不定期連載『変換人型ゲシュタルト論』シリーズ。 記事一覧はこちら。
◆◇量子力学における「重ね合わせ」の原理について◆◇
量子力学に「重ね合わせの原理」というものがあることを知っているだろうか?
これはヌーソロジー的にも大事だし、
『等化』と『次元観察子ψ3』の理解にも繋がるので、
ちゃんと説明しておこうと思う。
量子力学における「重ね合わせ」を、
ちゃんと数学的に厳密にやると数式が出てきて、
「状態ベクトルの線形結合」とかいうワードが出てきて難しそうだけど・・・
「シュレーディンガーの猫」による例え話が有名である。
「シュレーディンガー猫」は、オーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガーが発表したもので、猫を使った思考実験とされている。
まず、量子力学に基づいて猫の生死を決める特殊な装置を仮想する。
量子力学的に原子の放射性崩壊確率が50%の状態のものを用意して、
原子崩壊を検知すると電気が流れて毒ガスによって猫が殺される、
そんなかわいそうな装置をなんとかして作ったとしよう。
(あくまで思考実験である)
そうすると・・・猫は観測するまで生きてる状態と死んでる状態を同時に持っている・・・という、よく分からない状況になる。
これが「シュレーディンガー猫」である。
この話は「量子力学の確率解釈が誤っていること」を説明するためにシュレーディンガーが用いたものである。
したがって、物理学者にとっても解釈の困難な事象であり、その解決のためにコペンハーゲン解釈や他世界解釈など、さまざまな解釈が生まれたらしい。
さて、話が少しそれたが・・・
要するに「猫は観測するまで生きてる状態と死んでる状態を同時に持っている」という事象において、生きてる状態と死んでる状態の「重ね合わせ」が起きていることが重要である。
「重ね合わせ」については『サイキックの研究と分析』シリーズでもちょっと説明した。
あと、「重ね合わせ」の物理現象が実際に起きている「量子コンピューター」についても説明した。
つまり、「二つの状態の重ね合わせ」が実際に起きているのは量子力学的に確認されており、
それをどのように認識していくかがヌーソロジー的に重要となる。
「等化」と「重ね合わせ」
そして、量子力学的な「重ね合わせ」はヌーソロジーの『等化』においても重要な概念となっている。
実は、ヌーソロジー的に「『負荷』と『反映』を対称的に見る視座に行く」と、
「『負荷』と『反映』を重ね合わせ状態としてどっちもあり得る視座に行く」の二つは、ほとんど同義なのである。
つまり、『等化』と「重ね合わせ」はやることがほぼ一緒ということである。
さて、スピリチュアルや引き寄せの法則の界隈でも、量子力学について出てくることがよくある。
さらにはそれによるアセンション(次元上昇)を目指す人もいる。
そこにはちゃんとやれば上手くいく構造があるので、注目するのは間違いではない。
確かに、「重ね合わせ」の視点を得ることによって、次元上昇することが可能ではあるのだが・・・
量子力学はスピリチュアル的にも重要とはいえ、あんまり雑に扱って欲しくないジャンルでもあるので・・・
ヌーソロジーはそれをもっと厳密にやりたい立場である。
ミクロとマクロを重ね合わせは可能か?
「重ね合わせ」と『次元観察子ψ3』の話をさらに深めていくと、
ψ3はψ1(ミクロ)とψ2(マクロ)を等化しているので・・・
「ミクロ」と「マクロ」の「重ね合わせ」をすることになる。
前々回の「止観」でやったような
「点をひたすら観る」とか「りんごをひたすら観る」ワークを思い出そう。
これをずっと観ていって、
「知覚正面」が見えるほどにまで成功したら、
「ミクロ」と「マクロ」はどっちも決まっていない「重ね合わせ」の状態になり、二つの違いは消失する・・・とも言えるだろう。
「距離」や「大きさ」の概念も消失するから、観ている光景が「知覚正面」となる。
さらには、ψ1とψ2は「空間」と「時間」にも対応しているので・・・
「空間」と「時間」がどっちも決まっていない「重ね合わせ」の状態になると、「時間」と「空間」の違いも消失するから、普段意識しているような「直線的な時間の感覚」も消失するんじゃないだろうか?
ヌーソロジーではその時に立ち上がる新しい時間間隔を、
アンリ・ベルクソンの哲学を参照して「持続」と呼んでいる。
以上のように、量子力学における「重ね合わせの原理」と、
ヌーソロジーの『等化』の関係が分かってくると、
変換人型ゲシュタルトをより深めていくことができる。
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2013:The Day God Sees God 人類が神を見る日 [ digital edition ]
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