これから新シリーズのテキストを始めていきます。Raimuです。
これまで、ヌーソロジーやらサイキック研究やら河合隼雄心理学やらオタク論やら色々と書いていきましたが・・・
新たなシリーズとして「陰陽論」をやります。
陰陽論といったら、古代中国では主に「易経」としても伝えられている古代の哲学であり、宇宙論です。
易経についてはこれまでもこのブログで扱ったことがありました。
中国から伝わった「陽」と「陰」の概念は、日本でもなんとなく聞いたことがある人が多いと思いますが・・・
古代中国のその概念を改めて深掘りし、さらにヌーソロジーで得た知見から、西洋の哲学や精神分析学とも統合したものを「陰陽哲学」と呼び、ひとまずその基礎からやっていこうということで『陰陽哲学基本概要』というシリーズを書いていきたいと思います。
↓目次
※本文は基本的に「である調」統一で書きます。
陰陽論とは何か?
まずは、陰陽論とは何か?について。
「陰陽」は古代中国で発想された概念で、森羅万象のあらゆる概念を「陽」と「陰」に分けて考えられることによって生じたものである。
そうした陰陽に基づいた思想や学説を総合したものが一般的に「陰陽論」と呼ばれる。(陰陽思想や陰陽説とも呼ばれる)
以下の有名なマークは「陰陽魚」と呼ばれ、陰と陽が交わる様子として陰陽論の象徴となっている。
また、陰陽を説明した書物に「易経」がある。これは著者が伏羲という神話上の人物になっている古代中国の書物であるため、正確な発祥が不明なものだが、周王朝時代に易経を使った占いが盛んになってその時に普及した影響が大きいため、「周易」と呼ばれて広まっている。
「易経」は陰陽の概念を使った占いについてが記されている書物だが、哲学書であり占術書でもあるものなので、哲学書のようにこの世の真理を記されたものとして陰陽についてを深く知ることができる。
こうした陰陽論や易経は、古代中国から伝えられている宇宙論と言うこともできる。
では、「宇宙論」とは何か?
「宇宙」とはこの世界全体のことで、「宇宙論」は人間をとりかこむそれは一体なんなのか? それらにとって人間は何なのか?を探求する古代の学問であり、それらを説明する論である。
古代中国の他に古代インドや古代ギリシャでもそれぞれ独自の概念でこの世界がなんなのか?が探求されていたため、古代には様々な宇宙論が存在していた。
現代だと「科学」によって宇宙のことの大半が説明できるため、科学も宇宙論に該当する。
そしてそれが現代人の価値観の中心になっていて、その限界によって色々と問題が出る話にも繋がってくるのだが・・・
要するに、「宇宙論」とは古代思想に発端があるもので、「科学とは違うやり方でこの宇宙は何か?を明らかにする論」だと言えるわけである。
人生の真理・法則を探求する哲学としての易経
古代中国で伝説上の存在が書いたとされる易経の教えが、紀元前から長い年月を経て、最終的に現代の日本でも伝えられているわけである。
例えば、1898年~1983年に生きて戦後に活躍した安岡正篤という人物も、学者として政治にまで関わる立場でありながらも易経の専門家としても活躍していた。
この人は易学者としての知名度に限らず、哲学者、思想家とも伝えられていて、突き詰めると「人間学」の探求者だったとも言える人である。
人間学・・・それはすなわち、人はどう生きれば良いか?を儒教・仏教・道教といった東洋の教学全般を踏まえつつ探求する学問であり、安岡正篤氏はそうしたことに取り組んで戦後の時代に大活躍した賢者みたいな人である。
そして、東洋の教学を本格的にやるためには、どうしても易をやらなければ奥へ入れない・・・ということで易もやっていたらしい。
安岡正篤氏は東洋思想全般を極めた人として素晴らしい人物と評判なので、その着眼点に信頼したい。
このシリーズは易経の原文を参照した基本テキストを踏まえつつも、この人の易のテキストも参照してやっていく。
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