【連載】サイキック研究

■サイキックの研究と分析(48) ~癒着してしまうこと~

投稿日:2020年5月17日 更新日:

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◆◇癒着してしまうこと◆◇

次に『癒着してしまうこと』についてです。
「癒着」の意味は、ざっくり言うと「くっつくべきでないものがくっついてしまう」みたいなことです。

サイキックにおける「癒着」だと、
「目に見えない世界に癒着し過ぎて、目に見えない世界と物質の世界が曖昧になるし、自分と目に見えない世界の存在との境界も曖昧になる」みたいな意味になります。

サイキック的にありがちなのは、
「目に見えない世界」には例えば「幽霊」のようなのがいて、
「幽霊」みたいなのに取り付かれた時に、
自分が意識しているものが「自分の意識」なのか「幽霊の意識」なのかの判断すらつかなくなるような意識状態になる・・・とか、そんなことがあり得ます。
これもまた、サイキック的には『癒着してしまうこと』です。
こういう現象は俗に「憑依」とか「狐憑き」とか呼ばれています。

あまりにも「目に見えない世界」と癒着するように接していると、
普通の世界が見えづらくなって常識も信じられなくなってくることがあります。

それから、逆に「目に見えない世界」と癒着し過ぎることによって、
特定の存在と癒着することに満足してしまい、
「目に見えない世界」や「精神世界」が持つ深さや道理も分からなくなってくることもあります。

以上のように、「普通の世界」と「目に見えない世界」の一部しか信じられなくなってしまった場合、
早い話、人として視野が狭い人間になってしまいます。
(そもそも、癒着現象というのは、もともと視野が狭い人ほど起きやすいのですが・・・)

こうしたサイキックの弊害が、『癒着してしまうこと』です。

まぁ、そもそもサイキックというのは扱いが簡単なものではないので、
この辺はサイキックを扱うリスクみたいなものです。
サイキックの道にちゃんと入る場合は、そういったリスクがあることも踏まえておきましょう。
 

何故、「癒着してしまうこと」が起きるのか?

このような『癒着してしまうこと』は何故、起きるのでしょうか?
そもそも、サイキックを扱うにおいてまず難問となるのは「認知」の難しさです。

『認知の法則』の項で述べたように、
「サイキックはまず認知しないと分からない」からスタートします。
しかし、その認知には「ミクロ知覚」といった微細なものが絡んでくるし、
普通の人間の身体は簡単にそれを認知するようにできていないので、
ここで悪戦苦闘するようになっています。

サイキックが難しいのは、普通じゃ難しいぐらいの細かい意識を扱わなければならないからです。
認識が難しいものを無理に信じようとすると、
今度は「確信」の意識が先行してどっぷりハマってしまうこともあります。
そこで『確信の法則』の項で述べたような弊害が出てくることもあります。

それから、「波の世界」にどっぷり行き過ぎると、
常識をベースにした「善悪」の区別がつきづらくなってきます。
なぜなら、「波の世界」で起きることは「物質の世界」にある常識とは関係ないし、
むしろ相反するものである、と捉えた場合、
常識の否定までしてしまうことがあるからです。

「波の世界」にあるものが正しく、「物質の世界」にあるものは間違っている・・・
サイキックの原理的に、ある意味それは正しいのですが、
この言葉は安易に捉えてはいけません。
「波の世界」「精神世界」には、そこからもっと掘り下げるべき「哲学」や「道理」があります。

あまりそっちの世界に行き過ぎると、
常識の「善悪」が関係なくなるため、恐い状態になってしまうわけです。
特に、「常識の否定」からサイキックの道に入ろうとしている人ほど危険です。

これを防ぐためには、あくまで常識の「善悪」は忘れずにサイキックによって開いた世界を重視するか、
一般的な常識とはまったく別の価値観で「善悪」を判断するような思想や哲学を自分自身で作り上げて、
社会的にも上手くいくようにする・・・みたいな生き方が必要になります。

『癒着してしまうこと』を防ぐためには、
「波の世界」から「一旦、離れる」ような判断や、
普通の常識も正しいとしたり、一理あると考えたりする判断が必要になります。
 

「グラウンディング」の重要性

古今東西、サイキックに関わる分野では『癒着してしまうこと』がずっとあったため、
これを防ぐことはかなり重要なテーマとなっていたでしょう。

ヨガやスピリチュアルの分野でよく使われる用語に「グラウンディング」というのがあります。
これは「地」を意味する「Ground」から来ている言葉で、
「地に足をつけるための作法」という意味があります。

これはサイキック的には「波の世界」に没頭し過ぎることがないように、
「物質の世界」で健全に地に足をつけるようにする行為です。

グラウンディングの方法には様々なものがあるので、
それに関してはそれぞれの専門分野を調べていきましょう。

一例として、ヨガの技法の参考にすると、
赤い色をした第一チャクラをイメージして、そこから真下に伸びる線が地球の中心と繋がってることをイメージする・・・といったものがあります。

他には、「肉体を使う」ことが全面的にグラウンディングになるため、
土をいじることもグラウンディングになるし、
筋トレすることもグラウンディングになるし、
ストレッチもグラウンディングになるし、
武術をやるのもグラウンディングになるし、
自然の中で身体を動かすこともグラウンディングになるし、
地上で採れたものをよく食べることもグラウンディングになります。

量子論を踏まえたやり方だと、
「他者からの観測によって素粒子が物質化する」という仮説的な原理があるので、
それをあえて意識してみるのも良いでしょう。
(これについては『観測によって物質化する』の項で書きました。)

こうしたグラウンディングは「健全な自我を育成する」意義もあります。
「自我」とは「物質の世界」に定着している「自分の意識」です。
サイキックの力は強大であるために、その強大さに自分が呑まれてしまうことがあり、
それが『癒着』という状況を生み出します。
それに呑まれないためには、健全で十分な「自我」を育成しておくことも大事になります。

サイキックに必要なのは、「物質の世界」にある「自我」と、
「波の世界」にある「強大なサイキックの力」とが、
上手く付き合うように生活していくことです。

サイキックの道を健全に進んでいくためには、
以上のような「二つの世界」を生きることを踏まえていきましょう。

 
 


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