以前に漫画家の山田玲司さんについて書きましたが・・・
また山田玲司ネタの記事です。
玲司さんが7月頃に出した動画のテーマが「1度は見る・浴びた方がいいもの」とのことでしたが、内容がほとんどスピリチュアルで、それがとても良かったです。
ここで言う「スピリチュアル」とは何なのか?
2010年代のスピ系ブームとかは全然関係ない!
玲司さんの扱ったネタは以下でした。
・ユング
・老荘思想
・ハイアート
・自然体験
この4つは自分(Raimu)が重要視してるものとしてもドンピシャで一致していて、スピリチュアルの重要要素としてかなり的を得ている!
ということでそれらについて書いていきます。
ユングについて
まずはユングについて。
フルネームはカール・G・ユングで、とくにオカルティストの間で有名な心理学者であり精神分析家である。
日本だと河合隼雄さんがユング派のカウンセラーとして有名なので、このブログでも扱った。
ユングは夢分析を専門としてフロイトの傘下に入った心理学者だったが、発想が異端だったため後に離脱する。そこから集合無意識を提唱したりと幅広い発想を展開して、世界中の人にその影響が広がるようになった。
ユングについて楽しく分かりやすいもので知りたい場合、オススメの本は以下の漫画である。
あと、ちゃんとやるなら河合隼雄さんのユング心理学入門書が無難にクオリティが高いのと、他の書籍も全体的にオススメできる。
ユングの原書だと一番オススメできるのは以下の『自我と無意識』である。
ちょっとユング通になりたいならこれも読むと良いと思う。
老荘思想について
次に老荘思想について。
これは陰陽哲学が関係してくる東洋思想の分野である。
中国の三大宗教は「儒教・仏教・道教」と言われてるけど、そのうちの儒教の流れの原因となった孔子と、道教の流れの原因となった老子は、思想の方向性が対極な二柱のようになっているのも重要である。
簡単に説明すると、優れたリーダーを目指して国家やみんなのために働くことまでやろうとする思想が孔子で、そういうのはそこまで頑張ってやんなくても無為自然に生きれば良いっていう思想が老子である。
孔子はパラノ的、老子はスキゾ的みたいな所があり、頑張り過ぎてる人が多いようなパラノ偏重の世の中の場合は老子が有効になってくるが、どっちも一長一短ある。
老荘思想については、自分が中学二年の時に読んだ漫画がオススメ。
あと、老子の本だと、原文に忠実なものが解説抜きで書いてある以下の本がオススメである。
ハイアート
次にハイアートについて。
「ハイアート」とは何か?
これについては山田玲司さんはざっくりとした説明しかしてないのでなかなか分かりにくい・・・
現代美術の界隈で昔からあった概念らしいが・・・
◆ハイ・アート/ロウ・アート | 現代美術用語辞典ver.2.0
1939年にC・グリーンバーグ氏が「アヴァンギャルド(前衛)/キッチュ(後衛)」の区分をしたのが開始点らしい。
ハイアートの対義語がロウアートで、ロウアートは大衆的で分かりやすいアートである。
だからハイアートは大衆的でない高尚なアートということになる。
とはいえ、やはりこれは社会学が絡んできたり抽象的だったりでそもそもの概念が分かりにくい・・・
玲司さんもハイアートが高尚とかロウアートが低俗とか、アートの世界に良い悪いはないと言っていたが、その上で「ノイズのない静かなる美の世界」というものがあるということでハイアートを触れた方が良いと言っていた。
玲司さんは例として『火の鳥』(特に未来編)を挙げていた。
とりあえずハイアートはそんな感じの作品ってことで良いだろう。
他に漫画だと何があるだろう? 微妙にみんなが読んでなさそうなもの・・・
漫画版の『風と谷のナウシカ』とか?
宮崎駿作品で手頃に読めるやつだと『シュナの旅』とかも良い。
あと、このブログで紹介した漫画だと『イティハーサ』とか良いか?
これは「ハイアートらしいハイアート」と言い切れるぐらいの美しさを持った漫画なのでオススメである。
しかもコロナ禍の始まった2020年辺りからwebサービス『スキマ』で無料公開対象の漫画になった。
あと、このブログで紹介した『不滅のあなたへ。』とかも良いと思う。
他にも色々と挙げていきたいが、この話は長くなりそうなので続きは最後に・・・
自然体験
自然体験について。
これについては玲司さんの言う通りなので、
こちらからは何か言うまでもない。
自分(Raimu)は個人的にアウトドアに向いてない肉体を生まれ持ったようなものなのと、都会暮らしはそれはそれで良さがあるので難しい所だけど・・・
どこかに良い場所はないだろうか?
スピリチュアル分野の欠点について
玲司さんの語るスピリチュアル、ユング、老荘思想といった分野について色々と書いたが・・・
それらの欠点についても書いておこう。
確かにすごいとされるユングや老子だが・・・
河合隼雄さんの書籍では以下のように書かれていることも重要である。
(河合隼雄著『ユング心理学入門』より引用)
(男性は、)一般には、男性としての強さや判断力などがまず期待されるので、このような外的な期待にそえる「ペルソナ」を作り上げることが大切であり、このような「ペルソナ」を人生の前半において築いた後に、「アニマ」の問題との対決は人生の後半(三十五~四十歳以後)になされるのが普通である。
<中略>
ただ、例外として、芸術家、宗教家や、前述したように心理療法家なども、若いときから「アニマ」の問題と取り組まねばならぬ宿命を背負った特殊な人であると思われる。
ここで言う「ペルソナ」とは何か?
簡潔に言うと男は男らしく、女は女らしくみたいな、世間から期待される役割のことである。
そして、「アニマ」はその逆である。これはユング心理学特有の概念で、ペルソナとは違った無意識の世界に触れると出てくるものである。
男性的なペルソナの人はアニマと呼ばれる女性的な意識が出てきて、女性的なペルソナの人はアニムスと呼ばれる男性的な意識が出てくる。
スピリチュアルやユング心理学の分野はそうしたものに触れる道なのだが、それに向かうのは一部の例外を除いて人生の後半が一般的に適している・・・とのことである。
「人間とは何か?」を考える上で欠かせないテーマとなるのがユングや老子だが、
若い時にハマるべきかというと、微妙な問題もある。
自分(Raimu)が個人的に早期にこの辺の道に入ったのも、持って生まれた肉体や能力が関係してくるので・・・もしも違うものを持って生まれた場合は話が別かもしれない?
これらの道は「陰陽哲学」で言うと「顕陰」や「スキゾ」側に該当するのだが、「顕陽」や「パラノ」側の道の重要性というのもあって、若い時は競争の道にあけくれるなり、人並の男・女を目指す道に専念するなり、そんな道でも良いのでは?みたいな正解もある。
それから、青年期・壮年期・中年期・高年期問題というものもある。
青年期は大体若い時期で、壮年期はそれよりちょっと老いた時期で、中年期はおじさん・おばさんぐらいの時期で、高年期はお爺さん・お婆さんぐらいの時期である。
大体、青年は15~25歳、中年は40~65歳あたりで言われることが多いが、もちろん個人差はあるし、変化はグラディエーション的なので明確な正解はなく、ざっくりした区分である。
そして、それぞれの時期がある中で人間の成長のため目指すべきものは違う、みたいな話がある。
青年期は一般的に肉体が若いのでそこそこの無理も効くから、身体を動かすなり、恋愛に夢中になるなり、競争に参加するなり、仕事を頑張ることに一生懸命になるなり・・・で生きてみることに専念すれば良い。
若い時期は思想的に未熟で間違ってることが多いにあるが、別に間違っても良く、それよりも行動力の方が大事な時期である。
それから、壮年期や中年期や老年期に行くと、だんだんとユングとか老荘思想みたいな方向に行くのが妥当・・・みたいな話になってくる。
そうして捉えると、ユングや老荘思想の話は老いてからのことを想定した方が良いのかもしれない。
しかし、山田玲司さんは漫画家であり、漫画家向けの講師もやってる人だから、ユングや老荘思想の話も漫画家向けのメッセージなのでは?と思える所もある。
先の『ユング心理学入門』からの引用では「芸術家、宗教家、心理療法家」などは例外のように書かれていたので、漫画家もその例外に該当するわけである。
だから、現代のデジタル社会の中で漫画家やクリエイターを目指す若者が多いことを踏まえると、玲司さんの言いたいことも分かるような気がする。
別のS(スポーツ)について
ちなみに、山田玲司さんが重要視してる「S」は「スピリチュアル」だが、『山田玲司のヤングサンデー』でよく一緒に出ている奥野晴信さんの重要視してる「S」は「スポーツ」らしい。
スポーツは厳しい競争の世界でもあるジャンルで、「陰陽哲学」の「パラノとスキゾ」の区分だと典型的な「顕陽」や「パラノ」側のものに該当する。
もし、スポーツの世界で競争が行き過ぎて、勝った人だけが幸せになるような風潮ができてしまった場合・・・勝ちにだけこだわっていったらほとんどの人にとっては絶望してしまう世界である。
競争の世界では勝つ者もいれば負ける者もいるし、勝ち続けることのできるナンバーワンとなると一人しかいなくなるので、上手くいく人の数が限られてしまう仕組みになっている。
しかし、奥野さんには奥野さんなりの「負け方の哲学」があるらしい。
スポーツや競技全般の世界では「勝ち方」を学ぶのではなく、「負け方」を学ぶことが重要で、世界中でたくさんの人が競い合うスポーツのジャンルでもそれぞれが勝つために必死の努力をし、最終的に勝者と敗者に分かれ、勝ち続ける人はただ一人か一チームになってしまうが、本気で勝負に挑んで負けた方にも価値はあるし、そこでの学びもまた重要みたいな話である。
確かに、負けた方に哲学があるのであれば、スポーツみたいな競争の世界にも救いをもたらす良さがあると思う。
スピリチュアルはスキゾの分野、スポーツはパラノの分野とすると、もともとスキゾ適性のある人はパラノ分野に行った方が視野が開けるし、もともとパラノ適性がある人はスキゾ分野に行った方が視野が開けるかもしれない。
あるいは、もともとパラノ適性がある人は普通にパラノ分野に行った方が長所が強くなるし、スキゾ適性のある人はスキゾ分野に行った方が長所が強くなるかもしれない。
そんな感じで、スピリチュアルしかりスポーツしかり、若い時にどういうものにハマった方が良いかは適性次第な話にもなってくると思うので、そうした中で各々が判断すれば良いのではないだろうか?
ハイアート作品色々
さて、「ユング」「老荘思想「「ハイアート」「自然体験」「スポーツ」についてそれぞれ一通り書いていったが・・・
最後に自分(Raimu)が「ハイアート」と思う作品を色々紹介してみよう・・・
・・・といきたい所だが・・・
長くなりそうなのでここで一旦区切って次の記事に移します!