以前、『オタクとは何か?』シリーズを書いて、①~⑤で完結した。
特に④は2013年~2019年の話で「2013年からは自分にとってヒットする良いアニメがあんまりなかった」みたいな話になった。
しかし、「良いアニメがない」みたいに書いたのは、あくまで「エヴァとかハルヒとか化物語とかまどマギレベルのヒットアニメ」のレベルに限定した話であり、
普通に放映されてて面白かったと思えるレベルだったら、良いアニメや面白いと思ったアニメはいっぱいあったと思う。
そんなわけで、『魔法少女まどか☆マギカ』以降あたりからで、
2012年から放映されたアニメで個人的に良かったと思った作品について紹介していこうと思う。
※アニメ紹介と共に「スピリチュアル度:★★★☆☆」「楽しさ:★★★☆☆」みたいな五段階評価も同時に載せていくが、ここで言う「スピリチュアル度」は、「Raimuが思うスピリチュアル感」みたいに適当な感じとして捉えてもらいたい
※あと、ニコニコ動画での一話リンクをなるべく載せておく。今でも一話だけは観れるやつと観れないやつがあるのでチェックしてみよう
以下、これから紹介するアニメのリストである。
・2012年:新世界より
・2012年:アクセルワールド
・2012年:人類は衰退しました
・2013年:京騒戯画
・2013年:凪のあすから
・2013年:聲の形
・2013年:ローゼンメイデン 第2部
・2013年:<物語>シリーズセカンドシーズン
・2014年:Fate/stay night [Unlimited Blade Works]
・2015年:ローリング☆ガールズ
・2015年:境界のRINNE
・2015年:Charlotte(シャーロット)
・2016年:Occultic;Nine オルカティック・ナイン
・2017年:メイドインアビス
・2017年:正解するカド
・2017年:宝石の国
・2018年:プラネット・ウィズ
・2018年:ゆるキャン
・2019年:BEASTARS
・2019年:さらざんまい
・2019年:ブギーポップは笑わない
・2019年:海獣の子供
2012年:新世界より
1000年後の日本という、ほとんど今の文明が壊滅した後みたいな世界・・・
人類は一人一人が「呪力」と呼ばれる超能力を持つようになっていた。
また、バケネズミと呼ばれる下等生物がいて、それらにとっては人間は神様のように扱われていて、人間はそれを使役して上手く生活していた。
統率の取れた社会で平和に暮らしていたようだが、呪力の持つ潜在的な恐ろしさもまた凄まじく、それを制御するための掟には闇の部分もあった。
主人公たちはその力と掟に翻弄されつつ、バケネズミの抗争にも巻き込まれていく・・・
◆新世界よりとは (シンセカイヨリとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★★★
楽しさ:★★☆☆☆
これはリアルタイムで見てたというか、後から気になって一気に観た作品。
dアニメストアあたりでサブスク対象になっているので、それで観ると良いと思う。
「上等生物」と「下等生物」がしっかりいる設定な時点で世界観がダークに作られている。
それから、すごく「日本」を感じさせる思想で統制された世界になっているのも面白かった。
その世界観の作り込みとダークさは『進撃の巨人』にも負けず劣らずぐらいでは?と思う。
残酷さもあり儚さもありなシナリオで、めちゃくちゃ濃ゆい内容で見応えがあった。
2008年に貴志祐介という人が書いた小説が原作で、ラノベって感じじゃない小説作品がアニメ化されるのは珍しいのもあり、90年代の暗さがまだ生きてる作家が書いた作品という感じがする。
2012年:アクセルワールド
『ソードアートオンライン』の川原礫による、もう一つの主力となる作品。
時代的には『ソードアートオンライン』より後ぐらい・・・2046年、テクノロジーの発展が進んで、首に装着するだけで視覚的なコンピューター操作ができる「ニューロリンカー」が普及していて、皆がそれを使っている社会になっていた。
主人公の有田春雪は、ゲームは上手いがチビで太っちょのいじめられっ子。今日も高校でいじめられる生活をしていたが・・・ある日、「黒雪姫」と呼ばれる生徒副会長の一つ上の先輩に気に入られ、仲良くなる。
そして、その先輩に誘われて「ブレイン・バースト」という特殊なアプリをインストールすることになる。
そのアプリは・・・思考が1000倍に加速されて一秒が千秒に拡張される「加速世界」にアクセスし、その中でアバターになってライバルと対戦し合うという・・・前代未聞の対戦格闘ゲームアプリだった。
◆アクセル・ワールドとは (アクセルワールドとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★☆☆
楽しさ:★★★★☆
スピリチュアル度は★3つにしたが、
電撃文庫みたいな大手ラノベでこれは稀にみるスピリチュアルさである。
個人的には川原礫の作品は『ソードアートオンライン』の方もアニメを大体見ているが、
どっちが好きかでいうとだんぜんこっちの『アクセルワールド』である。
実際に売れてる方は『ソードアートオンライン』だが、あっちは大衆受けによってる作品だと思う。
自分は『アクセルワールド』に関しては本当に大ファンで・・・このアニメが終わってから、その続きの原作を読むべく、すべて買うようになった。実はそこまでライトノベルを読む方ではない自分だが、これに関してはほとんど小説を読むことで全部の内容を制覇している。
「加速世界」という謎のテクノロジーが心躍るというのもあるし、
自分みたいなゲーム世代は、こういう格闘ゲーム的な世界観が登場するとめちゃくちゃ好きになってしまう。
さらに、この作品は話を進めると、ただの機械的なゲームをやり込む作品というより、何か神秘的な領域にまでアクセスするような話にもなってくる・・・
アニメだと二期で「心意システム」が出てくるあたりは、ここからが本番みたいな面白さがある。
2012年:人類は衰退しました
タイトルは『人類は衰退しました』ということで・・・
人類の物質文明が衰退してたぶん数世紀とか経った世界・・・
地球には「妖精さん」とかいう、背丈は10センチメートルほどで可愛い姿してるが、何故か高い知能や技術力を持つフザけた存在が100億から200億人はいて、それが「現人類」とされている。一方でこれまで生きていた従来の人間は「旧人類」とされている。
妖精さんは楽しいことが大好きで、高度な技術力によりでたらめな文明を作ることができるが、飽きるとすぐに散ってしまうというフザけた現人類である。また、食べなくても生きていけるがお菓子が大好きである。
主人公の「わたし」は祖父の仕事を継ぐために調停官となり、そんな妖精さんと旧人類との間を取り持つ役目として、てんやわんやで色々と奮闘する。
◆人類は衰退しましたとは (ジンルイハスイタイシマシタとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★☆☆☆
楽しさ:★★★★☆
『人類は衰退しました』と、なかなかちょっとフザけたタイトルで、
内容もかなりふざけている。ブラックユーモアっぽい不思議系作品。
主人公はピンク髪の可愛い女の子で「わたし」と呼ばれている。名前がない。
ライトノベル原作で作者は田中ロミオという人。出版社はガガガ文庫というらしい。
ガガガ文庫? なんじゃそりゃ。そんな出版社の名前もこの作品で初めて知った。
割と変わった作品を出してる小学館のレーベルらしい。
物質文明が衰退した後の話なので、自然が多くて和やかな世界であり、
登場人物もゆるふわな感じが多く、空気系っぽい雰囲気の作品である。妖精さんもゆるふわである。
しかし、空気系でフザけた内容ながらも、ブラックユーモアの作り方が高度で、よほど頭の良い人でないと作れない作品でもある。
圧倒的に謎な独創性とちゃんと作り込まれた世界設定が読者を難解の渦に招き入れる。
これこそ、セカイ系と空気系の融合の新しい在り方なのか?
なんというかカオス。
自分はそんなカオスな作品が割と大好物だが、こうして独創的でガンガンふざけていく風潮の創作はそれなりにウケるようになっていて、
これも2000年代後期か、2010年代の作品で起きるべくして起きた風潮って感じかもしれない。
2013年:京騒戯画
外界から隔離され、時間が止まった京都。それは「鏡都」とも呼ばれる。
人と妖怪が共存し、物が壊れることのない不思議な町は、明恵(人間代表・僧侶)と鞍馬(機械?代表)と八瀬(鬼代表)の三人議会に守られている。
主人公のコトはそこに住むお転婆な女の子であり、元々は空から降ってきたらしい。
何か目的があって迷い込んだが、自身の謎を解き明かすためにも、色々と駆け巡る。
それから、なんか鏡都で大きな異変が起きるようにもなる。
◆京騒戯画とは (キョウソウギガとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★☆☆
楽しさ:★★★★☆
このアニメはとにかくなんだか不思議な世界観だった。
人と妖怪が共存する町・・・鏡都・・・なんとも最初から謎が多い。
自分は「人と妖怪が共存する」みたいな世界観が大好物なので、それだけでも好きだった。
なんとなく面白い要素を持つ登場人物を挙げていくなら・・・
「神様の血が混ざった不思議な少女」「天才美少女科学者」「女好きの僧侶」「姫の姿した鬼」「機械的思考の宇宙人みたいな奴」「神様っぽい奴」・・・など。んー、なんかロマンの塊!
そんな八百万感の好きな人は楽しめる作品だと思う。
シナリオも最終的に良い感じに深い感じがして、とても良かったと思った。
2013年:凪のあすから
海の中でも呼吸ができて普通に生活ができる、海の世界の住人がいる世界の話。
海の世界のとある海底の村・汐鹿生(しおししお)の4人の少年少女が主人公。
主人公たちは中学2年生になって海の中の学校が廃校し、陸の学校に通うことになる。
陸の人間との出会いや、恋路で色々と思い悩む学校生活を過ごすが、
次第に、海村の大異変とも関わるようになり・・・
◆凪のあすからとは (ナギノアスカラとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★★☆
楽しさ:★★★★☆
知人の紹介で知ったこの作品。
放映されていた当初、はじめは絵柄で避けていたのだが・・・
絵柄で避けるべきアニメではなかった。
すごく良い作品だと思った。
はじめは中学生4人の男女から、陸の男1人を加えて、
女性作家が書いてそうな恋愛沙汰がメインの日常的シナリオと思いきや・・・
だんだんと「海底の村とは?」「その神様とは?」と、
人と神の関係を描くようなシナリオにも進んでいって・・・
映像の綺麗さも一級品であり、神秘的レベルも高かった。
主人公の光は主人公らしい男の子で、中学生らしく大変未熟な所もある奴だったのだが、
だんだんと明らかな成長が見られるようになってるシナリオも良い。
キャラクターの成長が感じられる作品はだいたい名作である。
「13話+13話」の2クールアニメであり、1クールが前編で2クールが後編となる。
見所は前編から後編への急展開であり、状況が一新する所である。
これは下手に言ってしまうとネタバレになるので、初見の衝撃を受けながら観て欲しい。
2クール目の雰囲気は1クール目と違ってくるが・・・すごく良いのである。
かなり印象に残ったので個人的に評価が高い方のアニメである。
2013年:聲の形
主人公の石田将也は楽しいことが好きな小学6年生の男の子。
ある日、自分のクラスに新しい転校生、西宮硝子がやってきた。早速自己紹介をはじめたその女の子は・・・
◆聲の形とは (コエノカタチとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★???
すごさ:★★★★★
これはアニメ作品というより、漫画作品として取り上げよう。
そもそも話は2013年の読み切り版掲載にさかのぼる。
◆【衝撃作】 週刊少年マガジン(12号)の特別読切「聲の形」(こえのかたち)は必読です。とにかく凄い作品です – Togetter
Twitterで話題になったこれに自分も飛びついた。
これもひじょーーーに完成度が高かった。
面白すぎて掲載されてる週刊少年マガジンも買った。マガジンの雑誌購入は始めてだった。
当初は(内容的に)「連載できるのかこれ?!」とかも言われてた覚えがある。
「連載できるのかこれ?」と言われてた作品の連載が2013年に始まった。
普通に考えると障害者がテーマの日常ものか?と捉えられそうな作品だが、
どっちかというと石田将也と西宮硝子の二人の「違い」がテーマの作品であり、
もっと色んな人間の「違い」がテーマでもあり、
非常に深い哲学的な作品のような気もした。新種のセカイ系のような印象もあった。
2016年アニメ映画『聲の形』も放映されるようになる。
アニメ映画版の方は自分は観ていないが、漫画版がよく出来てるのでそちらを薦めておきたい。
個人的に、2010年代に活躍した漫画家の中で選りすぐりの天才は?
と問われたら、作者の大今良時さんは確実に上位にくる。
吾峠呼さん一位でこの人二位にしちゃうのが妥当か?
それぐらい凄い作家だと思った。
あと、これの後の作品『不滅のあなたへ。』は当ブログで紹介したことがあるので、そちらも見てもらいたい。
2013年:ローゼンメイデン 第2部
謎の天才人形師が作った7つのドールを巡る物語。
主人公の桜田ジュンは高校で不登校になった引きこもりだったが、
「まきますか まきませんか」と書かれた怪しげなダイレクトメールが届く。
そこで「まきます」と答えたら、革製の大きな鞄が届いた。
そこに入っていた「ローゼンメイデン第5ドール 真紅」と出会い、
7つのドール達が挑む「アリスゲーム」の運命に巻き込まれていくことになるが・・・
以上は第1部の話であって、
第2部は「まきません」と答えた方の桜田ジュンの話。
そっちの世界線のジュンは真紅と出会うことなく、
高校は退学したが、高卒認定試験の合格から大学に通うようになり、
本屋のバイトをしながら生活するようになる。
悩みながらも普通の生活をしていたが、ある日『少女のつくり方』という雑誌と出会い、時間をかけてできたのはローゼンメイデンシリーズの真紅のレプリカだった。
こうしてジュンはまたローゼンメイデンドールの世界と関わるようになる。
最終的に第1部の世界線の桜田ジュンとも関わるようになり・・・
スピリチュアル度:★★★★☆
楽しさ:★★★☆☆
漫画家ユニットPEACH-PITの代表作。
スピリチュアル度の高い作品といったらコレ。
謎の天才人形師「ローゼン」のドールを巡る物語。
ローゼンメイデンシリーズはニコニコ動画を観ていた人なら必ずどこかでキャラクターを見たことがあると思う。
ゴシックデザインのドール・・・無意識に潜む少女のようでもあり、これほどに「アニマ」を連想させるキャラクター達は、他になかなかいない。
無意識とゴシックデザインを組み合わせるのは王道なので普通に相性が良く、そこに直球で挑むことができる作家はなかなかいない。
第2部は大学生となった主人公が登場。
ジュンは「繊細な性格の主人公」としてなかなか良い奴で、バイト生活模様から自分のやるべきことに打ち込む様子などがリアルに描かれている。
何かの衝動に駆られたように黙々と人形を作り続けるシーンはなかなか胸に響く。
第1部とは違った面白さがあるのも大変良かった。
2013年:<物語>シリーズセカンドシーズン
説明不要か? 天才作家・西尾維新の送る学園モノ怪異ファンタジー。
ある日突然、吸血鬼と出会ってとんでもない目に合ってから、
色んな怪異と関わるようになっていった阿良々木暦は、
ヒロイン達とまた新たな怪異と関わっていく・・・
「化物語」シリーズの続編となるセカンドシーズン。
◆化物語とは (バケモノガタリとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★☆☆
楽しさ:★★★★☆
もはや説明不要だろうか?
西尾維新による『化物語』シリーズである。
西尾維新は個人的には・・・小説だと『クビキリ・サイクル』を読んだことある程度で、
あとは『化物語』に関しては図書館で借りて一気に読んだことがあるが、
他はアニメとか漫画とかになった作品を読んでる程度なので、そこまで西尾維新通ではないかもしれない。
けど、西尾維新の魅力はすごく分かる気がする。
この人も「人とそうでないもの」を描くことに長けた天才作家で、化物語シリーズもそんな感じである。
その続きが観たい人だったら、セカンドシーズンも観ると良いと思う。
2014年:Fate/stay night [Unlimited Blade Works]
元は2004年に同人サークルTYPE-MOONが発売したビジュアルノベルゲーム。
当初はパソコンのみで稼働する成人向けゲームというかなりコア向けの作品だったが、
年月が経っていよいよアニメ化。
7人の魔術師が7人の英霊を召喚し戦う「聖杯戦争」が開幕する!
◆Fate/stay night [Unlimited Blade Works]とは (フェイトステイナイトアンリミテッドブレイドワークスとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★☆☆☆
楽しさ:★★★☆☆
同人サークル『TYPE-MOON』で作られたFateシリーズの発端で、そのアニメ化である。
まず、TYPE-MOONといったら、グラフィッカーの武内崇やシナリオライター奈須きのこなどが結成して2000年頃から活躍したサークルとして有名である。
そもそも同人ゲーム界隈では、同人サークルでのゲーム制作から、商業として自立することに成功した三大成功者みたいなのがいた。
『東方Project』の神主ZUN。
『ひぐらしのなく頃に』の竜騎士07。
そして、『月姫』や『Fate』を作ったサークルTYPE-MOONである。これは4人で設立されたサークルだが、
シナリオライターの奈須きのこは実質、その柱みたいなものになるだろう。
そんな有名なFateシリーズのアニメだが、個人的な感想としては・・・
最後まで観たけど、まぁ好きってほどでもないかな。・・・ぐらいのものである。
もちろんアツいバトルものなのでそれなりに楽しめるが、好みかというと怪しい。そんな感じの評価である。
ちなみに、魔術とかオカルト界隈的にも奈須きのこの作品はちょっと重要かもしれない。
奈須きのこといったら「魔術師」ってワードをオタク界隈で使って、魔術をエンタメ化した主犯みたいな人物である。
TYPE-MOON系の作品は「魔術」や「魔術師」の類の概念が登場して、その設定がかなりよく作り込まれている。
中には「魔術回路」と呼ばれる設定などが凝っていて、リアル派の人にとっても「なるほど。」と思える一方で、
「まぁエンタメだよね。」みたいな解釈もチラホラある。
自分の考察だと、奈須きのこには法則的な特徴があって、「西洋ネタに凝るとエンタメよりになり、東洋ネタに凝るとちょっと本格的なオカルトよりになる」みたいになってると思う。
奈須きのこは『空の境界』という小説も有名で、これも『月姫』や『Fate』と同じ世界観で魔術が登場する。
自分はそちらも読んでいたが、これは東洋ネタに凝っていたので割と好きである。スピリチュアル度もこっちのが高いと思う。
とりあえず奈須きのこの作品だとこれが一番好きかもしれない。
(他に奈須きのこの作品はコミカライズされた『月姫』ぐらいしか読んだことないけど・・・)
2015年:ローリング☆ガールズ
「地方自治をめぐる『東京大決戦』の終結から10年がたち、都道府県がすべて独立国家となった列島」
・・・以上は公式からの説明文だが、何言ってるかよく分からないと思う・・・
つまり、なんかよく分からない大決戦が起きた後、「所沢」「東京」「愛知」「三重」「京都」「広島」「岡山」といった主要都市がそれぞれなんやかんやで独立して色濃い存在となった日本が舞台。
主人公・森友望未は至って普通の女子高生だが、3人の仲間と共に各地をバイクで駆け巡り、負傷した姉の代わりに平和請負人としての依頼を受けて問題解決のために奮闘することになる。
◆ローリング☆ガールズとは (ローリングガールズとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★☆☆☆
楽しさ:★★★★★
そもそもの設定が割とギャグみたいなこともあって、基本的になんでもありみたいなギャグ展開ばかりの脚本だけど、ストーリーは良くて面白い。
神秘性とかその辺があるって感じではないが、みんなで和気あいあいとする日本を描いた八百万感はあるし、住んでいる自治体をコミュニティとして過ごしている日本の姿はなかなか面白い。
脚本は割とギャグ気味だが、とても温かさを感じるストーリーで大変良く、なんかまた観たくなるので、自分的にはかなり評価が高い方。
なにやら異常に戦闘力の高い「モサ」と呼ばれる者がいるのと、
そうでもない「モブ」と呼ばれる普通の人の二種が出てくる世界観なのも面白い。
天才と凡才が色濃く描かれるみたいなノリもZ世代感があって好きである。
ロックが主題でもあるこの作品で特徴的なのは、1985年結成の日本のロックバンド『THE BLUE HEARTS』の曲が頻繁に盛り込まれていることである。
何を隠そう、自分(Raimu)は大学時代にブルーハーツに興味を持ったので、割と好きな曲である。
あと、タイトルの「ローリング」は、実際に存在したイギリスのロックバンド『The Rolling Stones』が元ネタにもなってるらしい。
これはよく知らないけど、ロックが良いものなのは分かった。
OPもそんな感じで、ブルーハーツの曲をリメイクしている。
可愛い。元気出る。好き。
2015年:境界のRINNE
漫画界のレジェンド・高橋留美子による2010年付近の最新作。
2008年に完結した『犬夜叉』に続く新作であり、
2009年から2018年まではこれが週刊少年サンデーにて連載されていた。
『犬夜叉』はややサヴァイブ系よりのダークファンタジー風だったが、
今回は割とラブコメよりで大分ユルい感じになった。
貧乏な死神(人間と混血)の少年・六道りんねと、幽霊が見える高校生の少女・真宮桜が、学園内の心霊相談をなんやかんやで解決しつつ、退魔師やら悪魔やら、死神界の連中も色々出てきて、これまたなんやかんやでハチャメチャが起きるラブコメディ。
◆境界のRINNEとは (キョウカイノリンネとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★☆☆
楽しさ:★★★★★
ニコニコ動画で一話無料。
今でも見れるらしい。
高橋留美子作品はこれまでちゃんと見たことがなかったが、
一話の掴みよし、OPよし、キャラクターよし、雰囲気よし。完全に惚れてしまった。
高橋留美子はこれまでの経歴から、日常系ラブコメとサヴァイヴ系が両方描ける(けど日常系のが好きそう)作家で、
今回は日常系ラブコメに専念したという感じ。
なんか「悪役なんだけどすごく悪いような奴」が基本的に出てこない作りになっている。
途中から主人公りんねの父親が出てきて、これがもうとにかくクズみたいに駄目な奴なんだが、
あんまり悪役らしい悪役という扱いではない。
心霊相談ものなので割と簡単に人が死んでるっちゃ死んでるのだが・・・
なんだろう。ノリがコメディだし、幽霊として普通に出てきてるからあんまり悲壮感がない。
これぞ「るーみっくワールド」という感じである。
高橋留美子は妖怪を描けるラブコメ作家として一流の人でもあり、
そんな人が描く「和」の境地というやつだろうというのが分かる。
本当に、日本の漫画界でレジェンドを作っているすごい人だと思う。
2015年:Charlotte(シャーロット)
主人公の乙坂有宇は、何故か「他人の体を5秒だけ乗っ取る能力」に目覚めた。
彼はその能力を悪用して名門校に首席で入学。そのままエリート街道を行く予定だったが、同じように能力を持った友利奈緒と高城丈士朗が表れ、その能力を見破られる。
そもそも、思春期の少年少女のごく一部に「特殊能力」が発症することが分かった。
友利奈緒はそうした能力者を集めた「星ノ海学園」の生徒会長であり、乙坂有宇もそこに入学して生徒会に入るように命令される。
そんな生徒会メンバー達と共に能力者が起こす問題を解決することになった主人公だが、
次第にとんでもない運命に巻き込まれることになっていく・・・
◆Charlotte(アニメ)とは (シャーロットとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★☆☆☆
楽しさ:★★★☆☆
とりあえず一話の掴みがバッチリな作品だった。
ニコニコ動画で今でも一話は観れるっぽい。
主人公の乙坂有宇はめちゃくちゃエゴの強い人間くさい奴。
そんな奴が調子に乗ってたけど、突然出てきたヒロインの友利奈緒に見つかって、半ば強制的にメイン舞台の「星ノ海学園」に連行される所が一話で描かれている。
しばらくは能力者の問題解決に向かう学園日常モノが続いていたが、
だんだんととてつもない運命に巻き込まれるようになり・・・
星ノ海学園設立の真相にも迫っていく・・・
一話では調子に乗ってた主人公もえげつない目に合うようになったりで大変で、
終盤では怒涛の展開の連続になってくる。
この作品を通してみた自分の感想として「作者はかなり極端な話が好きな人だな・・・」というのがあったが、
脚本と音楽を担当しているのは麻枝准という人で・・・どうやらこの人が只者ではない。シナリオライター・作詞・作曲をこなす多才なクリエイターで、ゲームブランドKeyに所属している天才的な大物らしい。
ゲームだと『Kanon』や『リトルバスターズ!』で有名だし、
アニメだと『Angel Beats!』で有名である。
OP音楽も担当していて、とくに『Charlotte』のOPは途中で変調する特殊な感じがすごく良い。
自分がめちゃくちゃ好きなOPである。
『Angel Beats!』のOPも大変美しく、近い特徴がある。
音楽のスピリチュアル度に関してはかなり高得点かもしれない・・・
オタク界隈でこの曲がめちゃくちゃ人気が出ていたのも納得である。
あと、この『Charlotte』や『Angel Beats!』は、実は『凪のあすから』とも共通点があって、
美術監督として東地和生という人が携わっているのである。
この人が作る美術作品もなかなかすごいので、気になる人はチェックしてみよう。
◆東地和生 KazukiHigashiji(@Higashiji)さん / Twitter
2016年:Occultic;Nine オルカティック・ナイン
主人公の我聞悠太は、まとめブログ「キリキリバサラ」の管理人。そのブログの内容は、胡散臭いオカルトネタを「バッサリと斬り斬りしちゃう」みたいなコンセプトで、そんなバッシングネタでアクセス数を増やして広告収入で稼ごうと企んでいた。
そんなアンチオカルトな主人公だが、なんだかすごくオカルトな奴らと関わるようになり・・・有名女子高生占い師と知り合ったり、オカルト肯定派の科学者へインタビューしに行ったり、黒魔術代行業を行う少女の所に行ったり・・・・だんだんととんでもないことに巻き込まれるようになっていく・・・
一方で、オカルト的に謎な事件が最近起きていて、その捜査をしている刑事もいた。
オカルトネタ満載のスーパーサスペンス!
◆Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-とは (オカルティックナインとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★★☆
楽しさ:★★★☆☆
いかにもオカルトっぽいタイトルの作品がやってきた!
主人公はテンションの高いギャグキャラっぽく、そんな感じのテンションで続いていくが、
情報量多め、怒涛の展開がガンガン来る感じで楽しめる作品。
期待を裏切らないオカルトネタの量で、シナリオも作り込まれていて良い感じに楽しむことができた。
元はライトノベルで、作者は志倉千代丸という人。
あの『シュタインズゲート』の原作者でもある。確かにノリが似ている気もする。
2017年:メイドインアビス
もはや説明不要の有名アニメか?
底が分からない謎の巨大な縦穴「アビス」がある世界。
アビスには不思議で危険な生物がたくさん生息しており、そこに潜ることは非常に危険だが、「アビスの遺産」と呼ばれる非常に不思議で便利な道具が見つかることもあり、「探掘家」と呼ばれる者達が幾度となくそこに挑んだ。
アビスの周りに作られた街「オース」も探掘家の街として賑わった。
主人公のリコはオースにある孤児院で探掘家見習いとして過ごしていて、母親は伝説級の探掘家だった。母親の後を追って探掘家を夢見ていたが・・・ある日、記憶喪失の謎の少年レグと出会うことをきっかけに、ついにアビスに潜る決心をする。
スピリチュアル度:★★★★☆
楽しさ:★★★★☆
言わずと知られた有名作品。
作者のつくしあきひとは長いことゲーム会社にいた人だったが、
漫画を描いたらとんでもない才能を持っていた!
自分は個人的にゲームっぽく可愛いものと、その中で意味のある気味の悪さを持ったものが大好物なので、好きになるに決まってる作品だった。
山田玲人のヤングサンデーで、森川ジョージ(『はじめの一歩』作者)がメイドインアビスに物申すやつが面白い。
でも実は自分が観たのは放映時より結構あとだったりする。
Amazonプライム会員なら全部観れるので観てみよう。
2017年:正解するカド
舞台は我々が住んでるのと同じ日本。時代も同じぐらい。
突如として1辺が2キロメートルを超す謎の超巨大な正立方体が出現した。なんだかすごくフラクタルで不思議な形をしている。羽田空港の滑走路にそんなのが出現した。
偶然にもその近くにいた外務省の凄腕の交渉官・真道幸路朗はそれを目撃し、その中に取り込まれてしまう。そして、立方体上部に「ヤハクィザシュニナ」と名乗る人型の存在が表れる。
謎の来訪者登場により、真道幸路朗は交渉官としての仕事を開始する。
ヤハクィザシュニナは「異方」から来たと言い、侵略をしにきたわけではないことを説明する。
そして、人類の科学では到底成しえないようなとてつもない道具の提供を始め、日本のみならず世界に衝撃を与えることになる。
果たして世界はどうなってしまうのだろうか・・・?
◆正解するカドとは (セイカイスルカドとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★★★
楽しさ:★★☆☆☆
飛んでないけど未確認物体(unidentified object:UO)が突如日本に出現。
そこから謎の人型宇宙人みたいなのが出てきて、日本の交渉官がそれに挑む。
そんなシナリオもなかなか面白そうだが、とにかく・・・
フラクタル図形が格好良い。
フラクタル図形が格好良い。
フラクタル図形が格好良い!
・・・と、自分みたいな理系人間にとっては魂が震えて仕方ない。
外務省のエリートや総理大臣がやたらと優秀な人物として活躍するので、
思想的には右よりって感じがあるか?
「未知との遭遇」がなかなか壮大な雰囲気で作られていて、
この先はどうなるんだ?と先が気になる展開ばかりだが、
実は終盤の展開がちょっと残念なことにもなる。
詳しくは言わないけど、友人も「あちゃー」って感じの感想なのを聞いた。
ちょっと番狂わせな所はあったものの、音楽も雰囲気もよく出来ているし、
フラクタル図形を映像の中に入れて異方を表現した、凄い画期的なアニメだったことは確かである。
2017年:宝石の国
人類の文明が滅んで数千年は経っているような世界の話・・・
何故か宝石の体を持つ人型の生物達が存在し、「金剛先生」と呼ばれる住職の格好をした者を主として暮らしていた。
時々、「月人」と呼ばれる月から襲来して宝石達をさらってくる略奪者がやってくるが、宝石達はそれらと戦いながらも平和に暮らしていた。
主人公のフォスフォフィライトは、宝石達の中でも格段に脆くて戦いに向いていない。そのうえ不器用なため何も仕事ができない。しかし、向上心と自己肯定感はひたすら高い元気な問題児だった。
フォスフォフィライトは、同じく問題児であるシンシャ・・・体から毒液が出る体質のため離れて暮らさざるを得ない宝石・・・のことを気にかけていた。
ある日、フォスフォフィライトはシンシャの役割を探すように決意する。
この世界の生命達はどうやってできたのか? 月からやってくる月人は何が目的なのか? その正体は? そして、主として君臨している金剛先生も何者なのか?
謎の多い中繰り広げられる、不思議世界ファンタジー。
◆宝石の国とは (ホウセキノクニとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★★☆
楽しさ:★★★★☆
非常に美しく独創的な作品がアニメ化した!
既存のどの作品にも当てはまらない異端なファンタジーで説明が難しいが、
宝石達が可愛いくて楽しいので観ていて飽きないし、
とにかくなんだか「とても美しい作品」ということで一気に惹かれた。
実際観てみないと面白さは分からんかもしれないけど、
公式動画の「すぐわかる『宝石の国』」がよくできてるからそれを観れば良いか?
面白くて原作も買うことにしたし、アニメの続きも漫画で追うことにしたが、
色合いが重要な作品なので、もともとかなりアニメ化向きだったかもしれない。
続きのアニメ化も期待したい。
2018年:プラネット・ウィズ
主人公の黒井宗矢は記憶をなくした高校生。
気がつくと、ゴスロリ姿の黒井銀子と、猫のような姿をした「先生」と呼ばれる者と暮らしていた。
一方で、世界各地で「ネビュラウェポン」と呼ばれる正体不明の巨大な敵っぽいものが出現する。
そして、7人のヒーロー「グランドパラディン」がそれと変身して戦っている。
宗矢もそうした戦いに巻き込まれることになるが、何故かヒーロー側のグランドパラディン達と戦うように指示される。
宗矢、ネビュラウェポン、グランドパラディン・・・それぞれの正体は何なのか?
やがて宗矢は自分の記憶を取り戻すようになるが・・・
◆プラネット・ウィズとは (プラネットウィズとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★★☆
楽しさ:★★★★☆
この作品の作者は漫画家の水上悟志という人。
けっこう前から漫画家として活躍してた人で、自分もとてもファンだった中、新規アニメ制作プロジェクト始動!の告知が出たので、観るしかない!ということで観た作品。
この人は割とスピリチュアルな作品を描いてるような特徴があり、スピリチュアルやらオカルトやらが好きそうな人である。(ちなみに結婚してて、奥さんもスピリチュアル好きっぽそう。)
そして、今回のこの作品は特にそれっぽいネタがかなりある。
主人公がオカルトサークルに入ったり、「シリウス」とか呼ばれる世界が出てきたり・・・・
この作品をオススメしたいというのもあるが、水上悟志の漫画をオススメしたい!
『スピリット・サークル』は6巻ぐらいで終わる代表作っぽい感じなのでまずはこれがオススメである。
初の長編作品『戦国妖狐』もオススメだし、
初のヒット作品『惑星のさみだれ』もオススメである。
現在は『水上悟志のまんが左道』とかも出しつつ、
『最果てのソルテ』を連載中。
水上先生の今後のご活躍を期待します!
2018年:ゆるキャン
一人キャンプが好きな女子高生・志摩リンは、同じ高校の生徒・各務原なでしこをキャンプ中に助ける。
そこからなんやかんやとみんなでキャンプするようになる。
◆ゆるキャン△とは (ユルキャンとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:?
楽しさ:?
ちなみにこのアニメ・・・自分は観てません。
この記事唯一の観てないアニメとしよう・・・
山田玲司氏による考察が気になったので取り上げたくなった。
Z世代についての考察がメインの切り抜き動画だが、
3:50あたりからが『けものフレンズ』、
4:30あたりからが『ゆるキャン』の話になる。
『けものフレンズ』は代表的な「日常系(空気系)」みたいな作品で、肯定ばかりのユートピアな世界で、それは悲惨な時代を生きる若者にとっての「避難所」のようでもあった。
それが『ゆるキャン』になって、とりあえず外に出るようになる・・・ということで、
そんな「ゆるやかな外(リアル)との接続」は良しとしたい、みたいな話だった。
これは自分も本当にその通りな気がするので、この作品を推しておきたいと思う。
ちなみに、『まんがタイムきらら』連載作品の売上ランキングだと、
『けいおん!』を越えてぶっちぎりの一位らしい。
(2023.01時点のだいたいの数)
1位 ゆるキャン△(14巻) 700万部
2位 けいおん!(6巻) 335万部
3位 NEW GAME(11巻) 320万部
4位 がっこうぐらし(12巻) 280万部
5位 キルミーベイベー(10巻) 180万部
6位 ひだまりスケッチ(7巻) 80万部
『「オタクとは何か?」問題についてちゃんと書く④ ~2013年から2019年のオタク界隈~』で紹介しても良かったかもしれない・・・
2019年:BEASTARS
そこは肉食動物と草食動物が人型化したような、知性ある「獣人」のような者達が住む世界。
肉食動物と草食動物が混じるその世界は、その本能によるトラブルも付きものであったが、法律による統治を上手くやること維持されてる社会になっていた。
大型の肉食動物オオカミである主人公のレゴシは、全寮制の学校「チェリートン学園」の生徒で演劇部に所属している。
ある日、学内で肉食動物が草食動物の生徒を襲ってしまう「食殺事件」が起きてしまう。しかも被害者は演劇部の生徒だった。
さらにその後、レゴシはか弱い草食動物であるウサギに恋をするようにもなり・・・オオカミである立場から色々悩むようになる。
演劇部のエースで草食動物のカリスマ的な存在、赤鹿のルイ先輩とも仲良くなり、だんだんと相棒関係みたいにもなっていく。
次第に、レゴシは肉食動物と草食動物の因縁の争いにも巻き込まれるようになっていき・・・
◆BEASTARSとは (ビースターズとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★☆☆
楽しさ:★★★☆☆
割と珍しい独自の世界観が構築されている動物ネタ作品。
アニマンダラの人から「面白いよ。」と言われていたので、時間ができた時にNetflixに入ってまとめて観た。
ちなみにNetflix独占配信らしいので、観るにはNetflixに一旦入らなければならない。
だからニコニコ動画では見つからなかったので2期のオープニングを載せておいた。
「動物の世界はスピリチュアルだろ」ということでスピリチュアル度は★三つ。
スピリチュアル性は十分としよう。
観てみたらおもしろくて仕方なくなり、アニメの続きも気になったので原作も購入。
以降は原作を最後まで読むことになる。
原作は漫画で、作者は板垣巴留という人。この作者の出自はなかなか珍しいことになっていて・・・あの『グラップラー刃牙』とかバキシリーズでめちゃくちゃ有名な板垣恵介氏の実の娘なのである。
いわゆる漫画家サラブレットによる作品でもあるが、父親がバキの作者だろうとあんまり関係ないぐらいの個性を持った作品が『BEASTARS』である。
まぁ、ちょっと生々しい戦いの世界の話になってくるって点では父親の作品とも共通してるのか?とも思うが・・・
女性作家なのによくあそこまで繊細な男主人公を描けるなと・・・なかなかすごさを感じる所もある。
2019年:さらざんまい
『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』『ユリ熊嵐』・・・と作っていった幾原邦彦監督の新作アニメが登場。
サッカー大好きな中学二年生の少年・矢逆一稀と、その幼馴染の陣内燕太と、何故か犯罪みたいなことをして稼いで生活している謎の転校生・久慈悠。その三人が主人公。
三人は突如現れた謎のカッパ型生命体「ケッピ」に出会い、なんやかんやで怒らせてしまい尻子玉を奪われる。
尻子玉は人間の欲望を溜め込む臓器であり、これを奪われるとカッパに変身させられてしまうのだ!
生前に執着していた欲望を満たそうとしているゾンビ、「カパゾンビ」と呼ばれる謎の怪獣みたいなのが街で出現するのだが、三人はその尻子玉を引っこ抜くように命じられる。
果たして三人はどうなってしまうのか? 人の欲望を満たす「カパゾンビ」の謎とは?
何かと謎の多い世界観だが、幾原監督らしさ満載の作品である。
スピリチュアル度:★★★☆☆
楽しさ:★★★★☆
『少女革命ウテナ』や『輪るピングドラム』の幾原邦彦監督の最新作である!
『輪るピングドラム』とかでも人の悩みとか人の業とか人の罪とか、人間の心の深層を描きながらも、
独自のノリでコミカルに表現することに長けてるのが幾原監督である。
それは「イクニワールド」と呼称されるぐらい特殊なものであるし、
今回もイクニワールド全開の作品という感じである。
『輪るピングドラム』ではかなりディープなテーマが描かれていたが、
今回は中学生同士の友情関係に重きを置きつつも、「カッパ」「尻子玉」といった概念を上手いこと使って、人の欲望や深層心理をコミカルに描いているという感じである。
そんなイクニワールドが気になる人なら観ておくと良いと思う。
『輪るピングドラム』より短くまとまってるシナリオだし見やすいかもしれない。
2019年:ブギーポップは笑わない
1998年から刊行された、伝説のライトノベルと名高い、上遠野浩平の『ブギーポップは笑わない』シリーズ。
2019年に久々にアニメ化された!
平和に暮らしているようでそこかしこに闇が潜んでいる日本。
“世界の敵”と呼ばれる存在もそこに潜んでいて、それと同時に対抗するべく存在している謎の人格もあった。それは「ブギーポップ(不気味な泡)」と呼ばれ、特定の人物に自動的に浮かび上がって二重人格のように機能する。それが浮かんでいる間は超人的な力を発揮することができて、”世界の敵”に対抗することができる。
今回は深陽学園に通う女子高生・宮下藤花にブギーポップが宿った。藤花とつきあっている竹田啓司はそのことを心配しつつも、その別人格であるブギーポップと友人みたいになる。深陽学園では女子生徒の間で都市伝説としてブギーポップの存在が噂されることもあった。
そして学園内で”世界の敵”の魔の手が動き出し不思議な事件が起きる。それに伴いブギーポップも動くことに・・・
◆ブギーポップは笑わないとは (ブギーポップハワラワナイとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
スピリチュアル度:★★★★☆
楽しさ:★★☆☆☆
2000年代よりちょっと前、エヴァンゲリオンの3年後あたりの1998年に刊行された。
その辺の時代の暗さとか魅力を良い感じに持っている名作で、
ライトノベル界隈ではブギーポップ登場前/登場後で区切られているほど、全体に影響を与えたらしい。
奈須きのこや西尾維新といった超有名人までこれに感化されたらしいし、
作品の感じからなんとなく近い要素を持っているのも分かる。
その時代はまだ「統合失調症」の名前が「精神分裂病」だった頃で、
ブギーポップシリーズはスキゾフレニアをガチで題材にしてるような本気さのある内容である。
今の時代だとこういう作品はすっかり見かけなくなったと思う。
世代的には自分(Raimu)よりもちょっと昔の作品で、
大体エヴァンゲリオンの時に中学生だった世代は、高校生でブギーポップが出てくるのでその辺がドンピシャである。
とはいえ自分もスキゾとか分裂症みたいなテーマは大好物なので、後々に興味を持って大学時代の時に小説の一巻を手に取って読んだ。
一巻完結で期待通りの面白さだった!
とはいえ、小説を読んだのはそれっきりでそれ以降はなかった。
なんだろう。すごく好きな内容なのだが、微妙な暗さがスルスルと受けつけることができないのか、小説をそこまで読まない自分を読む気にさせることがなかった。
しかし、待望のアニメ化である。
これは観ないわけにはいかない。
今回の新作アニメでは1話~3話に原作の一巻分の内容がおさまっている。
大体おもしろかったしよくできてると思った。
よくできてるとは思ったのだが・・・しかし、この3話に関してはちょっと短くまとめ過ぎたか?
なんか原作一巻をそのまま読んだ時の方が面白かったような感想があった。
4話から9話の「VSイマジネーター」シリーズはちょっと長めの話になるので、決着がつくまでちょっとじれったかった。
自分は原作を読んでないので分からなかったが、原作読了組的にはどうなんだろう?
それから、その後の話とかは好きだし、アニメでちゃんと作られたブギーポップを観ることができたということで概ね満足である。
全体的にやはり暗い印象があったが、そこが良い印象もある。
あと、音楽がよく作られていたのも良かった。
以下の曲がブギーポップの登場曲みたいでお気に入りである。
2019年:海獣の子供
ハンドボール部に所属する中学生の少女・琉花は、トラブルで夏休み早々部活禁止になってしまう。
やさぐれて水族館にいったら、そこで”海”という名前の不思議な少年と出会う。
琉花の父親によると、その子はジュゴンに育てられた特別な少年で、琉花は面倒を見ることを命じられる。
そして面倒をみているうちに、浜辺で”海”の双子の兄、”空”とも出会う。
この二人は一体何者なのか?
同時期、大海原に隕石が落ち、世界では白斑を持つ魚が光となって消える現象が多発していた。
琉花はとてつもない出来事に巻き込まれるようになっていく・・・
スピリチュアル度:★★★★★★
楽しさ:★☆☆☆☆
とりあえずアニメ紹介はこれで最後とするが・・・
最後はアニメ映画からのチョイスになる。
コロナ禍より前の時期(懐かしい)の2019年の夏頃に劇場で放映された作品である。
この作品のスピリチュアル度はぶっちぎりの高得点。
というか、ここまでやった作品は遡って探してもなかなかないと思う。
スピリチュアル界隈(というかヌーソロジー界隈)でも話題になったので観た。
なんか凄い。人間のゲシュタルトが崩壊するような表現をしているぐらいすごい。
海とかジュゴンとかクジラとか、深層心理にぶっ刺さる表現ばっかり使っててすごい。
すごいしか言えないぐらいすごい。
けど楽しさはどうだろう・・・
主人公・琉花の心情模様を追っていったり、不思議な現象が起きたりする内容で、
画風は少なくともポップな路線ではなく、一貫して絵本のようである。
当然、一貫して絵本のような表現であるからこそ、
芸術としての価値は高いとも言えると思う。
漫画原作であるので、気になる人は漫画版も読むと良いと思う。
おわりに
以上!
2010年代のアニメを色々と紹介していった。
Raimuセレクションということで、全部で22作品になった。
これら以外に観てて楽しんだアニメもあったが、
今回はスピリチュアル度を何かしら持っている作品をピックアップした。
けっこう紹介したなと思うし、これだけ観てたとは自分もなかなかのアニメオタクか?と思える所だが・・・
あくまで2012年~2019年で放映された全作品からの厳選で22作品である。
アニメだとこの100倍以上の作品(※)が世の中で作られていたことを考えると、ほとんどのアニメには興味を持ってないことにもなるので、自分は厳選されたアニメをちゃんと観ておきたい程度で、そこまでアニメオタクでもない気がしてるのだが、どうだろうか?
(※一年間で制作されるアニメの数は200以上はあるため、そこまで膨張した数字ではない)
以下のように世間ではいつも大量のアニメ作品が作られているので、その中で選りすぐりの良い作品を見つけるのも大変である。
最近は「よっぽど面白いアニメしかみない」のスタンスが一層定着しているため、
昔と比べるとアニメを観る頻度も減っているかもしれない・・・
・・・とはいったものの、2020年から先もピックアップしたいアニメはあるし、
今後も面白いものがあったら観ていきたいので、
2020年代の日本のアニメがどうなるのかも注目していきたいと思う。