ヒカルランド社より新しく出た『ワンネスは2つある』。
川瀬統心さんが書いた待望のヌーソロジー本。
一通り読み終わったので、せっかくなのでレビューがてら感想を書きます。
1997年頃から続いているヌーソロジーですが、
商業出版で半田さん以外がヌースを説明するのはこれが初めて。
半田さんが書くと何故かやたらと本が分厚くなりがちだし、
他所からの視点というのも必要なので、
長らく望まれていたことだけど、ようやくここまで来たか・・・という感じです。
分かりやすさ、面白さを重視する川瀬統心さんなだけあって、前半はヌースな話というかは、個人的な体験談や人類史の話が多い。
1980年代の信仰宗教ブームの話とかありますが、自分ぐらいの世代だと、ほとんど生まれてないのでそういうものだったの?という感覚ですが、分かる人も多そうです。
過剰な科学批判や医療批判をする人たちというのもそうした中で出てくるようになります。
しかし、信仰宗教や精神世界ブームもオウムのテロ事件で一気にダメになってしまったから、今度は現世利益で「儲かれば正義」という拝金教の流れに・・・
そして、宗教にせよ拝金教にせよ、みんな1%の成功体験を追い求めるものだから、失敗する人のことを考えておらず、
そもそも、拝金ビジネスも、1%ぐらいの少数の人にしか金が集まらないような仕組みになってるため、失敗する99%の方が現実。
・・・といった、宗教、ビジネスあるあるで勉強になる内容もしばしば書かれてます。
その他、一神教の性質や、そこかしこに難しめの内容も散らばっていますが、
自分が特に気に入ったのは、人類史とキリスト教を絡めた話。
西暦0年以前から始まる人類史において、『前・キリスト期』『従・キリスト期』『脱・キリスト期』『反・キリスト期』『超・キリスト期』・・・といった区分けをすることができて、
かつ、これは特定の人の人生にも表れることがあるという話。
「キリスト教」というのは一神教の在り方の代表で、宗教や信仰の在り方の全般にそういうのが当てはまる。
この辺は個人の生き方にも関わってていて、自分はどの時期を生きてることが多かったか?というテーマは、自分を見つめなおす指標にもなる所です。
後半の章になって、ようやくヌーソロジーの本論へと入ります。
やはりヌーソロジー本論ということで、ここで一気に難しくなるので、人によっては集中して読むなり、何度も読むなりが必要になりそうです。
ただ、難しいヌース用語がどんどん出てくるというのは避けていて、ちゃんと分かるように配慮はされています。
それでいて、「対称性」という幾何学的な構造を押さえているため、しっかりとヌースな内容でもあります。
なかなか難しい所でもあるので、情報が足りない場合は、自分が書いた入門部分なども参照して欲しい所です。
◆「トランスフォーマー型ゲシュタルト・ベーシックプログラム・オマージュ」
川瀬さんによるヌーソロジーの説明では、「別のモノの到来」という所が強調されています。
ユングとも親和性が高い内容なため自分もよく分かりますが、それは自分の中から目覚めるようなものでもあります。
難しい構造の話もありますが、要は「それ」とどう付き合っていくか?というのも、具体的なテーマとなってくる所でしょう。
以上、適度な値段で適度なページ数ですが、
内容が凝縮されているようにボリュームがあって、読んでて面白かったです。
よくまとめてくださったという内容でした。