↓前回書いた記事。
「易」が分かってきて、中国の陰陽も分かってきました。
ここでさらに、西洋発祥の四大元素論との絡みについて考えてみます。
まず、宇宙論としての「易」で言われてることは、
「はじめに太極ありき」
ということです。
まず原初に、陰と陽にも分かれてない、一つの「存在」というのがあって、
そこから陰陽が分かれて二つになります。
その二つがまた二つに分かれて「四象」になり、
さらにその四つが二つに分かれて「八卦」になる・・・
みたいなことからできてくるのが万物、ということらしいです。
「物質が生まれる」という現象は「二つに分かれる」という原理から起きる
・・・というのは、古今東西の秘教的な思想でだいたいどこでも出てくる考え方なので、
よく覚えておきましょう。
易で言われてるような、「はじめに太極ありき、で、そこから二つに分かれる」という思想は、
西洋の四大元素論とか神道とか、
ヌーソロジーとかユダヤ神秘主義のルーリアカバラとか、量子論にまで、
だいたい通じてる部分の思想なんじゃないかと思います。
しかし、「易」と「四大元素論」とで違うのは、
「分けた後の内容」みたいです。
その辺を詳しくみていきましょう。
易の分け方と、西洋の分け方
まず、先ほども書いたように、はじめに太極があります。
これは、プラトンの言うイデアとか、カバラで言う元型界にあるもので、
すべての大元にあるスピリットというのがそれなのかもしれません。
西洋の秘教的な思想だと、四大元素論が登場してきて、
以下のように分かれることになります。
西洋占星術だと「火・風⇒男性性」と「地・水⇒女性性」というように定義されてるので、
これには、「男性性」と「女性性」も含まれています。
それから、この「火・地・風・水」の4つは、
以下の要素に対応しているとも解釈できます。
さて、次に「易」についてです。
東洋にある陰陽がどう解釈されるかには諸説ありますが、
易の場合は以下が中核にあるみたいです。
そんでもって、こうした二元である陰陽から、
そこからまた分かれて四象ができて、八卦ができてくるわけです。
・・・と、このように、元は同じ太極から始まったとしても、
西洋と東洋では、分け方が違うということになります。
善悪二元論と陰陽論について
少し脱線します。
先ほど、「西洋的な太極の分け方」の話をしましたが、
四大元素で分ける思想は、例えば錬金術とか占星術とか、
プラトンやアリストテレスの哲学とか、
西洋だとどっちかいうと秘教的でマニアックな思想に該当します。
西洋でメジャーな宗教というとキリスト教や一神教であり、
これは「神や天使が善!悪魔みたいなものが悪!」な思想になりがちなやつです。
つまり、簡単に言うと「善と悪」に分かれる宗教がメジャーです。
これはいわゆる、「善悪二元論」というやつで、
キリスト教に限らず、多くの人が好むような宗教ではありがちなことです。
対して、中国の陰陽論みたいなやつは、陰と陽の二つは物理法則みたいなもので、
熱いと冷たいとか、固いと柔らかいとか、酸性とアルカリ性とか・・・そういう概念に近いので、
善と悪に分けるという発想はあまり良しとしません。
これはどっちかというとマイナーを行く人に好まれます。
それを踏まえると、以下のような2種類の思想があるわけです。
あと、陰陽論で肝となるのは、「はじめに太極ありき」であり、
陽のものと陰のものがはじめは同じものだったり、循環したりするという思想です。
西洋のメジャーな宗教だとこの発想はもちません。
何故なら、もしそうだったら、ゴッドとサタンはもともと同じものだったということになり、
信心深い人は気が狂ってしまいます。
陰陽論みたいな思想は気が狂ってる人向けの宗教です。
四大元素と陰陽の詳細
さて、話を戻します。
易の陰陽と四大元素論の関係をもうちょっと詳しく見るために、
四大元素の要素を抽出してみましょう。
火:柔,動,明,精神
地:固,静,暗,物質
風:知,男,能,上
水:感,女,受,下
自分なりに重要な要素を抽出して書き出すと以上のようになりました。
これを、陽と陰に当てはめていきます。
陽:固,男,動,能,知,上,明,物質 ⇒ 剛,父,天
陰:柔,女,静,受,感,下,暗,精神 ⇒ 柔,母,地
東洋の陽と陰の解釈には諸説がありますが、
以上の解釈はだいたい合っていると思います。
東洋の陰陽と思われる要素の中で、
四大元素に含まれる要素を色づけして分かりやすくしましたが、
それなりに色々と含んでるわけですね。
(強いていうなら、陽に水の要素がなく、陰に風の要素がないと解釈できます。)
以上、西洋の四大元素論と易の陰陽についてでした。
陰と陽という言葉は身近な東洋に通じてるだけあって、
日本人でも親しみやすい言葉だと思います。
(陰キャラと陽キャラって言葉とかあるし。)
しかし、真面目に理論的に扱うとなると、色々と含んでいてややこしい概念でもあるので、
その辺を留意して使う必要があると思います。