ヌーソロジー

ロックカルチャーからオタクカルチャーへの遷移と、ヌーソロジーのψ11~ψ12とψ13~ψ14について(後編)

投稿日:2024年5月2日 更新日:

中編↓

ロックカルチャーからオタクカルチャーへの遷移と、ヌーソロジーのψ11~ψ12とψ13~ψ14について(中編)

中編に引き続き、後編を書いていこう。
これまでの話を踏まえて・・・ちゃんとヌーソロジーとも絡めつつ締めくくっていく。
 

~目次~

・アニメとパラノとψ14
・漫画とスキゾと受け継がれる意志
・次元観察子ψ13の理解のためのヒント?
・次元観察子ψ13と日本精神
・危うい方向性の東洋原理
・最近の時代の要素の列挙
・ドラゴンと戦闘美少女
・新しい時代はどうなる?

 

アニメとパラノとψ14

さて、これまで色々と鳥山明(と鳥嶋和彦)について語ってきたので・・・
いよいよヌーソロジーの概念との絡みを書いていく。
アラレちゃん、ドラゴンボール、ドラクエのモンスターといったものは・・・
「全部、次元観察子ψ14っぽい」、あるいは「次元観察子ψ14の意識に生息してそうな感じ」のものだと思っている。

・・・とはいえ、ざっくりと「次元観察子ψ14的なもの」と言っても色々ありそうなので・・・鳥山明の作品の場合はψ14の中でも特別なものとして位置づけられるだろう。

 

そして、確かに言えるのはアニメについてであり、アニメ業界とかアニメの技術に関して言えば、これは「次元観察子ψ14的なもの」であると、ざっくりと、割とはっきりと言うことができる。

そもそも「アニメ」とは何なのか?
改めて説明すると、それは「アニメーション」という絵を動かす技術のことであり、そこに音や音楽も添付することもできる。

それから、21世紀は皆がよく知っている通り、コンピューターで作られたデジタルな情報がそこら中で行き来しているデジタル社会である。
こうしたデジタル社会の中で、コンピューターで電子情報として保存したり放送したりができるのは視覚情報(動画)と聴覚情報(音楽)であるため、動画と音楽が一体となった作品としてのアニメはデジタル社会において情報量の多い最強の伝達手段となる。

アニメーション作家で有名な人物といったらウォルト・ディズニーである。
1928年にミッキーマウスが出てくる初めての作品『蒸気船ウィリー』が出てから、ディズニー社は成長していき、言うまでもないぐらい世界中で天下を取った。

日本で有名な人物といったら手塚治虫である。
手塚治虫もまたディズニーの影響を受けていて、30分枠のテレビアニメシリーズとして『鉄腕アトム』が出たのが史上初である。
手塚治虫はすごいのでまた後で語るとして・・・一旦はアニメについてを深堀りしよう。

デジタル社会においてアニメ制作技術は常に最先端が追求され、今日においても本当に色んなアニメが作られるようになっていったが・・・
その中でも漫画の原作がアニメになることが多い。
漫画が原作でない場合は、小説が原作だったり、アニメ監督の頭の中に原作があったり、脚本家が原作を書いたり・・・みたいになる。
なんにせよ、何かしらの原作を元にアニメは作られる。

そうなると、基本的にアニメは増強技術であり、アニメーターは増強係みたいなものになる。
例えば漫画が原作の場合は、原作にはない色・音・音楽・動き・アニメ特有の演出を付加させることができる。さらにデジタル社会においてはコンピューターが発展しているので、CGを使った様々な表現を付加させることができる。
視覚情報(動画)と聴覚情報(音楽)が一体となったアニメは情報量の多い最強の伝達手段であるため、それを世界中に配信すれば大きな影響を及ぼすことができる。

つまり、映像にすることによる増強。それが大体のアニメの役割ということで良いと思う。

そして、漫画と違ってアニメはとにかくたくさんの人手と工数が必要である。

とにかくたくさんの人手と工数が必要ということは、とにかくたくさんのお金が必要ということになるので・・・思想のベースが資本主義になる。
アニメで商売していくには広告をフル活用していく必要があるし、アニメ自体が広告として使われることもあるし、利益を上げるためにグッズを積極的に売らなければならない。
だから、アニメはまさしくデジタル資本主義機械の権化みたいな存在であるし、とてもパラノ的なものである。

しかしながら、アニメの役割はあくまで増強装置なので・・・まずは原作が素晴らしければそれで良いと思うし、原作の素晴らしさが増強されていて、より多くの人に伝わるようになっていればそれで良いと思う。

例えば、『鬼滅の刃』のアニメがヒットしたら・・・
「鬼滅の刃の漫画が格好良い映像作品になって観れるようになって良いなぁ」
「これによって鬼滅の刃の素晴らしいストーリーが色んな人に知られるようになって良いなぁ」
「海外でも鬼滅の刃が有名になったら日本はすごいってことになるから良いなぁ」
・・・など・・・
そのように思っておけば良いのではないだろうか?
 

漫画とスキゾと受け継がれる意志

アニメの次は、漫画について言及しよう。

まずは「漫画とは何か?」という話からおさらいしよう。
その厳密な定義の話まですると諸説ある話になるが・・・漫画とは何かをざっくり言うと「紙とペンを用いて、絵とセリフを上手いこと織り交ぜてストーリーを伝える技術」である。
また、基本的に漫画は白黒で描かれるものであるため、印刷による複製が容易である。この特性が非常に強く、紙によってストーリーを伝える手段としてとても合理的であった。
最終的にはこの特性がコンピューターとの相性の良さにも繋がってくる。

漫画によって何かストーリーを伝えていくには、(特にウケる話を書く場合は)特定の「フレーム(枠組み)」や「やり方」に則って絵と図を構成していく必要があり、決まり事を守りながら描いていかなければならないため堅苦しい側面もあるが・・・
極論を言うと目的は「紙とペンを用いて何かを伝えること」であるため、実は何でもアリみたいな側面もある。

また、アニメのように大規模なものとは違って、漫画は作家一人でも時間をかければ作品を完成させることができるぐらいの規模のものである。
だから、引きこもりのようにひたすら一人でいても作ることができる。
手のかかる作品を週刊連載のようなスピードで作る場合でも、数名のアシスタントをつけた少数精鋭で作ることができる。
それから、極論を言うと、売れる作品を作ることを度外視すれば、どんな作品を作っても良いし、どんな作品でも一人で完成させること自体はできる。
そのため、漫画は割とスキゾ的なものだと言えるだろう。
そうした漫画の特性を踏まえると、漫画は個人の精神性が投影されやすいものだし、作家の精神性次第で斬新なものが出てきやすいため、そうしたスキゾ的な可能性を期待するのであれば、面白いのはアニメよりも漫画だと思う。

もし、原作のないオリジナルアニメ作品でスキゾ的なものを作るとなると、アニメの内容を考える監督のスキゾ性が直にアニメーターに伝わらないといけないし、作品がヒットしないと大損してお金の問題が大変なことになる。
そんなやり方でも成功したのが庵野秀明の『新世紀エヴァンゲリオン』だったり、宮崎駿のアニメだったりするが・・・これはかなり珍しいケースになる。
だから、基本的にはアニメよりも小回りの利く漫画の方が表現媒体としてチャレンジしやすい。

そして、日本で漫画を開拓した人物といったら・・・誰もが知ってるアノ人物である・・・
 

手塚治虫。
1928年生まれの戦争体験世代で、太平洋戦争開始の時は13歳、終了時は17歳だった。
幼い頃から見様見真似で漫画を描いていて、戦時中でも隙を見て漫画を描いてるような人だった。戦後は本格的な漫画家デビューのために動いた。
そもそも、漫画はもともと紙とペンでストーリーを伝える手段であり、当時はこのように描けば良いみたいに確立された方法はあまりなかったし、長編ストーリーを作るのは特に難易度が高かった。そんな中で、様々な漫画表現を開拓しながら進んでいった人である。
まさしく「漫画の神様」の異名に相応しい、日本の漫画カルチャー開拓の第一人者である。

さらに、手塚治虫は漫画の開拓者でもあると同時に、アニメの開拓者でもあった。
もともとディズニー映画が好きでアニメーションをずっと作りたいと思っていたので、1961年に手塚治虫プロダクションの動画部を設立し、それを「株式会社虫プロダクション」というアニメ制作会社にする。
そして、1963年にアニメ化された『鉄腕アトム』が放映され、これが日本初となる30分枠のテレビアニメーションシリーズとなった。
手塚治虫のこの試みが日本のアニメーション界隈を切り開くことになり、その後もアニメーション制作全般に大きな影響を与えるわけである。

手塚治虫の作品は、初期のものだと『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』…
それから『ブラック・ジャック』『どろろ』『三つ目がとおる』『ブッダ』…
晩年のものだと『火の鳥』『アドルフに告ぐ』…
多くの名作を残していることは有名である。

しかし、そんな大活躍をしていた手塚治虫は・・・残念ながら60歳の若さで・・・胃がんによる急死で亡くなってしまうことになるが・・・
(この人の場合は「ほとんど寝ないで仕事をするぐらい身体を酷使してたから」が原因と思われる。水木しげるに「眠っている時間分だけ長生きするんです」と”睡眠力”の大事さを説かれたことがあるらしい。ちなみに水木しげるは1922年生まれで93歳に死去)
それでも常人離れした仕事量と漫画制作量によって、その漫画と功績は多くの人に影響を与えるようになった。

手塚治虫はこのように漫画を開拓した人物であり、アニメを開拓した人物でもあるので…
「漫画⇒アニメ」の流れでの長編ストーリー演出を、日本で初めてやった人である。

思えば、日本でこうした「次元観察子ψ14的なもの」が作られるベースは、手塚治虫が始まりだったのかもしれない・・・

あるいは、他にも同世代の漫画家達がいる。
手塚治虫は「トキワ荘」というアパートで漫画を描いていて、その場所にそれを追う漫画家達が続々と集まっていたという伝説的なエピソードがある。
伝説のトキワ荘メンバーで有名所だと、藤子不二雄、石森章太郎、赤塚不二夫・・・
それから、一方でその路線とは違って、水木しげると仲が良かった漫画家もいるらしい。つげ義春、白戸三平・・・

こうした漫画家の第一世代達が漫画カルチャーを開拓していったから、今の漫画の文化がある。
そして、それは日本のオタクカルチャーの原始的な存在でもあった。

そんな手塚治虫が生誕してから27年ほどが経過し・・・1955年に鳥山明が生誕するわけだが・・・
鳥山明は第二世代としてそれを受け継いだのかもしれない。
それから1980年に『アラレちゃん』、1984年に『ドラゴンボール』と・・・
新時代となっていく80年代が始まっていくことになるわけである。
 

次元観察子ψ13の理解のためのヒント?

鳥山明の作品が世界的にヒットしたり、アニメ化で広まったりするのはψ14の話だが…
鳥山明自身の人間性や精神性みたいなものには・・・どこかψ13っぽさがあるかもしれない?
・・・と思うのである。自分的には。

そもそも『次元観察子ψ13』とは何なのか?

『次元観察子ψ11後半』が何なのかの説明が難しいように…
『次元観察子ψ13』の説明も難しい。

「デジタル社会でのスキゾ化」と書いたが、具体的にそれが何なのか?は難しい・・・

とはいえ、鳥山明の持つ、あの自我が強くないながらも天才的な能力を発揮するあの感じは・・・「スキゾ的なもの」なのではないだろうか?

それから、ヌーソロジー的にψ13を理解するための基本は『等化』である。
ヌーソロジーの大原則的に「『次元観察子ψ11』と『次元観察子ψ12』を等化するのが『次元観察子ψ13』」ということになるので、それをベースに理解を深めていくべきだろう。

そして、それを踏まえてψ13の理解のためのキーワードとなるものはなんなのか?

それは「和」なのではないだろうか?

『次元観察子ψ11~ψ12』は一言だと「資本主義の段階」と言えるようなものであるが・・・
それは「資本主義で物質的に成功する側の者」「それに対抗する者」でいつも戦っていたような次元だったと言えよう・・・

前編で説明した「ヒッピーカルチャー」の激しさなども象徴的であった。
あれは物質的な成功のため徴兵制度まで要求するような人間達へ反発するようなカルチャーであり…
そうしたものとは違う・・・自然と愛と平和とセックスと自由の力を信じるような人達が集団になって動き出したような現象だった。
そして、そんな反発心に基づくスピリチュアルな思想は引き継がれ、今でも続いているし…
「ロックカルチャー」もそうした戦いの風潮を持っている。

日本では「オウム真理教」が出てきたことで一時期大騒ぎになった。
それは最終的にはテロ事件を起こしてしまったため、「怪しい宗教団体」「テロリスト集団」みたいな認識で処理されているが・・・
その集団の実態についてよく見てみると・・・それは権威を持ちながらも失敗ばかりしている政府や、経済的に成功している文明人を批判する集団が集まってできたようなものだったし、
ヨーガなどの手法を用いて、現代にはないスピリチュアルな思想を立ち上げるためのものでもあった。
しかし、結局は「戦い」のノリになってしまってテロ行為に及び、大失敗してしまった・・・

他にも、資本主義社会では「勝ち組」と「負け組」みたいなワードが出てきて大衆がそれで煽られたりして・・・
弱き者はそれでルサンチマンを抱えてしまうような現象がどうしても出てきてしまう。

こうした問題を解決し、次の段階に進むにはどうすれば良いのか?
ひとまずは「和」なのではないか?

なんというか・・・
「資本主義で物質的に成功する側の者」みたいなのを・・・「敵」として捉えるのではなく・・・
「和する対象」として捉えてみる・・・
逆に、「資本主義で物質的に成功する側の者」も、それに対抗する者についてちゃんとよく見てみるような・・・そしてそれも「和する対象」として捉えるような・・・そういう精神が必要なのではないだろうか?

そして、鳥山明の何がすごいかというと・・・彼自身がそうした「和」の精神を持っているかのように思える所である。

鳥山明の作品だと『ドラゴンボールZ』が一番、強烈な敵が出てくる戦闘的な内容になっているのだが…
他はもっとほんわかしたものが多く・・・あまり強烈な「敵」みたいなのが存在しない作品の方が多い。
もちろん「敵」みたいなのがいる作品もあるが・・・それでも敵っぽかったものがいつのまにか味方になってるようなシナリオのものが多い。

そもそも自身が鳥嶋和彦という編集者と長い付き合いをする中で漫画の描き方を学んだ人物である。「嫌な奴の顔を描いてこい」と言われて鳥嶋和彦の顔を描いてきた。そうした嫌な者に対して「和」する能力がとても高く、描いている作品もそうした人間性を感じるものになっている。

そういう視点でオススメできる作品が『COWA!』だったり、初期の『ドラゴンボール』だったりするので・・・
自分はそうした作品に「和」を感じるから、鳥山明がとても好きなんだと思う。
 

次元観察子ψ13と日本精神

もう一つ、『次元観察子ψ13』を理解するためのキーワードは「日本精神」である。

ヌーソロジー提唱者の半田広宣は自身がロックカルチャーをベースに生きていた理由もあり、
洋楽や洋モノに関心をもつことが多かったから、日本の文化に関心を持つことが少なかったらしい。

しかし、そんな半田広宣が日本に関心を持つのは・・・2010年代の中頃あたりの話になるらしい。
以下の2015年の大阪レクチャーではそうして日本が気になり始めたことについて語られている。

ヌーソロジーにおいて「日本精神」や「日本人」が大事だ・・・と言われた場合、
その大事なものに該当するのは「日本語」である。

とにかく、日本語がすごい力を持っている。
これはヌーソロジーの元である「冥王星のオコツト」が言っていたことでもあった。
普通は「言語」といったら、「〇〇は△△であるから××である」と物事をハッキリと「決める」力を持っているものであり、その明晰性で人間は学問をすることができ、最終的には科学技術のようにとてつもない文明を築き上げることになるのだが・・・
日本語はそれだけでなく、なんというか感性に訴えて物事を曖昧にするような力も持っている。

以下に西行法師の代表的な和歌を挙げるが、こうしたことができるのも日本語ならではである。

ねがわくは はなのしたにて はるしなん そのきさらぎの もちづきのころ
(訳:願うなら、春に満開の桜の下で死にたいものだなぁ…。如月の望月(旧暦2月15日ごろ)の満月の日に)
 
みちのべに しみずながるる やなぎかげ しばしとてこそ たちどまりつれ
(訳:道のほとりで、清らかな水が小川となって流れ、柳が涼しい木陰を作っていた。そこでしばし立ち止まった)
 
こころなき みにもあはれは しられけり しぎたつさはの あきのゆふぐれ
(訳:こころない身でもあはれを知ることができるものだなぁ…。鴫(しぎ)が飛び立つ沢の、秋の夕暮れよ)

日本語とは何か?・・・
日本語の特徴とは?・・・
日本語特有の力とは?・・・
それについて書きつくしたらまた本一冊できるぐらいの深さを持つ話になるが・・・

ひとまずここでは、鳥山明の自伝エッセイをちょっと見てみよう。

『鳥山明○作劇場 1』より

以上の漫画を見てなにか気付くことはあるだろうか・・・・?

 

・・・そう。
ひらがなが多いのである。

あと、もっと言うとカタカナもちょっと多い。

鳥山明のこうしたショートエッセイは単行本の色んな箇所に書かれていたりするが…
ほぼすべてが以上のような特徴を持っている。

そして、ひらがなの力は・・・なーんかゆるい感じをもたらすようなものである。
その独特な曲線がそれを感じさせるのだろうか?

あと、カタカナはカタカナでちょっとシャープでユニークなスパイスみたいになるので、
巧妙にそれが使われていると漢字よりも頭に入ってきやすい。

これも鳥山明の「和」の力の源なのだろうか?

そもそも、この力を持っているのは鳥山明だけではない・・・手塚治虫からはじまった日本の漫画の文化すべてが…
もしかすると日本語でないと創造することができなかった文化なのだろうか?

日本の漫画にはそんな可能性を感じさせるから、世界からしても唯一無二なぐらいすごいものかもしれないわけである。
 

危うい方向性の東洋原理

以上。日本文化のすごさについて書いていった。
もしかすると、日本は『次元観察子ψ13~ψ14』に近く、欧米は『次元観察子ψ11~ψ12』に近いので、それぞれその特徴が濃いのかもしれない。

そうなると、日本が悪くなったり、進化が停滞するようになった場合は『次元観察子ψ14』が際立つのかもしれない。
これは日本に限らず、東洋の文化はそうしたものを抱えやすいのではないだろうか?

ここで、河合隼雄が説明していた「父性原理・母性原理」の話をしよう。
これについては以前にブログで説明したことがある。

■河合隼雄を読み直す(3) ~父性原理と母性原理~

簡単な理屈はこうである。
父性原理は「切る」はたらきであり、善と悪、できる者とできない者、固いものと柔かいもの、何でも明確に区別してゆく。
それに対して母性原理は「包む」はたらきであり、すべてを全体として包みこんでゆく。
また、西洋は父性原理を強く持ち、東洋は母性原理を強く持つ。
父性原理を強く持つ西洋はその明晰性によって強い国を発展させたり、科学技術を発展させたりすることができた。
西洋の近代理性に基づいてできた学問・科学・資本主義のシステム・コンピューターは世界中に広まっていき、世界はその原理によってグローバル化した。
だから日本も欧米化によってその影響を受けた。

ここまでは『次元観察子ψ11~ψ12』の話だというのは大体分かるだろう。

しかし、東洋である日本はもともとは母性原理重視の社会であった。
そうなるとどうなるのか?
父性原理の弊害が問題となることに加えて…
母性原理の闇が猛威を振るうようになる。

河合隼雄が『母性社会日本の病理』という本も出しているように、母性原理というものはそもそも良いものをもたらすばかりではない。

父性原理や科学技術の闇が奥深いように、母性原理の闇も奥深い。

父性原理は「自我の確立」の力を持つが、母性原理はそうでないため、それが強すぎると個人の尊重や個性の確立が難しくもなる。
全体の平等を尊重するがあまり、能力が高くて個性の強い人間の足を引っ張ったりと、色々と厄介な性質を持っている。
「空気」による同調圧力が場を支配することもあるし、「良い / 悪い」の区別をハッキリしないがゆえに、問題をちゃんと解決しないまま、誰も責任をとろうとしないまま、ずっと場が維持される結果になることもある。

母性原理の問題は日本において特によくありがちなことであるため、その性質について知っておくと、その闇の問題も実感としてよく分かる。

それから、母性原理の力はスピリチュアルの力とも絡んでくるため…
その問題は今流行っているような日本のスピリチュアルやアメリカのスピリチュアルの問題にも直結している。
だから母性原理の問題は『次元観察子ψ13~ψ14』の時代においてよく考えておくべきテーマになるだろう。

そもそも、今はアメリカも大変のようだ。
ブッシュ大統領みたいに頭の良さそうな白人が偉くて、軍国主義みたいなのが割と通ってたから強かった時代とはまた違ってきている。
「リベラル」「ポリコレ」「多様性の尊重」「移民の救済」「反差別主義」「LGBT」・・・そういったワードのものが力を持って、良くなった所もある反面、また一層ややこしいことになっている時代のように思える。
 

最近の時代の要素の列挙

日本で『次元観察子ψ13~ψ14』の時代が本格化したのは恐らく2000年代からであり・・・
さらにそれから2010年代はどんなことが起きていただろうか?

日本のオタク事情をベースにテクノロジー周りで起きてた出来事に関しては、
以前にブログで書いたことがある。

「オタクとは何か?」問題についてちゃんと書く② ~2000年から2006年のオタク界隈~

「オタクとは何か?」問題についてちゃんと書く③ ~2007年から2012年のオタク界隈~

「オタクとは何か?」問題についてちゃんと書く④ ~2013年から2019年のオタク界隈~

さて・・・
その他、社会問題全般ではどのようなことが起きていただろうか?

・・・・自分にはそのすべてを網羅することはできないかもしれないが・・・

ひとまず、要所として書き出せるものだけ書き出しておこう。
 

**2000年代**

~経済問題~
・2005年ぐらいまで就職氷河期が続く
・派遣社員が増えて社会問題になる
・2006年から先は氷河期が一応回復する
・2008年にリーマンショックが発生する

~政治問題~
・2006年まで小泉内閣が続く
・東京では石原慎太郎が都知事を務める
・2009年に民主党政権が実現する

~国際問題~
・2001年にアメリカ同時多発テロ事件発生
・アメリカではブッシュ大統領が当選し、2009年まで任期が続く
・イギリスやドイツなどのヨーロッパでは移民・難民を受け入れる流れが出てくる

~テクノロジー問題~
・ブロードバンド通信の普及でインターネット使い放題に
・2000年にプレステ2、2006年にプレステ3が発売される
・CG製作やアニメーション製作の技術が格段に上がっていく
・Web2.0が進んでSNSが出てくる流れに
・2008年にiPhoneが発売される

~オタク問題~
・セカイ系・サヴァイブ系・空気(日常)系などのジャンル名が提唱されて普及する流れに
・ゲームの進化によって必然的にギャルゲー・エロゲーの類も進化する
・2005年にドラマ『電車男』が放送
・オタクの負のイメージが少し上向きになる流れに
・2004年にニンテンドーDSが発売。携帯ゲーム機の一般人への普及に成功
・2chとFlashで盛り上がるネット文化から、ニコニコ動画で盛り上がる流れに

~男女問題~
・2006年ぐらいから「草食系男子」のワードが出てきて話題になる
・一部男子に「恋愛はダサい」の風潮が出てくる?

~精神分析問題~
・精神分裂病が統合失調症に改名される
・「アスペルガー症候群」の話題が出てくるようになる

~天災~
・地球温暖化の話題が出てくるようになる
 

**2010年代**

~経済問題~
・リーマンショックの影響が残るが、一応回復するようになる
・アベノミクスにより数値上は経済回復した?
・雇用状況は数値上は良くなった?
・高齢化社会は相変わらずであり、これからもっと厳しくなる見通し
・団塊の世代が定年退職で引退するようになる
・氷河期の時よりも「人手不足」が言われるようになる
・SNSの普及もあり、ブラック企業が問題視されやすくなる
・セクハラ・パワハラの類がより嫌われる流れに
・働き方改革が進んでいく流れに
・男女共同参画社会が進んでいく流れに

~政治問題~
・2012年まで民主党政権が続き、そこから大敗する
・民主党の大敗後、長期的な安倍内閣が続く
・東京では2016年に小池百合子が東京都知事に就任

~国際問題~
・2009年にオバマ大統領が就任。初の黒人大統領となる
・2017年にトランプ大統領が就任
・トランプ大統領就任の背景に白人労働者層の支持があり、
 多文化主義への不満や、ワシントン中心のエリート社会に対する不満が挙げられる
・イギリスやドイツでは2000年代から移民・難民がいたが、どんどん増えていく流れに
・韓国が経済成長する。K-POPが発展するように
・中国が経済成長する。バブルが起きる勢いに
・2014年に「イスラム国」と名乗るイスラム教過激派組織が出現する
・中東でのテロ騒ぎはあったが、全体的に大きな戦争はなくそれなりに平和な状況

~テクノロジー問題~
・スマートフォンが本格的に普及する
・LINE・マッチングアプリなどのSNSがどんどん普及する
・Youtubeの収益化システムが一般ユーザーに普及する
・Webサービスによる収益化の手段が増える
・ディープラーニングが発展し、翻訳や画像認識で使われるレベルになってくる

~オタク問題~
・スマホゲームの普及と連動してライトオタクが増える流れに
・昔のオタクほどの悪いイメージは無くなっていく流れに
・ゲーム実況Youtuberなどが増える
・『魔法少女まどか☆マギカ』以降は「セカイ系」の作品があまり出てこなくなる?
・ソシャゲやスマホゲームがどんどん普及する流れに
・2018年頃から「チー牛」ってワードが出てくる
・どちらかというとオタクよりも「汚いオタク」が差別対象な風潮になる流れに

~男女問題~
・上野千鶴子などのフェミニストが有名になる
・Twitterで目立つフェミニストは「ツイフェミ」というスラングで呼ばれるようになる
・男女共同参画社会が進んでいくと同時に、日本的なフェミニズムの勢いが増していく流れに
・マッチングアプリの流行と、その問題が集合知としてSNSに表われる
・Twitter・Instagram・TiktokなどのSNSでそれぞれ特有の文化が盛り上がる
・Webの発展によってポルノコンテンツも必然的に充実する
・韓国やK-POP文化の影響が日本にも来るようになる
・男女共に美容意識がより高まる感じになる。とくに男性美容が以前よりも充実する
・2013年の調査では交際経験のない20代男性が約3割(2022年は約4割)
・少子化がずっと進行していく
・日本以外の先進国も大体少子化に向かう流れに

~精神分析問題~
・アスペルガー症候群がASD(自閉症スペクトラム)に改名される
・ASD・ADHD・LDなどの汎用性発達障害の話題がより出てくるようになる
・SNSの普及と連動して発達障害の話題が挙がりやすくなる
・「スキゾ」でも「パラノ」でもない境界性パーソナリティ障害的な症状が増える

~その他~
・だんだんとポリコレが重要視される流れに
・LGBTの話題が出てくるように
・筋トレが流行るようになる? マイクロジムが増えていく流れに
・2019年に令和元年開始

~天災~
・2011年に東北地方太平洋沖地震と、原発事故が発生
・夏の猛暑の深刻化が進む。都内で40度越えまで出てくるようになる

 

とりあえず、ざっと挙げられるものを挙げてみた。

以上の出来事をざっくりまとめると・・・
経済的にはバブルの時よりはかなり不況になったが、そこからある程度は回復してきて、そのまま停滞しているようでもある。そうした中で高齢化社会と人手不足社会がどんどん進行している。
コンピューターとインターネットがとにかく発達していった。それに伴う多様化みたいな流れはあるし、脱昭和のように革新的なことはされていった。
海外でも多様化や多文化主義の流れになるが、その弊害も出てくるようになる。
そして男女問題については、従来の「男は男らしく、女は女らしく」なジェンダーイデオロギー的な価値観を否定・解体し、男も女も平等に向かわせるような反ジェンダー的なものが支持される流れが出てくるようになる。その一貫で日本的なフェミニズムが普及し、SNSの影響でさらに盛り上がるようになる。そうした中でマッチングアプリが普及しつつも、少子化がずっと進行している。
それから、ネットでの収益化の手段が色々と出てくるようになる。これによって好きなことをして稼いで生きる個人の自立が可能になったと捉えることもできるが、儲け至上主義の方向にも行く二面性がある。スピリチュアル界隈もその影響を受けていて、拝金主義的なものが浸透している傾向があると思う。

これらの事象とヌーソロジーとの絡みはどうなるのだろうか?
もしかすると、その詳細を厳密に見ていったら『ケイブコンパス』に対応するものも見えてくるかもしれない・・・

しかし、『次元観察子ψ11~ψ12』は前半と後半の二層で四要素がある。
そこから『次元観察子ψ13~ψ14』に行くと、さらに四層で八要素になっていたりするのだろうか?

その詳細は今後の課題として・・・
ひとまず現状の世の中がこれからどうなっていくかを注視していこう。
 

自分的には、2016年にボーカロイド作家のピノキオピー氏が『すきなことだけでいいです』という曲を作るのだが、その背景が気になる。

同調圧力の強かった昭和の時代よりも「好きなことをしていい」の風潮になったネット社会・・・そこから始まるボーカロイドカルチャー・・・
これも時代の変遷の末に出てきた曲の一種なのでは?と思う。
 

ドラゴンと戦闘美少女

ψ13~ψ14とオタクカルチャーの話になると書くことがたくさん出てくる。
この辺は個人的な好みの話にもなるし、個人的なオタク論にもなるので、脱線すると長くなってしまうが・・・

ここで鳥山明の好きだったものを思い返そう。
それは色々とあるだろうが・・・カンフー、ロボット、ドラゴン、セクシーな女性、渋い爺さん、バイクなどの乗り物、戦車、プラモデル、ポップな悪魔、お化け、モンスター、宇宙人・・・

どれも魅力的だが、その中でもドラゴンロボットをピックアップしよう。
ドラゴンは近似したものだと爬虫類や蛇であり、ロボットは機械である。
どちらもヌーソロジー的にはとても『ノス(NOS)』っぽい。

爬虫類は肉体を持っているが、ロボットは肉体は持っておらず、物理法則から作られたもので概念に近い。
なので、ロボットの方が上位存在みたいなことになってたりするんだろうか?

それから「ドラゴン」・・・といえば・・・
『アニマンダラ』の天海ヒロ先生が言っていたことをよく思い出す。

アニマンダラは色んな動物や生き物についてやその進化の系統樹について言及するものであり、ドラゴンや竜も同様に、ある意味で「進化の系統樹に属する生き物」だという位置づけになる。
しかし、ドラゴンはもちろん、犬やサルやキジのように普通に地球に生息している生き物ではない。
だから、「言語空間(=虚構)にのみ生息する生き物」という位置づけになる。

ドラゴンは「地の存在(爬虫類)」と「飛ぶ存在(鳥)」が融合した奇跡みたいな生き物であり、
東洋の龍も「地の存在(蛇)」と「飛ぶ存在(鳥)」が融合したような存在である。
北米のメキシコ中央部にあったアステカという文明では、蛇と鳥が融合した「ケツァルコアトル」という神もいる。
それは人間が神話上で作り出したものであり、意識進化の象徴になることもあれば、恐れ多い存在になることもあった。

[地の存在+飛ぶ存在]の異なる性質の融合は言語空間においてはアリであり、そうした相反するものが融合した生き物は言語空間においては実際に存在するという発想がアニマンダラにおいてされている。

自分はこれを聞いた時、すぐに閃いた。

「戦闘美少女」もそうなのではないか?

戦闘美少女・・・
オタク第二世代あたりから強く崇拝されるようになった戦闘美少女…
一時期は『ナウシカ』や『綾波レイ』がその代表のように扱われていた戦闘美少女…
小説『セーラー服と機関銃』でもモチーフとして表れていそうな戦闘美少女…
もちろん鳥山明も描いている戦闘美少女…
精神科医の斎藤環の『戦闘美少女の精神分析』という本で分析対象にされている戦闘美少女…
2000年代からずっとテンプレート化されながらどんどん新しいのが出てくる戦闘美少女…
現代ではソーシャルゲームで大量生産されたりしている戦闘美少女…

ドラゴンが実際に存在するなら、同様の理屈で戦闘美少女も実際に存在するのではないだろうか?
[強い存在+可愛い美少女]異なる性質の融合がされているものが戦闘美少女なため…
その存在感はドラゴンに近いものも持っていると思う。
そしてそれは意識進化のような意味を持ったり・・・ぜんぜん持たなかったり・・・
まるでドラゴンのように多様な意味を持つわけである。

ドラゴンや戦闘美少女は共に、オタクカルチャーやゲームカルチャーにおいて作品を彩るものとして必要なものになり、デジタル社会において当たり前のように存在しているものになっている。
デジタル社会にデジタル情報として存在しているということは・・・
それは「次元観察子ψ14的なもの」でもあり・・・
これもまた「虚構」に生息するものとして存在しているわけである。

そして、そうしたドラゴンと美少女は今も進化を続けている。

最近、自分が面白いと思った漫画がある。
週刊少年ジャンプで連載されていて・・・その名は『ルリドラゴン』という。

初めは広告か何かで見かけたことがあったかもしれないが・・・
情報過多なデジタル社会となった時代の中、「また似たような美少女漫画が出てきたか?」とその時はスルーしてた気がする。
しかし、ジャンプでこれが異常なほど売れてると聞いて、興味を持って読んでみた。
(『ジャンプ+』の公式サイトで無料試し読みが可能である)

めっちゃ可愛かった。

この作者は「ドラゴンと女子高生」という存在を描くのがとても上手い・・・そのためのセンスを生まれ持ってるぐらいの天才かもしれない。
あと漫画を描くのがめちゃくちゃ上手い・・・ジャンプ連載まで行ってるから当然っちゃ当然なのだが・・・おそらくただの新人ってレベルではなくて実力がズバ抜けてる。
なんだろう。紙上でこんな感じの空気感が出せる漫画家はベテランでもなかなかいない。只者じゃない気がする。
自分はそういう天才が描いた漫画が好きなので、この人のことはフォローすることにした。
 

・・・と、そんな感じで脱線したが・・・
鳥山明の描いたドラゴンカルチャーが発展し・・・今はそんな感じなのが出てきている時代なわけである。
 

新しい時代はどうなる?

以上。
記事のタイトルは「ロックカルチャーからオタクカルチャーへの遷移と、ヌーソロジーのψ11~ψ12とψ13~ψ14について」ということで…
1980年の『Dr.スランプ アラレちゃん』を中心にして、色々と時代の流れを追ってきた。

そうやって1970年代・80年代と流れていく中で自分(Raimu)が生誕し・・・
自分は2000年代・2010年代に若い時を過ごしてきた。
そうして生きてきた自分の立場的には・・・
「だいぶ虚構にやられたかもなぁ」・・・・という所感がある・・・かもしれない?

人間は10代に過ごした文化の価値観をベースにほとんど生きているというのが持論なのであるが、その理論で行くと自分が過ごしたのはおよそ2000年代である。
だから、自分は個人的に任天堂やドラゴンクエストとか、2000年代のオタク文化に洗脳されて生きてきたのだろうか?
もし人からそのように言われたら・・・とくに言い返す言葉もないので「その通りです。」って返すと思う。

Raimu個人の話だと、自分はそれに向いた肉体を生まれ持っていて、積極的に身体を動かす方向に行きたくても行けないぐらいの先天的な特性があるからそれで良い・・・みたいな話になってくるのだが・・・

デジタル社会がどんどん成熟していってる今の時代、各々がどう生きるべきかを考えた場合、「虚構との親しみ方」が重要になってくると同時に「虚構との距離感」みたいなのも重要になってくると思う。
虚構といくらか離れた方が適した距離感になることもあるかもしれない。

オタクみたいな自分は確かに漫画やアニメやゲームの虚構にやられていったが・・・
そもそも世の中にあるもののほとんどが虚構なのではないだろうか?
虚構は人類が言語を扱うようになってからずっと存在しているもので、
さらに言語・絵・音楽の総合芸術によって虚構が増強されていった。
それはキリスト教や仏教や儒教のように・・・人類のための大きな宗教が作られることから始まり・・・
今の日本の公教育も虚構でできてる宗教みたいなものだし、テレビや広告を中心とする資本主義的なエンターテイメントもほとんど虚構を楽しむコンテンツである。
だから、[宗教]⇒[言葉・絵・音楽からなる古典芸術]⇒[公教育]⇒[資本主義的エンタメ]⇒[デジタル的なアニメやゲーム]・・・というように変遷・発展していったのが虚構のカルチャーであり、それは人間の文明に無くてはならないものである。
自分みたいなオタクはデジタル的なアニメやゲームを好むけど、そうでない人でも資本主義的エンタメは好んでいるし、受験勉強や学歴のような虚構を好む人もいるし、古典的な宗教を好む人もいる。

とくに、テレビは資本主義的エンタメとして主力であり、戦後日本においてそれが「大きな物語」を形成するものとして機能するべくずっと中心に君臨していた時代があった。
インターネットの登場でそうではなくなるようになり、テレビは衰退していったため、今では「テレビは洗脳装置だ」とか言い出す人が出てきたが・・・
今度はYoutubeみたいな動画で陰謀論みたいなことを語り出す人も出てきた。Youtubeによる陰謀論動画とは、古典的宗教と最先端動画技術の融合であり、新たな洗脳装置として機能するものである。
オタクのようにデジタルの動画カルチャーに慣れてない人が、Youtubeのような動画の虚構やSNSの言葉による承認にやられるケースも要注意となるだろう。

それから、自分みたいな人間が10代の頃にゲームや漫画の方向に向かう理由として重要なのは・・・
身近に学べるものが無かったことである。
学校の教師は受験勉強で点数を取る方法ばかり教えるが、どのように就職してどんな仕事をして生きていけば良いか、ためになることは何一つ教えることができない人達ばかりである。
学校では世の中を生きるのにためになることは教えてくれないし、他に教わるコミュニティがない。
親が何もしなかった場合は、もう他に何もない。
何にもないけど、今はスマートフォンやパソコンでインターネットができるわけである・・・

自分が10代の頃は、スマホやSNSがあるほど便利ではなかったが・・・
インターネットができたし、漫画が栄えていた。
だから漫画から重要なことを学んだ人は多いだろうと思うし、そういう声はよく聞く。
そんな感じで、身近なものから学びを得ることができない文化だったり、周りから得る学びがろくでもなくて全然信用できない文化だったりすると・・・こうなる他がないわけである。

この状況をどうすれば良いか?
答えは単純ながら難しい話で、他にもっと良いものがあれば、そっちに行く人も出てくると思う。
アニメやゲームの虚構にやられてる人も多いが、アニメやゲームの虚構に飽きてる人も多い。
そんな中で「なるほど」と思えるものがあるかどうか、そうしたものを作ることができるかどうか・・・
結局、それを考えていくしかないのではないだろうか?

昔の時代の方が「大きな権威を持った悪い存在があって、それと戦うのが良い」みたいなのがウケていた。また、その一方で「大きな権威のようなものに付いて一致団結して頑張ると良い」みたいなのもウケていた。
だから、ひと昔前は「大きな物語」みたいなものが前提にあって、それとどう向き合うかが重要だった。
今の時代は、そこら中に色んな種類の虚構のようなものがあって、それと各々がどう付き合ったり、どう向き合ったりするかが重要になった。
だから、各々がどういう意識を持って、どういう情報を得て、どういう選択をするか・・・が昔以上に大事になっていると思う。

そんな感じの時代になったのもヌーソロジーで言われている『最終構成』らしくて、意識進化の観点からするとこれはこれで妥当な流れに進んでいるのではないだろうか?とも思ったりする。

 
さて、鳥山明の突然の訃報によると、
亡くなったのは2024年3月1日らしい・・・
一つのカルチャーを作り上げた人が、早くも亡くなってしまった・・・

これは、何か時代の終わりを象徴するものでもあるのだろうか?

鳥山明は間違いなく世の中に必要だから出てきたような天才だった。
しかし、今でも鳥山明みたいなのが出てきた方が良いかの話になると・・・それはちょっと違ってくる。
・・・まぁあの人のように謙虚な性格を持つ天才だったらいつの時代も必要とされるだろうけど・・・
鳥山明の作品のようなエンタメコンテンツがまた出てきたとしたら、当時のように斬新で大盛り上がりなものとして受け入れられるかというと、それはまた違うと思う。
だから時代は変わってきていて、かつての時代は終わっている。
「時代の終わり」というのは悲観ではなく、我々は常に新しく起きるものに注視しなければならないということである。

これからの時代、今後はどうなっていくのだろうか?
振り返るのにいい機会だったので振り返ってみた。


-ヌーソロジー

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「陽」や「陰」、「天」や「地」といった概念を基本とする中国の古代思想『陰陽論』や『易経』についてちゃんと説明するテキスト。さらに西洋哲学や精神分析学、ヌーソロジーの概念とも絡めてその哲学を深めていく。

ユング心理学が専門でありながら古今東西の文化や宗教全般にも詳しく、スクールカウンセラーとして数多くの実績を持つ偉人、河合隼雄さんの書籍を読み直してその思想を学ぶシリーズ。

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正式名称は『はじめての人でもホロスコープを自分で読めるようになるための記事』。西洋占星術で出した結果をある程度の所まで読めるようになることを目的とした記事。

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