前回は「プログラミングとは何か?」という初歩的なことを説明しました。
次は「プログラミングの書き方」に入りたい所ですが・・・
その前に「コンピューターの得意なことは何か?」
という話を先にしておきましょう。
プログラミングはコンピューターを制御するための手法なので、
コンピューターができることを把握するのが大事です。
コンピューターの得意なこと3つ
人間がコンピューターを扱っていく大前提にあるのは、
「人間がやっていた仕事をコンピューターに任せると楽」という考え方です。
そもそもコンピューターがやっていた仕事は、元々は人間がやっていた仕事だったと言えます。
計算したり文章を書いたりするのもそうだったし、
通信する場合も、昔だったら人づてだったり伝書鳩みたいなのを使うとか、
そういう話になってきます。
しかし、コンピューターが開発されるようになってから、
「コンピューターの得意なこと」に関しては、
コンピューターに任せることができるようになりました。
そして、プログラミングも「コンピューターの得意なこと」を活かすための手段なわけです。
「コンピューターの得意なこと」は何なのか?
これは詳細を説明していくと色々なことが言えますが・・・
ここでは、特に重要な3つを「3つの鉄則」として、
それを中心に説明していこうと思います。
コンピューターが得意な「3つの鉄則」とは、
「計算」と「保存」と「通信」です。
これらについて、それぞれ説明していきます。
計算
まずは「計算」についてです。
電子機器で「簡単に計算できるもの」として
真っ先に思い浮かぶものは「電卓」でしょう。
これもコンピューターを先駆けたツールであり、画期的なものでした。
昔から人類は数を計算する際は、せいぜいソロバンみたいなのを使うのがやっとでしたが、
計算をコンピューターにやってもらうことがついにできるようになりました。
コンピューターに計算を任せると、
人間がやったらむちゃくちゃ面倒な作業でも、
一瞬ってぐらいのスピードでやってくれます。
あと、コンピューターはただ数値を計算するだけなく、
「文字処理」や「画像処理」といった機能もあります。
これは、コンピューターにとっては文字情報や画像情報も
「数値情報」みたいなものとして扱っているから可能なものです。
これは厳密にいうと足し算や引き算みたいな「計算」とは異なりますが・・・
やってることは「数値処理」ということで「計算」のカテゴリーに含めておきましょう。
「文字処理」の中には、大量の文章情報から情報を検索する「検索機能」というのがあります。
これもコンピューターの得意分野であるため、
WEB検索で情報を探すのが一瞬でできるようになりました。
保存
次に「保存」についてです。
コンピューターが持つ情報は様々なハードで保存することができます。
昔はフロッピーディスクに保存する程度の技術しかありませんでしたが、
CDで保存できるようになって保存容量が一気に増えたし、
最近ではハードディスクとかフラッシュメモリとかの発展がすさまじいです。
特にテキスト情報だと、100KBでも51200字の日本語文字が格納できます。
それが1MB,1GB,1TBになり、それらをはるかに超えた業務用コンピューターになると・・・
といったように、「莫大な情報が保存可能」というのがコンピューターの大きな特徴です。
音声情報や動画情報だとけっこうなファイルサイズになりがちですが、
テキスト情報の場合はとてつもない量が入ります。
それから、コンピューター上の情報は「複製(コピー)」が可能なので、
バックアップをしておけば、保存箇所が一つ壊れても復元可能です。
そんでもって、ネット上やクラウド上に保存しておけば、
お金を銀行に保存するみたいにまず無くなることはない、
というのが今の考え方の主流になりました。
まぁ、フラッシュメモリやハードディスクにも寿命があるので、
千年以上とか残したい場合は紙で保存する方が残る、っていう説もありますけど。
電気機器が生きてる環境で莫大な情報を効率的に残したいなら、
電子上で保存しておくのが有力なわけです。
通信
最後に「通信」についてです。
ケーブルを使って情報を送ったり、電波に情報をのせるという技術は昔からありましたが、
インターネット技術は2000年代に入ってから無制限通信が普及するぐらいになって、
Wifi通信技術が2000年代後半になって発展していきました。
今では、世の中の色んな所に「基地局」と呼ばれる無線通信装置を設置することで、
スマートフォンのような小型コンピューターを使って
どこでも簡単に通信することが可能になりました。
スマートフォンを使って「遠隔で会話」ができたり、
「ネットからの動画視聴」ができたりするのも、
全て「情報を電波に乗せて通信できる」という技術の賜物です。
あと、インターネットが世界を変えることになったのは言うまでもないでしょう。
現代は、世界中の情報の取得と発信が誰でも容易な世の中になり、
それは「情報革命」や「IT革命」と呼べるものになっています。
これもコンピューターによる「通信」の力の賜物です。
以上の三つをまとめると、つまり以下のようになります。
人間はコンピューターの得意なことを理解し、
コンピューターを「便利なもの」として利用する立場です。
これは、コンピューターを使う上で忘れてはならない鉄則になるので、
プログラミングをする上でも念頭に置いておきましょう。
「入力」と「出力」、それから「処理」がある
それから大事なのは、コンピューターには「入力」と「出力」があって、
そんでもって、その中に「処理」があるということです。
「入力」「出力」「処理」もまた、
コンピューターの持つ3つの鉄則みたいなものです。
そして、「処理」の中に先ほどの「計算」「保存」「通信」があると思ってもらって良いでしょう。
入力
まず、「入力」は「コンピューターに情報を入れること」です。
代表的なのは、キーボードを使って文字を入力したりすることや、
マウスを使って特定の位置で「クリック」することで
「このファイルを選択したよ」とか「ボタンが押されたよ」と認識させることができます。
あと、カメラで映像を取るのも「入力」だし、
マイクで録音するのも「入力」です。
ゲームのコントローラーで操作するのも「入力」だし、
Nintendo Switchのジョイコンを振り回したりするのも「入力」です。
ソフトウェアにはそうした「入力」がつき物です。
これは鉄則なので覚えておきましょう。
出力
次に、「出力」は「コンピューターから情報を出すこと」です。
まず、大前提としてコンピューターはディスプレイに映像を「出力」することで、
人間に対して様々な画面を見せています。
その内容が「文字」だったり「絵」だったりします。
コンピューターは、ディスプレイを「出力用の道具」とすることではじめて、
処理した内容を人間に認識させることができるわけです。
出力の方法は、ディスプレイ表示のような映像出力が主力で、
その次に主力となるのが音を出すことによる出力です。
その他だと、ロボットを動かすような動作による出力があったり、
印刷による出力などがあります。
処理
そんでもって、「入力」と「出力」の間にあるのが「処理」です。
この中に「計算」「保存」「通信」の3つがあり、
コンピューターが得意なことをやってくれます。
人間がコンピューターを使う際には、
例えば「計算をするために式を入れる」⇒「計算する」⇒「コンピューターに結果を出してもらう」
といった一連の流れがあり、その中で「入力」と「処理」と「出力」のプロセスが必要です。
これは当たり前のことなんですが、
プログラミングをやる際に、あらためて意識しておくことにしましょう。
これからプログラミング言語を学んでいくにあたって、
かなりややこしい内容のものに遭遇することもあるでしょうが、
どの処理も「入力」か「出力」か「処理」か、
それか「計算」か「保存」か「通信」かに該当するということを
意識しておくと良いです。
- コンピューターの得意なことを3つの鉄則でまとめると「計算」「保存」「通信」
- 「入力」「処理」「出力」のプロセスも意識しておこう
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