不定期連載『変換人型ゲシュタルト論』シリーズ。 記事一覧はこちら。
◆◇「鏡像段階論」について◆◇
『次元観察子ψ4』をちゃんと理解するために説明しておきたい話がある。
それはジャック・ラカンの「鏡像段階論」である。
ジャック・ラカンは20世紀に活躍したフランスの精神分析家で、
ジークムント・フロイトを追って無意識を研究し、
フロイトの精神分析学を構造主義的に発展させたパリ・フロイト派のリーダー役となっていたほどの人物である。
ラカンの言ってたことはフロイトとは違った独自の理論のようなものになっていて、他に類を見ないほど難解で複雑な内容となっている。
そして、その理論とヌーソロジーで言われていることも大まかな一致が見られるため、親和性が高いということでヌーソロジーでもよく引用される。
ラカンの理論はコアなマニアには好まれてるが、その理論の内容は難解なことでも有名なため非常にムズい。
しかしながら、「鏡像段階論」に関しては割と分かりやすいため、とりあえずそこだけ説明する。
「鏡像段階論」についての説明
以前に『「自己」を見つけるために』の項で、
「普段の我々の意識は、基本的に他者の影響を受けることが多い。」
という話があったのを覚えているだろうか?
そして、その理由の一つに「幼児から成長する際の意識形成の問題」を挙げた。
これをより詳しく説明している理論がラカンの「鏡像段階論」である。
生まれたばかりの幼児は「自分は人間である」という認知は無いし、記憶や経験が何もないため、自分の身体がどんな感じになっているかすら分からず、統一体のように捉えていない。
そこから少し成長して鏡を見ることによって、鏡に写った自分(鏡像)を見ることではじめて自分の姿を認知して、統一体であることに気付く。
あるいは、鏡を実際に見ない場合でも、お母さんやお父さんなどの「他者からの視線」を気にしていて「他者から見た自分の姿」を想像する。
それが「鏡像」となって自分の身体についてが分かっていく。
したがって、鏡像段階論においては、「他者から見た自分の姿=鏡に写った自分の姿」であり、それが人間の自我形成のベースとなる。
一般的には生後6ヶ月から18ヶ月の間にこの過程があるとされているらしい。
鏡像段階論と次元観察子ψ4
さて、以上の説明の中で鏡に写されている光景を「鏡面」と呼んだ場合、
「他者から見た知覚正面」とそれは重なり、
次元観察子ψ4に紐づく「客体」の在り所とも一致してくる。
つまり、そんな「鏡面」にあるのが次元観察子ψ4だということを覚えておこう。
逆に「知覚正面」にあるのが次元観察子ψ3だったわけである。
「鏡面」からさらに作られる「鏡像」は、人間の自我のベースになっていて、自我が確立するようになると今度は『次元観察子ψ6』の話になってくるが・・・
とりあえず「鏡面」の段階では次元観察子ψ4だと頭に入れておこう。
また、「知覚正面」と「鏡面」の関係もまた、
「前」と「後ろ」の関係になっている。
「知覚正面」は変換人型ゲシュタルトの基本だが、
一方で「鏡面」は人間型ゲシュタルトの基本になる。
それを覚えておいて欲しい。
↓続き
2013:The Day God Sees God 人類が神を見る日 [ digital edition ]
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