【連載】陰陽哲学

■陰陽哲学基本概要(1) ~陰陽論とは?~

投稿日:2023年7月8日 更新日:

これから新シリーズのテキストを始めていきます。Raimuです。

これまで、ヌーソロジーやらサイキック研究やら河合隼雄心理学やらオタク論やら色々と書いていきましたが・・・

新たなシリーズとして「陰陽論」をやります。

陰陽論といったら、古代中国では主に「易経」としても伝えられている古代の哲学であり、宇宙論です。
易経についてはこれまでもこのブログで扱ったことがありました。

Twitterで「Raimuの易占いbot」を作りました

安岡正篤著「易経講座」と、ヌーソロジーの概念についてなど

中国から伝わった「陽」「陰」の概念は、日本でもなんとなく聞いたことがある人が多いと思いますが・・・
古代中国のその概念を改めて深掘りし、さらにヌーソロジーで得た知見から、西洋の哲学や精神分析学とも統合したものを「陰陽哲学」と呼び、ひとまずその基礎からやっていこうということで『陰陽哲学基本概要』というシリーズを書いていきたいと思います。


 

↓目次

「陰陽哲学基本概要」シリーズ、目次

 
※本文は基本的に「である調」統一で書きます。
 

陰陽論とは何か?

まずは、陰陽論とは何か?について。

「陰陽」は古代中国で発想された概念で、森羅万象のあらゆる概念を「陽」と「陰」に分けて考えられることによって生じたものである。
そうした陰陽に基づいた思想や学説を総合したものが一般的に「陰陽論」と呼ばれる。(陰陽思想や陰陽説とも呼ばれる)

以下の有名なマークは「陰陽魚」と呼ばれ、陰と陽が交わる様子として陰陽論の象徴となっている。

また、陰陽を説明した書物に「易経」がある。これは著者が伏羲という神話上の人物になっている古代中国の書物であるため、正確な発祥が不明なものだが、周王朝時代に易経を使った占いが盛んになってその時に普及した影響が大きいため、「周易」と呼ばれて広まっている。
「易経」は陰陽の概念を使った占いについてが記されている書物だが、哲学書であり占術書でもあるものなので、哲学書のようにこの世の真理を記されたものとして陰陽についてを深く知ることができる。

こうした陰陽論や易経は、古代中国から伝えられている宇宙論と言うこともできる。

では、「宇宙論」とは何か?

「宇宙」とはこの世界全体のことで、「宇宙論」は人間をとりかこむそれは一体なんなのか? それらにとって人間は何なのか?を探求する古代の学問であり、それらを説明する論である。
古代中国の他に古代インドや古代ギリシャでもそれぞれ独自の概念でこの世界がなんなのか?が探求されていたため、古代には様々な宇宙論が存在していた。

現代だと「科学」によって宇宙のことの大半が説明できるため、科学も宇宙論に該当する。
そしてそれが現代人の価値観の中心になっていて、その限界によって色々と問題が出る話にも繋がってくるのだが・・・

要するに、「宇宙論」とは古代思想に発端があるもので、「科学とは違うやり方でこの宇宙は何か?を明らかにする論」だと言えるわけである。
 

人生の真理・法則を探求する哲学としての易経

古代中国で伝説上の存在が書いたとされる易経の教えが、紀元前から長い年月を経て、最終的に現代の日本でも伝えられているわけである。

例えば、1898年~1983年に生きて戦後に活躍した安岡正篤という人物も、学者として政治にまで関わる立場でありながらも易経の専門家としても活躍していた。

◆安岡正篤 – Wikipedia

この人は易学者としての知名度に限らず、哲学者、思想家とも伝えられていて、突き詰めると「人間学」の探求者だったとも言える人である。
人間学・・・それはすなわち、人はどう生きれば良いか?を儒教・仏教・道教といった東洋の教学全般を踏まえつつ探求する学問であり、安岡正篤氏はそうしたことに取り組んで戦後の時代に大活躍した賢者みたいな人である。
そして、東洋の教学を本格的にやるためには、どうしても易をやらなければ奥へ入れない・・・ということで易もやっていたらしい。

安岡正篤氏は東洋思想全般を極めた人として素晴らしい人物と評判なので、その着眼点に信頼したい。
このシリーズは易経の原文を参照した基本テキストを踏まえつつも、この人の易のテキストも参照してやっていく。

 

↓続き

■陰陽哲学基本概要(2) ~基本概念「天と地」~


-【連載】陰陽哲学

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

■陰陽哲学基本概要(4) ~二種の陽と二種の陰~

不定期連載『陰陽哲学基本概要』シリーズ。 記事一覧はこちら。 前回、易経における「天」と「地」の意味は「剛健」と「柔順」が中心として伝えられていることを説明した。 さらにその意味をおさらいするべく、 …

陰陽哲学基本概要(10) ~陰陽論と孔子の思想(後編)~

不定期連載『陰陽哲学基本概要』シリーズ。 記事一覧はこちら。   ↓前回 陰陽哲学基本概要(9) ~陰陽論と孔子の思想(前編)~ 引き続き、孔子の思想について書いていく。   儒教の基本思想 これまで …

■陰陽哲学基本概要(2) ~基本概念「天と地」~

不定期連載『陰陽哲学基本概要』シリーズ。 記事一覧はこちら。 陰陽のはじまり さて、早速、陰陽論の内容について説明していこう。 まず、はじまりである概念に「太極」がある。 これは陰陽が分かれる前の概念 …

陰陽哲学基本概要(9) ~陰陽論と孔子の思想(前編)~

不定期連載『陰陽哲学基本概要』シリーズ。 記事一覧はこちら。 前回までは「パラノ・スキゾ」「外向・内向」「強者・弱者」といった二元的な概念について説明してきた。 次は、孔子の思想と老子の思想の関係につ …

陰陽哲学基本概要(14) ~陰陽の先にあるものとヌーソロジー~

不定期連載『陰陽哲学基本概要』シリーズ。 記事一覧はこちら。 これまで、以下の図にある顕陽と顕陰の話をしていった。 これはこれで大体完結しているのだが・・・実は、この仕組みにはまだその先の話があるので …

プロフィール

Author:Raimu

魔術・オカルト全般好きな理系。
サイキックの研究とか、占星術とか、
神秘と科学の考察的な、自分の好きなものを置いていきます。

詳しくはこちら

2021年頃に書き始めたヌーソロジー学習用テキストの新作。
哲学、シャーマニズム、数学、神学、古代文明、意識進化、オカルト・・・など色んなジャンルが絡んでくる内容のもので、これを読めば『ヌーソロジー』ってどんなものなのかがざっくりと分かるようになるはず。

「陽」や「陰」、「天」や「地」といった概念を基本とする中国の古代思想『陰陽論』や『易経』についてちゃんと説明するテキスト。さらに西洋哲学や精神分析学、ヌーソロジーの概念とも絡めてその哲学を深めていく。

ユング心理学が専門でありながら古今東西の文化や宗教全般にも詳しく、スクールカウンセラーとして数多くの実績を持つ偉人、河合隼雄さんの書籍を読み直してその思想を学ぶシリーズ。

超能力や魔術の研究や、物理学・量子力学を絡めた解明を目的に、少しずつ書いていった連載記事。

正式名称は『はじめての人でもホロスコープを自分で読めるようになるための記事』。西洋占星術で出した結果をある程度の所まで読めるようになることを目的とした記事。

『note』のテキストコンテンツとして執筆。社会不適合者が生き残るための考え方や知恵をテーマにしたテキスト。1~5でとりあえず一区切り。
第1回目はこちら。

半田広宣さん提唱の宇宙論・具体的イデア論と言われている『ヌーソロジー』。その基本から実践的な入門までを、自分なりに一通り説明したページ。

その他に作ったものはこちら。

『Raimuのプログラミングノート』というプログラミング関連のブログを開設しました。
初心者向けの「プログラミング入門」がメインコンテンツになりますので、よろしくお願いします。

noteで西洋占星術による鑑定を有料で受け付けています。生年月日と出生日時から占う命術鑑定です。
通常コースは4000円、簡易コースは2000円にて受け付けています。

Kindle本など。Amazonで買えます。
「佐道来夢」という名前で出してます。

書籍版Kindle版があり。
「4次元」とは何か?というのが主なテーマ。割と理系的な視点から「異世界」について探求していった本と言っても良いかもしれない。
『ヌーソロジー』の理解に必要な「4次元認識」の実践部分もあり。
詳細はこちら

書籍版Kindle版があり。
宇宙論『ヌーソロジー』の入門用。半田広宣さん監修の元、ヌーソロジーの主要な知識を押さえれるコンパクトなハンドブック。
「変換人生活のためのヒント」というテーマの書き下ろしテキストもあり。
詳細はこちら

書籍版Kindle版があり。
「リアルな魔法使い」とは何か?をテーマに、「目に見えないもの」との付き合い方や、その仕組みなどについて幅広く書いていった。オカルト的なことを実践していたり、関心のある人に読んでもらいたい本。
詳細はこちら

Kindle版があり。
ユング、フロイト、ラカンなどの「精神分析」のジャンルを、ヌーソロジーの概念を使って説明することを試みた「ヌーソロジー×精神分析」の本。精神分析の概念がゼロからでを分かるようにしつつ、ヌーソロジーの世界観の理解も深めることができる。
詳細はこちら

メイン⇒@raimu_23tm

占い関連⇒@raimu_23tm_thot

ヌーソロジーたん⇒@noosology_tan

アストロロジーたん⇒@astrology_tan