『西洋占星術』。
それは、西洋産の星占い。
紀元前2000年前のバビロニアとか、古代ギリシャとか古代ローマとかから使われていた
由緒正しき占い・・・
・・・と、そんな「西洋占星術」をはじめて知る人でも、
自分でホロスコープを読めるようになるための記事です。
こうした西洋占星術の解説記事は、他の人もやってそうですが、自分もやってみることにしました。
他の人がやってるものを挙げると、例えば以下があります↓
◆初めての人はまずこちらへ♪星読みテラスの歩き方|星読みテラス
もちろん、ホロスコープが完璧に読めるようになるにはそれなりに時間をかけた学習が必要なので、
入門とか触りの辺りまでをやります。
~目次~
・ホロスコープとは?
・ホロスコープを計算する
・「惑星」の位置を見ていこう
・「惑星」の意味を理解しよう
・「星座」の意味を理解しよう・・・の前に・・・
・「3区分」について
・「星座」の意味を理解しよう
・「惑星」+「星座」をイメージする
・「アセンダント」と「MC」を見てみよう
・4属性や3区分のバランスを見てみよう
・もっと詳しく読む場合は・・・
・もっと詳しく知りたい人のための書籍
(宣伝)ちなみに、自分は占星術鑑定もやってるのでよろしくお願いします↓
ホロスコープとは?
まず、「ホロスコープ」とは何か?についてです。
ホロスコープとは、西洋占星術で使われる「特定の日付時刻での、地球から見た星の配置図」です。
※例えばこういうもの↓
この図には、それぞれどの星座にどの惑星があるか、
それぞれの惑星がどういう関係になっているか、などの情報が詰まっています。
それから、特に重要なのは「出生図」と呼ばれる「生まれた日付時刻での星の配置図」です。
これは「ネイタルチャート」と呼ばれます。
これを使うと、生年月日の情報から、その人の性格、運命、行動の傾向、人生の目的となるもの、どういう人とどう相性が良いか、仕事運、恋愛運、成功運、結婚運、その他、etc・・・などを占うことができます。
また、「自分について振り返るのに最適なツール」でもあります。
筆者(Raimu)が西洋占星術を習った所は
「自己発見」や「自己認識」を特に重要視する所だったので、
「他の人に読んでもらうより、自分で読めるようになると良い」と教わりました。
それによって、「自己」というものを自分で掘り下げることができて、良い体験となります。
占星術の基本となるのは、そうした「ネイタルチャート」なので、
これについてを中心に書いていきます。
ホロスコープを計算する
まずは、自分が生まれた瞬間のホロスコープを出してみましょう。
主に必要なのは「生年月日」と「出生日時」。それから「出生場所」です。
生年月日だけでもある程度の占いはできますが、
ちゃんとやるなら出生日時が必要になります。
自分の母子手帳とかを確認してもらって、時刻をどこかにメモっておきましょう。
(ちなみに、四柱推命や紫微斗数など、東洋系の占いでも出生日時を使うものはあるので、そういう占いが好きな人はメモっておいた方が良いです。)
あと、「出生場所」は日本なら「東京」とかでも大体の結果は出ますが、
離れた地方になるほど誤差が出てくるので、なるべく正確な場所が必要です。
次に、それらを元に星の位置を計算します。
・・・昔は手作業で全部やってたらしいですが、
コンピューターが発達した現代は、Web上のソフトウェアなどで簡単に出せます。
「ホロスコープ 作成」でググっても色んなのが出てきますが、
とりあえず、自分のオススメとして、有名そうな以下のものを挙げておきましょう。
※ホロスコープの算出は、楕円の動きをする天体の計算をする難しさの都合上、ソフトによって微妙な誤差(せいぜい0.1度未満とか)が発生することもあるみたいですが・・・とりあえず、上記のものは有名な計算方式を使っているので良さそうです。
上記のサイトに生年月日の情報などを入力していきましょう。
そうすると、以下のような図ができます。
そして、今度はそれを読む作業をしていくわけです。
「惑星」の位置を見ていこう
西洋占星術のネイタルチャート読みで基本となるのは、
「惑星がどの星座にあるかで、性格が決まっていく」です。
中心となるのは…
「太陽」「月」「水星」「金星」「火星」「木星」「土星」「天王星」「海王星」「冥王星」
の10の惑星と、360度を12に分けてできた12の星座なので、それを中心に見ていきます。
(10の惑星といっても太陽とか月とか冥王星とかは厳密に言うと惑星ではないですが、天動説的には惑星みたいなものと思っておいてください。「天体」と呼んでも良いです。)
以上のように、10の惑星が12の星座のどれかに位置しています。
(えーっと、「正真交点」と「カイロン」と書かれてるものは一旦無視しておきましょう。)
さて、今回はその中で、「個人天体」と呼ばれるものをピックアップしていきます。
個人天体と呼ばれるものは、10の惑星の中にある
「太陽」「月」「水星」「金星」「火星」の5つです。
これらの天体は、星座一つ分の角度(30度)を進むのにかかる時間が約1~2ヶ月以内に収まるので、
そこそこのスピードを持つ星たちです。
(木星、土星以降だと1年以上はかかります。)
そこそこのスピードを持つ星たちは、個人によって結果が異なりやすいので、
個人的な性格を見るのに向いています。
先に出した図で、個人天体の位置は、以下になります。
太陽は山羊座、月は牡牛座、水星は射手座、金星は射手座、火星は山羊座・・・
とそれぞれ書かれていますね。
ここで、「太陽」「月」「水星」「金星」「火星」の意味と、
「山羊座」、「牡牛座」、「射手座」の意味がそれぞれ必要になってきたので、
今度はそれを見ていきましょう。
「惑星」の意味を理解しよう
ここからが占星術の基本の正念場で、
まずは「惑星」と「星座」の意味を理解していくことになります。
早速、個人天体「太陽」「月」「水星」「金星」「火星」の意味から。
ざっくりした説明だと以下のようになります。
《太陽》
本領発揮した時の自分。 |
|
《月》
何かの出来事に対してとっさに反応する時の感情。 |
|
《水星》
知性・言語。知性や言語を用いたコミュニケーション、 |
|
《金星》
情動・イメージ。情動を用いたコミュニケーションや、愛情傾向が表れる。 |
|
《火星》
「戦いの星」と言われる。 |
(※画像は自作の「7つの天体エネルギーグラフィック」です。)
以上のはざっくりした説明ですが、これらの解釈の内容をひたすら深めていったり、
それぞれの惑星への理解をひたすら深めていったりするのが占星術というものです。
こうした理解を深めていくために、(信頼のできる)色んな本を読んだり、
(信頼のできる)色んなサイトを調べていきましょう。
一例ですが、『星読みテラス』というサイトで、
「惑星」と検索したりすると、各惑星の詳しい情報が出てきたりします。
さて、それから、太陽がある星座と生年月日の関係は以下のようになります。
牡羊座:3月21日~4月19日
牡牛座:4月20日~5月20日
双子座:5月21日~6月21日
蟹座:6月22日~7月22日
獅子座:7月23日~8月22日
乙女座:8月23日~9月22日
天秤座:9月23日~10月23日
蠍座:10月24日~11月21日
射手座:11月22日~12月21日
山羊座:12月22日~1月19日
水瓶座:1月20日~2月18日
魚座:2月19日~3月20日
これが、ちまたで有名になってる星占いで、
実はこれは「太陽星座」から出来たものです。
19世紀末ぐらいに「アラン・レオ」という、
「現代占星術の父」と呼ばれるに至った有名な占星術師が、
占星術の普及活動をする一貫で、この「太陽星座占い」を普及させたことで今に至ります。
プロが使う占星術だと、これに「月の星座は~」「水星の星座は~」「金星の星座は~」とかを
加味していって、さらにホロスコープ全体から読めることを色々と読んでいくわけです。
なので、「一般的な星占いがそんなに合っていない」という人も中にはいるかもしれませんが、
「太陽星座」は、「目的」とか「本領発揮」とかを表す性格になるので、
人生のはじめの方ですぐに出る性格でもないです。
どちらかというと、幼少期から続いている性格は「月星座」の影響を受けやすいので、
月星座も見ていくと良いでしょう。
「星座」の意味を理解しよう・・・の前に・・・
次に、星座の意味を理解しよう・・・と言いたい所ですが、
その前に、「火・地・風・水」の4大元素と、
「活動宮・不動宮・柔軟宮」という3区分を理解しておきましょう。
なぜなら、4大元素と3区分を理解することは、
星座を理解することにそのまま繋がるからです。
まず、重要となるのは、12の星座には4つの「属性」があるということです。
(これは「エレメント」とも呼ばれます。)
12星座の順番は「牡羊座⇒牡牛座⇒双子座⇒蟹座⇒獅子座⇒乙女座⇒天秤座⇒蠍座⇒射手座⇒山羊座⇒水瓶座⇒魚座」となっていますが、
これには、「火⇒地⇒風⇒水⇒火⇒地⇒風⇒水⇒火⇒地⇒風⇒水」というローテーションで属性を持っています。
つまり、火属性は「牡羊座・獅子座・射手座」で、地属性は「牡牛座・乙女座・山羊座」で、
風属性は「双子座・天秤座・水瓶座」で、水属性は「蟹座・蠍座・魚座」です。
例えば、牡羊座の影響が大きい人の場合は、
「自分は、火の影響を受けやすい、火属性だ。」みたいなことになります。
なんかワクワクしませんか?
まぁ、ここでいう「火」は、現実にある「火」にも近いっちゃ近いですが、
もっと概念的なものに近いです。
それぞれ「火⇒精神」「地⇒物質」「風⇒思考」「水⇒感情」の性質を強く持っています。
例えば、火属性はだいたい精神先手ということで、理想の方を大事にして動いたりします。
逆に、地属性は物質先手なので、現実的に目に見えるものに適応していきます。
あと、「火」と「風」は男性系の属性で、「水」と「地」は女性系の属性とされています。
それぞれの4つの属性のざっくりした説明は以下のようになります。
《火属性》
男性系の属性。物質よりも「精神」を重視し、安定したものより理想を求める。 |
|
《地属性》
女性系の属性。物質を重んじて安定した社会を維持しようとする性質を持つ。 |
|
《風属性》
男性系の属性。「思考⇔感情」の対では「思考」の属性。 |
|
《水属性》
女性系の属性。「思考⇔感情」の対では「感情」の属性。 |
それから、この4つ「火」「地」「風」「水」の属性は、
それぞれ「直観」「感覚(経験)」「思考」「感情」とも絡んでいて、
カール・G・ユングの提唱した「タイプ論」で言われてることにも該当します。
ユングのタイプ論では、人間は「直観」「感覚」「思考」「感情」のどれかを重視して、
それを優先機能として生きていくということが言われていました。
そこから、直観タイプ、感覚タイプ、思考タイプ、感情タイプみたいなのが出てくるわけです。
後に、この「タイプ論」の考え方と西洋占星術とを絡めて、
「火:直観タイプ」「地:感覚タイプ」「風:思考タイプ」「水:感情タイプ」が、
それぞれ関係しているように使われていきます。
(「地:感覚タイプ」は「地:経験タイプ」と呼んでも良いと思います。)
そもそも、4大元素論というものは、
古代ギリシャで「エンペドクレス」⇒「プラトン」⇒「アリストテレス」と受け継がれるように使われていったもので、
錬金術や西洋魔術といったジャンルにおいても重要なものです。
このように、4大元素論は奥が深いものですが、
とりあえずここまでにして次にいきましょう。
「3区分」について
西洋占星術の星座で、「火・地・風・水」の4つの属性に加えてあるのが、
「活動宮・不動宮・柔軟宮」という3つの区分です。
(これは「クオリティ」とも呼ばれます。)
それぞれざっくり説明すると以下です。
《活動宮》
あちこち活動する能力が高い。 |
|
《不動宮》
ひとつの場所、ひとつの物事に留まる性質を持つ。 |
|
《柔軟宮》
活動も不動もまわりの状況次第でどっちもイケて、対応力があるので柔軟の名称がついてる。 |
これも、12の星座がそれぞれ持っている性質で、
「活動⇒不動⇒柔軟⇒活動⇒不動⇒柔軟⇒活動⇒不動⇒柔軟⇒活動⇒不動⇒柔軟」というローテーションになっています。
つまり、活動宮は「牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座」で、
不動宮は「牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座」で、
柔軟宮は「双子座・乙女座・射手座・魚座」です。
そして、4属性のローテーションと、
3区分のローテーションは上手く噛み合うようになっているので、
それらと12星座との組み合わせは以下になっています。
牡羊座:火属性+活動宮
牡牛座:地属性+不動宮
双子座:風属性+柔軟宮
蟹座:水属性+活動宮
獅子座:火属性+不動宮
乙女座:地属性+柔軟宮
天秤座:風属性+活動宮
蠍座:水属性+不動宮
射手座:火属性+柔軟宮
山羊座:地属性+活動宮
水瓶座:風属性+不動宮
魚座:水属性+柔軟宮
つまり、この12パターンが12の星座を作り出す・・・ということなので、
12星座を理解するためには、この4×3のパターンを意識しておきましょう。
「星座」の意味を理解しよう
これまで、「4属性(エレメント)」と「3区分(クオリティ)」について説明しました。
それを踏まえて「星座」を理解していきます。
12星座それぞれのざっくりした説明は以下になります。
《牡羊座》
火属性の活動宮。 |
|
《牡牛座》
地属性の不動宮。 |
|
《双子座》
風属性の柔軟宮。 |
|
《蟹座》
水属性の活動宮。 |
|
《獅子座》
火属性の不動宮。 |
|
《乙女座》
地属性の柔軟宮。 |
|
《天秤座》
風属性の活動宮。 |
|
《蠍座》
水属性の不動宮。 |
|
《射手座》
火属性の柔軟宮。 |
|
《山羊座》
地属性の活動宮。 |
|
《水瓶座》
風属性の不動宮。 |
|
《魚座》
水属性の柔軟宮。 |
(※画像は自作のものです。)
以上のような「星座」が表している意味をちゃんと理解して、
その解釈をできるだけ深めておくことが重要なわけです。
参考までに、また『星読みテラス』というサイトを参照しますが、
「牡羊座」とか、知りたい星座を検索したりすると、
各星座の詳しい情報が出てきたりします。
それから、星座は「支配星(ルーラー)」(「守護星」とも呼ばれる)というのを持っています。
「支配星」は、火星とか金星とか水星とか、先ほども出てきた惑星です。
例えば、牡羊座は火星が支配星で、牡牛座は金星が支配星です。
そういうのが12パターンあります。
つまり、星座の性質と、その支配星の性質は関係しているので、
例えば、火星を理解することで、牡羊座の理解が深まったりするなど、
惑星の理解を深めることで、星座の理解が深まることにも繋がります。
こうした「支配星」を加味して星座を説明すると、
以下のようになります。
《牡羊座と火星》
火属性の活動宮である牡羊座に、火星の闘争心が当てはまる。 |
|
《牡牛座と金星》
地属性の不動宮である牡牛座に、愛情豊かな金星が当てはまる。 |
|
《双子座と水星》
風属性の柔軟宮である双子座に、 |
|
《蟹座と月》
水属性の活動宮である蟹座に、月が当てはまる。 |
|
《獅子座と太陽》
火属性の不動宮である獅子座に、太陽が当てはまる。 |
|
《乙女座と水星》
地属性の柔軟宮である乙女座に、知性を司る水星が当てはまる。 |
|
《天秤座と金星》
風属性の活動宮である天秤座に、愛情を司る金星が当てはまる。 |
|
《蠍座と冥王星・火星》
水属性の不動宮である蠍座に、冥王星が当てはまる。 |
|
《射手座と木星》
火属性の柔軟宮である射手座に、木星が当てはまる。 |
|
《山羊座と土星》
地属性の活動宮である山羊座に、土星が当てはまる。 |
|
《水瓶座と天王星・土星》
風属性の不動宮である水瓶座に、天王星が当てはまる。 |
|
《魚座と海王星・木星》
水属性の柔軟宮である魚座に、海王星が当てはまる。 |
ちなみに、「水瓶座」と「魚座」と「蠍座」の支配星に関してはちょっとだけ特別です。
それぞれ、「天王星」「海王星」「冥王星」が対応していますが、
同時に「土星」「木星」「火星」にも対応していることになっています。
というのも、「天王星」「海王星」「冥王星」は、18世紀以降から発見された星なので、
最初は存在してなくて、後から当てられることになったからです。
それぞれの発見前は、「土星」「木星」「火星」が当てられていました。
それから、星座と支配星の対応にも規則があって、
それは以下のようになっています。
今回は、「太陽」「月」「水星」「金星」「火星」までしか説明していないので、
「木星」「土星」「天王星」「海王星」「冥王星」についてはノータッチですが、
ちゃんとやるならばそれらの惑星も理解しておく必要があります。
「惑星」+「星座」をイメージする
ここまで「惑星」と「星座」について取り上げました。
いよいよ、自分のホロスコープを実際に読んでいく作業です。
・・・と、その前に、
占星術の原則として言われているのは、「西洋占星術は惑星が主役である」ということです。
星座は「舞台」とか「場所」とか「国」とか言われています。
例えば、アメリカみたいな星座だったらアメリカ的になるし、
イタリアみたいな星座だったらイタリア的になるので、
星座の影響力もそれなりに大きそうですが、
しかしそれでも「惑星が主役」って所は重要なので踏まえておきましょう。
さて、以前に出したホロスコープを再度見てみましょう。
そして、とりあえず「太陽」「月」「水星」「金星」「火星」に着目する場合、
以下を見ていきましょう。
太陽は山羊座、月は牡牛座、水星は射手座、金星は射手座、火星は山羊座・・・となっているので、
ここで、「太陽」「月」「水星」「金星」「火星」についてと、
「山羊座」「牡牛座」「射手座」についてを理解した上で、
それぞれの意味をかけ合わせて、内容を読み取っていきます。
先ほど説明したように、「惑星」が役者(例えばヒーロー)で、
「星座」は国(例えばアメリカ)とすると・・・
「アメリカという国に住んでる、アメリカ的なヒーロ―」とか、
「イタリアという国に住んでる、イタリア的なヒーロ―」みたいになり、
それぞれ、役者(惑星)はその国(星座)の文化の影響を強く受けてるという風にも解釈できます。
ここで必要な作業は、「惑星」と「星座」の意味という抽象的な概念を理解した上で、
それぞれの意味を組み合わせたものをイメージし、
そこから内容を読み取っていくことです。
占星術で扱うのは抽象的な概念がメインなため、
そうした抽象的な概念を組み合わせていったものを理解していくことになります。
《太陽》+《山羊座》
全体の中心・本領発揮 + 活動宮の地属性 |
|
《月》+《牡牛座》
感情の動き・子供の時の自分 + 不動宮の地属性 |
|
《水星》+《射手座》
言語コミュニケーション + 柔軟宮の火属性 |
|
《金星》+《射手座》
情動コミュニケーション + 柔軟宮の火属性 |
|
《火星》+《山羊座》
闘争本能 + 活動宮の地属性 |
以上の例だと、山羊座のような真面目さと活発さが中心にあって、(太陽)
子供の時は牡牛座のようにどっしりと動かない感じで、(月)
闘争していく時も山羊座のような真面目さがありますが、(火星)
交友とか愛情表現とかのコミュニケーションは射手座のような自由さでやる。(水星と金星)
・・・みたいな風に読めますね。
占星術はまだまだ奥が深いですが、
こういう読み方が基本になります。
「アセンダント」と「MC」を見てみよう
ここまでは西洋占星術の基本である「惑星」と「星座」についてを見ていきました。
あとは「ハウス」と「アスペクト」というのがありますが・・・
あんまりやると難しくなってくるので、今回はそこまで詳しくはやりません。
とはいえ、「ハウス」と一緒に出てくる
「アセンダント」と「MC」について見ていきます。
まず、「ハウス」は、出生日時がないと出すことができないものです。
(あと、より正確に出すにはより正確な出生場所も欲しいです。東京と京都の違いとかで誤差がでます。)
以下の図で、数字がついている箇所があります。
ここで、ホロスコープにある数字のついてるスペースを「ハウス」と言います。
例えば、1の場所だったら「1室」とか「1ハウス」とか呼ばれます。
そして、1室から12室まであるハウスに、それぞれどの惑星が入っているか?とか、
どの星座にどのハウスがあるか?とかを見ることによって、
また細かいことを詳しく占うことができます。
ちなみにこれは、出生日時を「12時」と設定すると、
該当する星座が全然違う結果になります。
出生日時が分からない状態で占う場合、
便宜上、「12時」として占うことがありますが、
これではハウスの結果は出ないことを踏まえておきましょう。
(あと、「月」も1日で13度ぐらい進むので正確な値がでないです。他の星は、1度程度の誤差を容認すれば大体の結果が出ます。)
さて、以上のように、1室から12室まであるハウスの状態を読むことで、
ホロスコープからより詳しい情報を読み取って占うことができるのですが・・・
今回は、あんまり細かい所までやるとキリがないので・・・
とりあえず「1」と書いてある所(1室)と、
「10」と書いてある所(10室)の開始部分を見ます。
1室の開始の場所を「アセンダント」と言い、
10室の開始の場所を「MC」と言います。
(アセンダントは「ASC」や「AC」と略されることもあります。)
この二つは西洋占星術で割と優先度高めで重要なものとして読みます。
まず、「アセンダント」についてです。
「アセンダント」は、「人からはこう見られてるという性格」とか
「ペルソナ(仮面)」が表れるとかも言われますが、
多角的に見るとかなり奥が深いものです。
松村潔さんの書籍『完全マスター西洋占星術』によると、
「アセンダントは赤ん坊が誕生した瞬間を表しています。」とのことで、
それまで母親の胎内に依存していて赤ん坊が、
はじめて地球という場所に出た瞬間にあった意志であり、
自分を主張する「証」である。・・・といったことも書かれています。
それから、1室というのは「身体」についてが表れるハウスなので、
その原初の意志から「身体」の特徴が表れると解釈できます。
あと、「アセンダント」をよく見てみると、
それは1室の始まりであると同時に、
12室の終わりでもあります。
12室というのは、全てのハウスを旅していった後の終着点なので、
はじまりであると同時に、最終目的として帰る星座が「アセンダント」だと解釈することもできます。
そんなわけで、アセンダントはかなり大事なものなので、
ホロスコープ全体を見る場合は、まずは「太陽」と「月」と「アセンダント」の3つを見ます。
その3つに大まかな特徴が簡潔に表れてると言っても良いでしょう。
次に、「MC」についてです。
MCは「社会的な役割」が表れるものとして見ます。
なので、太陽星座とかは何であれ、仕事とか職業とかはMCに準拠して決まってることが多いです。
仕事や社会での役割というと、これまた人生の大半を過ごすものとなるので、
MCも結構重要なものとして見ます。
さて、ここまでで「アセンダント」と「MC」の意味について説明しました。
その意味を理解した上で、これもまた「惑星」+「星座」と同様にイメージしていきます。
《アセンダント》+《山羊座》
原初の志。身体。見た目 + 活動宮の地属性 |
|
《MC》+《天秤座》
社会的な役割 + 活動宮の風属性 |
惑星と星座を見ただけでは物足りない結果も、これでさらに深まることになります。
太陽とアセンダントとMCの組み合わせを見ていくと、
太陽星座とアセンダントが同じで強調されてるとか、太陽星座とアセンダントが微妙に違うとか、
太陽星座が火属性でMCが地属性とか(性格が不良で職業が真面目みたいとか)、
太陽星座が地属性でMCが火属性とか(性格が真面目で職業が不良みたいとか)、
全体的に絶妙な組み合わせになってるとか、
そういうことが色々とあります。
4属性や3区分のバランスを見てみよう
これまでを踏まえたら、星座リストというのができているはずです。
以下のホロスコープにも書いてあります。
そして、それぞれの星座には「属性」があるので、
属性付きのリストを作りましょう。
太陽:地属性+活動宮
月:地属性+不動宮
水星:火属性+柔軟宮
金星:火属性+柔軟宮
火星:地属性+活動宮
ここで、どの属性がどれだけ多いか?
または、どの3区分がどれだけ多いか?を見ていきます。
全惑星の中で「太陽」と「月」の影響力というのは特に大きいので、
気持ち的には、太陽と月の場合は5点加算、他は3点加算・・・みたいなことをちょっと意識しつつ、
属性の数をカウントしていきます。
アセンダントとMCは「別枠」として書いておきましょう。
火:水星、金星
地:太陽、月、火星
風:―
水:―
ASC:地 | MC:風
それから、3区分も見ておきましょう。
それによって、活動的で動き回るのが好きか、
不動の性質が強くて一つのことにこだわるか、
柔軟の性質が強くて自分で決める感じじゃないか、
どの傾向が強いかが見えてきます。
活動:太陽、火星
不動:月
柔軟:水星、金星
ASC:活動 | MC:活動
あと、ここまでは「個人天体」だけを見ました。
主要天体を全部見ると、「木星」「土星」「天王星」「海王星」「冥王星」も含まれます。
これを含めたバランスを読むのも、もちろん良いです。
火:水星、金星、天王星
地:太陽、月、火星、冥王星
風:木星
水:土星、海王星
ASC:地 | MC:風
ただ、木星と土星は進行が遅く、それ以降の惑星はさらに進行が遅いので、
全体の影響力としては微妙で、1点加算とか0.5点加算とかを意識していく必要があります。
読み取るのにちょっとコツがいるし、
「影響力が特に大きい惑星」を全体から読んでいく必要もあります。
なので、今回は初心者向きのやり方ということで、
個人天体だけを読んでおくことにしましょう。
ちなみに、「Astrodienst」のホロスコープ結果には、
以下のように分かりやすい図が表示されてますね。
ホロスコープを出した時にこういうのがあると便利ですが、
こういう図が作成されるかどうかは、作成ソフトによりけりです。
そして、以上のような結果から、
4属性のバランスを読み取ることができるわけです。
○○の属性が多いとか、○○の属性が少ないとかが必ずあるはずです。
例えば、筆者(Raimu)の場合は、個人天体は火が2つ、水が2つ、地が1つ、風は0。
アセンダントが風で、MCは水になってます。
全体的に火が一番強くて、水はその次に強くて、地は少なめで、
風はアセンダントになっているという配置です。
なので、基本は火のように理想と自由を求めて、
なんやかんやで人情や感情が気になることはあるし、
スピリチュアルには向いています。
地に足は多少はついてるけど頼りなく、
アセンダントの影響で思考ばっかりしてますが、実は微妙に専門分野とは違ってます。
あと、活動・不動・柔軟のバランスは、
2・2・1とバランスが良くなっていて、
しかも、柔軟を持っているのは太陽星座です。
なので、3区分に関してはあんまり偏りがなく、柔軟に対応できるようになってるみたいです。
・・・みたいなことが読み取れるわけです。
それから、これは松村潔さんの書籍『完全マスター西洋占星術』に書いてあった格言ですが、
「人が目指すべき成長や意識進化」というテーマにおいては、
「火・地・風・水」の全部の要素が揃ってることが大事らしいです。
これは古代ギリシャにあった考え方ですが、
世界は4大元素「火・地・風・水」でできているけど、
それに加えて、天上の世界には「5番目の元素」というのがあり、
それを得るためには、4大元素のすべてが揃ってる必要があるそうです。
逆に、1つの元素に偏っている方が、
生き方が一貫しているのである意味では楽といえば楽みたいな所がありますが、
欠けた要素があることを踏まえておかなければなりません。
以上のように、4属性の全体のバランスを見ていくと、
そうした奥が深いテーマとの関わりまで読み取ることができます。
さらに、もっと全体を読み込んでいくと、
人生のテーマまで見えてくることがあるわけです。
ホロスコープをどこまで深く読めるかは、読む人の力量が問われます。
とりあえず、「自己発見」や「自己認識」という目的の元で、
自分のものを深く読むことが大事になります。
自分のホロスコープを深く読める人が、他人のホロスコープも深く読める人です。
もっと詳しく読む場合は・・・
とりあえず、「はじめての人のためのホロスコープの読み方」は、
ここまでとしておきます。
西洋占星術はまだまだ奥が深いです。
まだやらなきゃいけないのは、
「木星」「土星」「天王星」「海王星」「冥王星」の意味の理解と、
「1ハウス」から「12ハウス」の意味の理解と、
それから、惑星同士の角度を見る「アスペクト」についてがあります。
(個人的には、アスペクトの理解は特に鬼門でした)
「惑星」「星座」「ハウス」「アスペクト」の4つが分かれば、
「ネイタルチャート(出生図)」がちゃんと読めるようになるので、
基本スキル・初級スキルとしてはそれで良いでしょう。
さらに、中級スキルとなると、
現在の星や未来の星の配置を踏まえて読む「トランジットチャート(経過図)」や、
出生図から「1年=1日」と見立てて時間を進めて算出する「プログレスチャート(進行図)」なども扱います。
それらのチャートは、「ネイタルチャート」と合わせて2つ同時に読んだりするし、
3つ同時に表示されてる「三重円」というチャートを読んでいったりもします。
あと、2つ以上のホロスコープの関わりが読めるようになると、
二人のネイタルチャートを元に「相性占い」みたいなこともできます。
それから、星座の度数(0度~30度)のどの位置にあるかで読んでいくのも重要だし、
1度1度の意味を読み取っていく「サビアン占星術」という技法もあったりします。
さらなる高みに行くためには、
心理学を絡めた解釈をする「心理占星術」とか、
10の惑星だけでなくて、カイロンなどの小惑星や準惑星を使う技法とか、
ドラゴンヘッドやドラゴンテイルを使う技法とか、
太陽を中心にしたホロスコープで読む「ヘリオセントリック」という技法とか、
洋書とか中世の文献を発掘することで色々と出てくるのとか・・・
・・・とまぁ、要するに、そうやって色んな技法があったりで奥が深いから、
プロの人達は色々とやり込んでいるわけです。
この記事をきっかけに、それらの理解が少しずつできれば幸いと思います。
当ブログの西洋占星術関連の記事は以下にまとめてあります。
あと、『アストロロジーたん』とかでも占星術の情報を発信してるので、
そちらもよろしくお願いします。
(※この記事の「ざっくりした説明」は、基本『アストロロジーたん』のものを流用してます。)
もっと詳しく読むための記事
以下の記事はこのページの説明に加えて、もっと詳しく読むための内容が載っています。
もっと詳しく知りたい人のための書籍
最後に、占星術をもっと詳しく知るための書籍を載せておきましょう。
分かりやすさと熟練度を兼ねそろえたベテランの人が書いた本があるので、
入門したい場合はとりあえずそれを読んでおくと良いでしょう。
とりあえず、無難に有名所と言ったら鏡リュウジさんです。
自分も占星術の学び始めは鏡リュウジさんから入りました。
分かりやすさと的確さをかねそろえてるから間違いないんじゃないかと思います。
オーソドックスなやつだと以下の書籍があります。
これはネイタルチャートまでの内容なので、基本として最適そうです。
あと、ほんとに初めてだったら以下のやつも良いです。
というか自分が初めて読んだ本はこれでした。
うーん・・・どうも今は中古しかないみたいですが・・・
「イメージで惑星を捉える」というアプローチが良いと思いました。
あと、少し脱線しますけど、こういうのもオススメです。
さて、女性が書いた書籍だと、石井ゆかりさんがとりあえず有名です。
石井ゆかりさんも間違えたことを書くような人ではないので、オススメだと思います。
とりあえず、男性が書いた入門本だったら鏡リュウジさん、
女性が書いた入門本だったら石井ゆかりさん、
・・・で良いんじゃないかなぁ?と思います。有名所でとりあえずは。
以上のは「はじめてから知りたい人向け」の本として、
さらに、「もっと深く知りたい人向け」となると、松村潔さんの本があります。
もちろん、初めから松村潔さんの入門本を読んでも良いですが・・・
松村潔さんはけっこう「難しい」って評判をよく聞きます。
松村潔さんは、占星術に限らず、オカルト・スピリチュアル全般に詳しい人なので、
自分は占星術以外のジャンルでもお世話になってるって感じで好きです。
松村潔さんという人は、オカルト・スピリチュアル全般に通じた
「古代人の考え方とは?」「意識進化とは?」「人間とは?」「宇宙に意志はあるのか?」
といったテーマまで含んだ占星術ができる人なので、
その辺の理解まで深めたい人はオススメです。
あと、占星術の解釈もとても深い所まで的を得ている気がするので自分は好きです。
自分は、松村潔さんの本を読み込むことで占星術の理解を深めてるし、
占星術用語の意味をちょっと確認したくなったら、とりあえず松村潔さんの本を参照します。
以上。
占星術の本は色々とあるので、自分もすべては語れませんが・・・
なんにせよ、各自が気に入ったものを読んでいけば良いと思います。