不定期連載『サイキックの研究と分析』シリーズ。 記事一覧はこちら。
◆◇魔術について◆◇
超能力とは何か?と近いテーマにあるのは「魔術」とは何か?というものです。
「魔術」とは、英語の「magic」に該当するものであり、
これは「魔法」や「呪術」と訳されることもあります。
ある特定のジャンルを指して「西洋魔術」と呼ばれることもあります。
具体的にどういった体系・言い伝えのものを「魔術」と呼ぶのか?
これは「魔術」という言葉の定義の仕方次第で扱いが異なるものであるため、
「魔術とは何か?」については諸説あります。
これについては、自分の書いたKindle本『リアル魔法使い研究』のメインテーマでもあるため、
そちらにも結構書きました。
とりあえず、先の本にも書かれていることを書いていくと、
西洋の魔術の起源は超能力の起源でもあるので、さかのぼるとやはりエジプトとかに行き着きます。
前にも書いた通り「エジプト⇒ギリシャ⇒ヨーロッパ⇒イギリス・アメリカ」のルートが濃厚なものです。
それらの文化によって「西洋魔術」が形成されており、それが現代にも残っているわけです。
19世紀末頃のイギリスにあった『黄金の夜明け団』という魔術結社が有名であり、
「魔術」と聞くとその辺のイメージを指して扱う人は多いです。
他にも、1970年代後半頃のイギリスで出てきた『ケイオスマジック(混沌魔術)』というジャンルもあります。
この辺は、Wikipediaで調べるだけでも、そこそこ情報が出てきます。
さて、「魔術」自体は18世紀あたりでも影で盛り上がっていたもので、
18世紀のフランスに「近代魔術の祖」と呼ばれるエリファス・レヴィという人物がいます。
この人は当時の西洋に散らばっていたカバラ、錬金術、ヘルメス学、キリスト教神秘主義、古代の密儀、タロット、儀式魔術・・・などの研究を行い、
それらを「魔術」の名の下に統括しようとしました。
この「近代魔術の祖」であるレヴィは、魔術について以下のように言いました。
・魔術とは、賢者の時代から伝承されてきた自然の秘密を扱う伝統的科学である
そして、こうしたレヴィの築き上げたものが、
後世の『黄金の夜明け団』にも大きな影響を与えることになるわけです。
『黄金の夜明け団』の創始メンバーである「マグレガー・メイザーズ」は、
魔術について以下のように言いました。
・魔術とは、自然の秘密の諸力を制御する科学である
また、黄金の夜明け団の参入メンバーであり、
西洋魔術における超有名人物である「アレイスター・クロウリー」は以下のように言いました。
・魔術とは、意志に応じて変化を生ぜしめる学にして術である
同じく、参入メンバーとして有名な「ダイアン・フォーチュン」は以下のように言いました。
・魔法とは思うままに意識の中に変革を引き起こす技術
・・・と、このように、西洋魔術の扱いは人によって異なることもあり、
魔術とは何か?というのにも諸説ありますが、
「超心理学」のように、「意識」を中心とする術として捉えると、
クロウリーやフォーチュンが言ったものに近いことになります。
つまり、西洋にある「魔術」においても「意識を変える」ことが主なテーマにあり、
「リアルな魔術」というと、主に意識に働きかけて、自身を変革させたり、願望を達成すること・・・ということになります。
手からエネルギー弾を出すような魔術は残念ながら出てこない。
・・・・まぁ、「意識におけるエネルギー弾」とかだったら可能かな?
こういう作品の中にはいくらかリアリティが追求されてることもあるのでそれはそれとして・・・
このように、西洋に実際にあった「魔術」と、現代科学とが交差することによって、
現代的な「超能力」のイメージが出来上がることになるわけです。
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