジーとかユダヤ神秘主義のルーリアカバラとか、量子論にまで、
だいたい通じてる部分の思想なんじゃないかと思います。

しかし、「易」と「四大元素論」とで違うのは、
「分けた後の内容」みたいです。
その辺を詳しくみていきましょう。
 

易の分け方と、西洋の分け方

まず、先ほども書いたように、はじめに太極があります。
これは、プラトンの言うイデアとか、カバラで言う元型界にあるもので、
すべての大元にあるスピリットというのがそれなのかもしれません。

西洋の秘教的な思想だと、四大元素論が登場してきて、
以下のように分かれることになります。

西洋占星術だと男性性女性性というように定義されてるので、
これには、「男性性」と「女性性」も含まれています。
それから、この「火・地・風・水」の4つは、
以下の要素に対応しているとも解釈できます。

 
さて、次に「易」についてです。
東洋にある陰陽がどう解釈されるかには諸説ありますが、
易の場合は以下が中核にあるみたいです。

そんでもって、こうした二元である陰陽から、
そこからまた分かれて四象ができて、八卦ができてくるわけです。

・・・と、このように、元は同じ太極から始まったとしても、
西洋と東洋では、分け方が違うということになります。
 

善悪二元論と陰陽論について

少し脱線します。

先ほど、「西洋的な太極の分け方」の話をしましたが、
四大元素で分ける思想は、例えば錬金術とか占星術とか、
プラトンやアリストテレスの哲学とか、
西洋だとどっちかいうと秘教的でマニアックな思想に該当します。

西洋でメジャーな宗教というとキリスト教や一神教であり、
これは「神や天使が善!悪魔みたいなものが悪!」な思想になりがちなやつです。
つまり、簡単に言うと「善と悪」に分かれる宗教がメジャーです。
これはいわゆる、「善悪二元論」というやつで、
キリスト教に限らず、多くの人が好むような宗教ではありがちなことです。

対して、中国の陰陽論みたいなやつは、陰と陽の二つは物理法則みたいなもので、
熱いと冷たいとか、固いと柔らかいとか、酸性とアルカリ性とか・・・そういう概念に近いので、
善と悪に分けるという発想はあまり良しとしません。
これはどっちかというとマイナーを行く人に好まれます。

それを踏まえると、以下のような2種類の思想があるわけです。

あと、陰陽論で肝となるのは、「はじめに太極ありき」であり、
陽のものと陰のものがはじめは同じものだったり、循環したりするという思想です。

西洋のメジャーな宗教だとこの発想はもちません。
何故なら、もしそうだったら、ゴッドとサタンはもともと同じものだったということになり、
信心深い人は気が狂ってしまいます。

陰陽論みたいな思想は気が狂ってる人向けの宗教です。
 

四大元素と陰陽の詳細

さて、話を戻します。

易の陰陽と四大元素論の関係をもうちょっと詳しく見るために、
四大元素の要素を抽出してみましょう。

柔,動,明,精神
固,静,暗,物質
知,男,能,
感,女,受,

 
自分なりに重要な要素を抽出して書き出すと以上のようになりました。

これを、陽と陰に当てはめていきます。

物質剛,父,天
精神柔,母,地

 
東洋の陽と陰の解釈には諸説がありますが、
以上の解釈はだいたい合っていると思います。

東洋の陰陽と思われる要素の中で、
四大元素に含まれる要素を色づけして分かりやすくしましたが、
それなりに色々と含んでるわけですね。
(強いていうなら、陽に水の要素がなく、陰に風の要素がないと解釈できます。)

 
以上、西洋の四大元素論と易の陰陽についてでした。

陰と陽という言葉は身近な東洋に通じてるだけあって、
日本人でも親しみやすい言葉だと思います。
(陰キャラと陽キャラって言葉とかあるし。)
しかし、真面目に理論的に扱うとなると、色々と含んでいてややこしい概念でもあるので、
その辺を留意して使う必要があると思います。


-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

易占いの理解の目処が立ってきました

最近ハマりつつあり、理解の目途が立ってきたのが「易占い」です。 易は大学時代にちょっとは興味を持っていましたが… 当時から西洋系の占いがメインだったり、イメージで覚えるのが難しかったり、四大元素論との …

Twitterで「Raimuの易占いbot」を作りました

最近、Twitterで『Raimuの易占いbot』というものを作ってみました。 ちょっと前から稼働してたんですが、ブログにて正式告知です。 良かったらフォローしてください。 易の64卦の結果をランダム …

安岡正篤著「易経講座」と、ヌーソロジーの概念についてなど

易占いをだいぶ前から勉強しています。 ※以前に書いた記事↓ 易占いの理解の目処が立ってきました 西洋の四大元素(火・地・風・水)と易の陰陽の関係について ※以前に作ったTwitterBotとスクリプト …

八卦それぞれの簡易的なイメージ画像を作ってみた

古代中国から伝わる易経における8つの概念、八卦。 ◆八卦 – Wikipedia 「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」や「天・沢・火・雷・風・水・山・地」と表記されるものです。 これを用いた …

「易占いスクリプト」の完成版ができました

以前から「Raimuの易占いbot」に付随して 「易占いスクリプト」というものを作っていましたが・・・ Twitterで「Raimuの易占いbot」を作りました とうとう「完成版」ができました! ◆易 …

プロフィール

Author:Raimu

魔術・オカルト全般好きな理系。
サイキックの研究とか、占星術とか、
神秘と科学の考察的な、自分の好きなものを置いていきます。

詳しくはこちら

2021年頃に書き始めたヌーソロジー学習用テキストの新作。
哲学、シャーマニズム、数学、神学、古代文明、意識進化、オカルト・・・など色んなジャンルが絡んでくる内容のもので、これを読めば『ヌーソロジー』ってどんなものなのかがざっくりと分かるようになるはず。

「陽」や「陰」、「天」や「地」といった概念を基本とする中国の古代思想『陰陽論』や『易経』についてちゃんと説明するテキスト。さらに西洋哲学や精神分析学、ヌーソロジーの概念とも絡めてその哲学を深めていく。

ユング心理学が専門でありながら古今東西の文化や宗教全般にも詳しく、スクールカウンセラーとして数多くの実績を持つ偉人、河合隼雄さんの書籍を読み直してその思想を学ぶシリーズ。

超能力や魔術の研究や、物理学・量子力学を絡めた解明を目的に、少しずつ書いていった連載記事。

正式名称は『はじめての人でもホロスコープを自分で読めるようになるための記事』。西洋占星術で出した結果をある程度の所まで読めるようになることを目的とした記事。

『note』のテキストコンテンツとして執筆。社会不適合者が生き残るための考え方や知恵をテーマにしたテキスト。1~5でとりあえず一区切り。
第1回目はこちら。

半田広宣さん提唱の宇宙論・具体的イデア論と言われている『ヌーソロジー』。その基本から実践的な入門までを、自分なりに一通り説明したページ。

その他に作ったものはこちら。

『Raimuのプログラミングノート』というプログラミング関連のブログを開設しました。
初心者向けの「プログラミング入門」がメインコンテンツになりますので、よろしくお願いします。

noteで西洋占星術による鑑定を有料で受け付けています。生年月日と出生日時から占う命術鑑定です。
通常コースは4000円、簡易コースは2000円にて受け付けています。

Kindle本など。Amazonで買えます。
「佐道来夢」という名前で出してます。

書籍版Kindle版があり。
「4次元」とは何か?というのが主なテーマ。割と理系的な視点から「異世界」について探求していった本と言っても良いかもしれない。
『ヌーソロジー』の理解に必要な「4次元認識」の実践部分もあり。
詳細はこちら

書籍版Kindle版があり。
宇宙論『ヌーソロジー』の入門用。半田広宣さん監修の元、ヌーソロジーの主要な知識を押さえれるコンパクトなハンドブック。
「変換人生活のためのヒント」というテーマの書き下ろしテキストもあり。
詳細はこちら

書籍版Kindle版があり。
「リアルな魔法使い」とは何か?をテーマに、「目に見えないもの」との付き合い方や、その仕組みなどについて幅広く書いていった。オカルト的なことを実践していたり、関心のある人に読んでもらいたい本。
詳細はこちら

Kindle版があり。
ユング、フロイト、ラカンなどの「精神分析」のジャンルを、ヌーソロジーの概念を使って説明することを試みた「ヌーソロジー×精神分析」の本。精神分析の概念がゼロからでを分かるようにしつつ、ヌーソロジーの世界観の理解も深めることができる。
詳細はこちら

メイン⇒@raimu_23tm

占い関連⇒@raimu_23tm_thot

ぬーそろじーたん⇒@noosology_tan

アストロロジーたん⇒@astrology_tan