【連載】サイキック研究

■サイキックの研究と分析(11) ~量子コンピューターについて~

投稿日:2018年10月6日 更新日:

Photo_2

不定期連載『サイキックの研究と分析』シリーズ。 記事一覧はこちら。


◆◇量子コンピューターについて◆◇

量子力学の話はそろそろ終わりにしたいですが、
今度は、「量子力学の実証」の一つである「量子コンピューター」について説明します。

「量子コンピューター」というものを聞いたことはあるでしょうか?
SFとかに名前は出てくるけど、原理はよく分かってない人が多い?

「量子コンピューター」とは、まず、「量子ビット」というものが使われてるコンピューターのことを言います。
「量子ビット」とは、「量子力学」の原理が使われた機械の部品を使って作る
「0と1の信号、どちらの可能性も持った状態のもの」です。
言い換えると、0と1の「重ね合わせ」の状態のものということでもあります。

具体的には、電磁場の性質や光子の性質を利用した部品で「量子ビット」を作ります。
有名な量子コンピューターとして、GoogleやらNASAやらとも提携している
D-Wave Systemsという企業が作った「D-Waveシリーズ」というのがあり、
それには超伝導磁束回路というのが使われているらしいです。

◆D-Wave Systems – Wikipedia

Ryousibit

なんかよく分からないけど、上記の部品には128対もの「量子ビット」があるらしいです。
絶対零度マイナス273度にほぼ近い環境で回路を動かすことで超伝導状態が実現し、
それによって電流が右回りの状態か左回りの状態かで「重ね合わせ」になってる状態を作ることができます。
「シュレディンガーの猫」が生きた状態なのか死んだ状態なのか分からないように、
測定することでどちらかの状態に決定するという部品を実際に作ることができるわけです。
そういう部品を組み込んで作られたのが量子コンピューターになります。
なんだかよく分からないけど凄い。

量子ビット内蔵の量子コンピューターは、
基本的にかなりの低温環境でないと動作しないという条件を持ったりするので、
それにともなう機械の製造とセッティングが難しいものになります。
(ただし、超伝導とは違う方法を使うものや、常温で動くものも開発されてるらしいです。)

このような「量子ビット」を組み込んだコンピューターに、
特殊なアルゴニズムを与えることによって、特殊な計算をしてくれる、
普通だったら膨大な時間がかかる処理も、一瞬で答えが出てしまう・・・
単純なスピードで言うと10年かかるものは数分、
1000億年かかるものは数時間でできる勢いになり、
まさしく「次元の違う」スピードの処理速度になっています。

Ryousihyou

※『量子コンピュータ―超並列計算のからくり (ブルーバックス) 』より引用。

普通のコンピューターは
0⇒1⇒0⇒0⇒1⇒0⇒・・・⇒[答え]
という処理なのに対し、
量子コンピューターは、
0と1が重ね合わせ状態だから時間は関係ねぇ!⇒[答え]
ってな感じの処理の仕方です。
(かなり雑な説明ですけど。)

だから、普通のコンピューターの場合は、
1回の処理で0.001秒かかるとして1000兆回の処理がいる場合、1兆秒の時間がかかる・・・ということになりますが、
量子コンピューターはそうではないということです。

以上のような特殊なマシンが「量子コンピューター」です。
ただ、「計算のさせかた」や「どういう時につかうか」が非常に特殊なため、
使いどころが難しいので研究段階なものになっています。

量子コンピューターについて、
あまり突っ込んだことを書くと難しい内容になりそうなので、これくらいにしておこうと思います。
詳しく知りたい方は、とりあえず自分は以下の本を読んで学習しました。

ひとまず、ここで言いたいのは、
量子力学のような現象が実際にあって、それが量子コンピューターとして組み込まれて研究されているということです。

ちなみに、人工知能に量子コンピューターを組み込むなんていう研究もされているらしいです。
確かに、同じ機械部品として合わせて使うという発想は分かりますが、
こんなワケの分からないものを人工知能に組み込んだらどうなるか・・・は、本当に分かりません! 
 

普通のコンピューターに使われている量子力学

今度は、普通のコンピューターの話をします。

「量子力学」というと、観測とか波動とかオカルトな話にも発展しますが、
普通のコンピューターにも、半導体といった部品の中に量子力学の技術は使われています。
この辺は電気工学ようなジャンルになり、そこまで突拍子もない話にはなりません。

Handoutai

「量子ビットが使われてる量子コンピューター」だけではなく、
「普通のコンピューター」でも半導体の中などでは量子力学が使われてるわけですが、
量子コンピューターと普通のコンピューターが違うのは、
普通のコンピューターは「科学として想定できる現象」を扱っていることです。

確かに、素粒子は観測問題が出てくると予測不明のものになってきますが、
半導体の中の動きで観測されない場合、
それは波動関数で予測できる範囲内のものとなる・・・とか、難しいことが以下の本に書かれてました。

この「動きが予測可能」であったり「再現が可能」ということは、
「科学」として扱える必須条件でもあります。

このように、量子力学には、観測問題とか色々とあるけど、
やはり、「科学」として扱えるものもあり、動きが特定できる機械の部品に利用することも可能ということです。

Sdmemori

マイクロSDメモリーカードなど。この小ささで32gbとか1テラバイトとか入るけど、量子力学で解明された技術から恩恵を受けてるらしい。


 


-【連載】サイキック研究

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

■サイキックの研究と分析(25) ~テレポートは可能なのか?~

不定期連載『サイキックの研究と分析』シリーズ。 記事一覧はこちら。 ◆◇テレポートは可能なのか?◆◇

■サイキックの研究と分析(18) ~「ミクロ知覚」の方法いろいろ~

不定期連載『サイキックの研究と分析』シリーズ。 記事一覧はこちら。 ◆◇「ミクロ知覚」の方法いろいろ◆◇

■サイキックの研究と分析(13) ~量子論リテラシー~

不定期連載『サイキックの研究と分析』シリーズ。 記事一覧はこちら。 ◆◇量子論リテラシー◆◇

■サイキックの研究と分析(34) ~魔術や魔法の4大区分「術」「信」「智」「体」~

不定期連載『サイキックの研究と分析』シリーズ。 記事一覧はこちら。 ◆◇魔術や魔法の4大区分「術」「信」「智」「体」◆◇

■サイキックの研究と分析(44) ~共鳴の法則~

不定期連載『サイキックの研究と分析』シリーズ。 記事一覧はこちら。 ◆◇共鳴の法則◆◇ これまで、『贈与の法則』と『源泉の法則』について説明していきました。 基本的に、サイキックで扱う意識エネルギー的 …

プロフィール

Author:Raimu

魔術・オカルト全般好きな理系。
サイキックの研究とか、占星術とか、
神秘と科学の考察的な、自分の好きなものを置いていきます。

詳しくはこちら

2021年頃に書き始めたヌーソロジー学習用テキストの新作。
哲学、シャーマニズム、数学、神学、古代文明、意識進化、オカルト・・・など色んなジャンルが絡んでくる内容のもので、これを読めば『ヌーソロジー』ってどんなものなのかがざっくりと分かるようになるはず。

「陽」や「陰」、「天」や「地」といった概念を基本とする中国の古代思想『陰陽論』や『易経』についてちゃんと説明するテキスト。さらに西洋哲学や精神分析学、ヌーソロジーの概念とも絡めてその哲学を深めていく。

ユング心理学が専門でありながら古今東西の文化や宗教全般にも詳しく、スクールカウンセラーとして数多くの実績を持つ偉人、河合隼雄さんの書籍を読み直してその思想を学ぶシリーズ。

超能力や魔術の研究や、物理学・量子力学を絡めた解明を目的に、少しずつ書いていった連載記事。

正式名称は『はじめての人でもホロスコープを自分で読めるようになるための記事』。西洋占星術で出した結果をある程度の所まで読めるようになることを目的とした記事。

『note』のテキストコンテンツとして執筆。社会不適合者が生き残るための考え方や知恵をテーマにしたテキスト。1~5でとりあえず一区切り。
第1回目はこちら。

半田広宣さん提唱の宇宙論・具体的イデア論と言われている『ヌーソロジー』。その基本から実践的な入門までを、自分なりに一通り説明したページ。

その他に作ったものはこちら。

『Raimuのプログラミングノート』というプログラミング関連のブログを開設しました。
初心者向けの「プログラミング入門」がメインコンテンツになりますので、よろしくお願いします。

noteで西洋占星術による鑑定を有料で受け付けています。生年月日と出生日時から占う命術鑑定です。
通常コースは4000円、簡易コースは2000円にて受け付けています。

Kindle本など。Amazonで買えます。
「佐道来夢」という名前で出してます。

書籍版Kindle版があり。
「4次元」とは何か?というのが主なテーマ。割と理系的な視点から「異世界」について探求していった本と言っても良いかもしれない。
『ヌーソロジー』の理解に必要な「4次元認識」の実践部分もあり。
詳細はこちら

書籍版Kindle版があり。
宇宙論『ヌーソロジー』の入門用。半田広宣さん監修の元、ヌーソロジーの主要な知識を押さえれるコンパクトなハンドブック。
「変換人生活のためのヒント」というテーマの書き下ろしテキストもあり。
詳細はこちら

書籍版Kindle版があり。
「リアルな魔法使い」とは何か?をテーマに、「目に見えないもの」との付き合い方や、その仕組みなどについて幅広く書いていった。オカルト的なことを実践していたり、関心のある人に読んでもらいたい本。
詳細はこちら

Kindle版があり。
ユング、フロイト、ラカンなどの「精神分析」のジャンルを、ヌーソロジーの概念を使って説明することを試みた「ヌーソロジー×精神分析」の本。精神分析の概念がゼロからでを分かるようにしつつ、ヌーソロジーの世界観の理解も深めることができる。
詳細はこちら

メイン⇒@raimu_23tm

占い関連⇒@raimu_23tm_thot

ぬーそろじーたん⇒@noosology_tan

アストロロジーたん⇒@astrology_tan