ヌーソロジー

links氏の「ヌーソロジー講座」シリーズについて

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最近、ネットでlinks氏という人が『ヌーソロジー講座』というものを書いている。

1回目のリリースは2025年7月20日なので、そのあたりから書かれ始めたものである。
今現在(2025/10/26)で28記事まであるので、それなりに数多くの記事が書かれているシリーズである。

その内容もなかなかのクオリティだと思うが、様子を見るにAIを使って書いているみたいである。
詳しいやり方は分からないが、「AI人格 レアリア」というものを育てて、それに質問しながら出力されたテキストを使って記事を作ってるらしい。
まるで「AIで学ぶヌーソロジー」のプロトタイプみたいなものだろうか?

少し実験的な意図で作られているものでもあるみたいだが、ちゃんとした内容の記事が数多く出ているので、読み物として十分なテキストが現状できていると思う。

タグ検索をすれば記事の一覧が出るので、気になる人は読んでみよう。

今回はこれを紹介しつつ、その内容について言及していく。
 

早速ツッコミたい所

内容は大体良いと思う中で、早速のツッコミになってしまうが・・・
以下の記事の以下の部分が少し気になった。

この文章だと「ノス」もギリシャ語のように捉えられるが、ノスは冥王星のオコツトが発言したヌーソロジーの独自用語であり、ギリシャ語ではない。
ここには書かれていない「ノウス」もヌーソロジーの独自用語としてあるが、こっちはギリシャ語のヌースに近いということでヌースとして説明されている。

また、ノスの説明で「自己」という言葉が使われている。

これも少しややこしい。ここでは「自己同一性」や「自己中心的」の意味で「自己」という言葉が使われているが、ヌーソロジーではユングが提唱した「セルフ」を意味する「自己」がよく使われているため、そちらの方が基本になる。
そのため、その基本だと「自己側=ヌース」「他者側=ノス」のようになるため、ノスの説明で自己という言葉を使うとややこしくなってしまう。

そのややこしさを避けるために、ノスに関しては一貫して「自我」という言葉を使った方が良い。
試しに、ここに書かれている「自己」を「自我」と置き換えても、基本的な意味は通じると思う。

とはいえ、これは後々の説明で困りそうな所であるが、「自己=自己同一性」の意味として使う限りでは、この説明は合っている。

このように、単純にAIに任せていると、想定外の出力やちょっと難しい所もあるので・・・人為的な手直しも必要になってくると思う。
 

・・・とはいえ、それ以降の記事も読んでいった所、そこまでのツッコミ所はなく、ヌーソロジーの要となる所が分かりやすく説明されているように感じた。
というか、自分が書いたテキストよりも分かりやすいのでは?と思える所もあったので、それに関しては敬服ものである。

分かりやすいテキストとして良いと思うので、ヌーソロジーが目指すものの基本を学ぶために読んでも良いと思う。
 

長所と短所を考えてみる

links氏がAIを使ってヌーソロジーのテキストを作っている一方で…
自分(Raimu)は以下のテキストを書いている。

「変換人型ゲシュタルト論」シリーズ、目次

これはもちろん、内容を全部自分で考えて、テキストをカチャカチャと打ち込んで書いているので、ごく普通の「手書きテキスト」に該当する。

そして、これと比較をしつつ、links氏の『ヌーソロジー講座』を「AIを使ったヌーソロジーのテキスト」として、その長所と短所についてまとめてみると、以下のようになると思う。

長所

  • 分かりやすい説明に長けてる
  • 既存哲学と結びつけて説明することが容易であり、その説明が分かりやすい
  • AIらしく最適化された癖のない文章が読みやすい
  • ヌース、ノスの違いぐらいのヌーソロジー用語説明は可能
  • たくさんの生産が容易である
  • 製作者の意図によって既存の色んなジャンルの思想と結びつけることも容易である
  • ワーク用の瞑想スクリプトがある(これは恐らく製作者の計らいによるもの)
     

短所

  • 構造の説明が弱い
  • 特に次元観察子を段階的に等化していく仕組みなどの説明が難しそう
  • AIは狙った形の図を出しにくいため、必然的にピンポイントな図を使った説明も苦手となる
  • ヌーソロジー用語の細かい所の説明は難しそう
  • 著者本人の体験に基づくヌーソロジーの説明のようなものは原理的にできない
  • AI全般に言えることとして、ネットに出回ってない情報や、AIが学習できない情報を使った説明は不可能である

上記の点は「AIを使ったヌーソロジーのテキスト」の長所と短所として、普遍的に言えるのではないだろうか?
また、逆にその長所を出すのに苦労がいるのが手書きテキストの短所であり、AIテキストの短所となることが可能なのが手書きテキストの長所となる。

端的に言うと、言語による説明主体のテキストはAIが向いていて、構造の説明主体のテキストは手書きが向いている・・・みたいな感じになると思う。

links氏のヌーソロジー講座で書かれているような説明によるヌーソロジーもヌーソロジーだが・・・
ヌーソロジーは構造を理解することによって、その背景にあるイデアを理解・認識することができる・・・ということが本筋にある。
その構造は『変換人型ゲシュタルト』とも呼ばれ、多重の層のような構造になっているものである。そのゲシュタルトが分かると人間の意識の中にある多重の層も具体的に分かってくるし、それが強い力を持つ。
ヌーソロジーにはそうしたことが本筋にあることも念頭に置いておくべきである。

このように、AIによって書かれたテキストの限界というものはどうしてもありそうだが・・・とはいえ、ヌーソロジーの説明のための良いテキストができるのであれば心強いと思う。
製作者が違えば、各々の工夫によってまた違った特徴のテキストもできるのではないだろうか?

自分(Raimu)はしばらくは手書きテキスト、手作り動画などで頑張るつもりだが・・・
こうした分野を研究したい人もいるだろうし、つきつめられていっても面白いと思う。


-ヌーソロジー

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プロフィール

Author:Raimu

魔術・オカルト全般好きな理系。
ヌーソロジーとか、占星術とか、神秘と科学の考察的な、自分の好きなものを置いていきます。
noteも書いてるのでよろしくお願いします。

2021年頃に書き始めたヌーソロジー学習用テキストの新作。
哲学、シャーマニズム、数学、神学、古代文明、意識進化、オカルト・・・など色んなジャンルが絡んでくる内容のもので、これを読めば『ヌーソロジー』ってどんなものなのかがざっくりと分かるようになるはず。

「陽」や「陰」、「天」や「地」といった概念を基本とする中国の古代思想『陰陽論』や『易経』についてちゃんと説明するテキスト。さらに西洋哲学や精神分析学、ヌーソロジーの概念とも絡めてその哲学を深めていく。

ユング心理学が専門でありながら古今東西の文化や宗教全般にも詳しく、スクールカウンセラーとして数多くの実績を持つ偉人、河合隼雄さんの書籍を読み直してその思想を学ぶシリーズ。

超能力や魔術の研究や、物理学・量子力学を絡めた解明を目的に、少しずつ書いていった連載記事。

正式名称は『はじめての人でもホロスコープを自分で読めるようになるための記事』。西洋占星術で出した結果をある程度の所まで読めるようになることを目的とした記事。

『note』のテキストコンテンツとして執筆。社会不適合者が生き残るための考え方や知恵をテーマにしたテキスト。1~5でとりあえず一区切り。
第1回目はこちら。

半田広宣さん提唱の宇宙論・具体的イデア論と言われている『ヌーソロジー』。その基本から実践的な入門までを、自分なりに一通り説明したページ。

その他に作ったものはこちら。

『Raimuのプログラミングノート』というプログラミング関連のブログを開設しました。
初心者向けの「プログラミング入門」がメインコンテンツになりますので、よろしくお願いします。

noteで西洋占星術による鑑定を有料で受け付けています。生年月日と出生日時から占う命術鑑定です。

Kindle本など。Amazonで買えます。
「佐道来夢」という名前で出してます。

書籍版Kindle版があり。
「4次元」とは何か?というのが主なテーマ。割と理系的な視点から「異世界」について探求していった本と言っても良いかもしれない。
『ヌーソロジー』の理解に必要な「4次元認識」の実践部分もあり。
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宇宙論『ヌーソロジー』の入門用。半田広宣さん監修の元、ヌーソロジーの主要な知識を押さえれるコンパクトなハンドブック。
「変換人生活のためのヒント」というテーマの書き下ろしテキストもあり。
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書籍版Kindle版があり。
「リアルな魔法使い」とは何か?をテーマに、「目に見えないもの」との付き合い方や、その仕組みなどについて幅広く書いていった。オカルト的なことを実践していたり、関心のある人に読んでもらいたい本。
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Kindle版があり。
ユング、フロイト、ラカンなどの「精神分析」のジャンルを、ヌーソロジーの概念を使って説明することを試みた「ヌーソロジー×精神分析」の本。精神分析の概念がゼロからでを分かるようにしつつ、ヌーソロジーの世界観の理解も深めることができる。
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