不定期連載『変換人型ゲシュタルト論』シリーズ。 記事一覧はこちら。
◆◇能動的に空間を見る◆◇
『次元観察子ψ3』を認識していくには、
一種の「能動性」が必要になるため、
「能動的に空間を見る」ことが鍵になるだろう。
・・・と言っても、それだけでは分かりにくいと思うので、
便利なツールを紹介しつつ説明する。
「ネッカーの立方体」について
「ネッカーの立法体」と呼ばれるものがある。
これはスイスのルイス・アルバート・ネッカーという人物が考案したので
そんな名前がついているが、どういう図形かなんとなく分かるだろうか?
図形の左下の面を面A、右上の面を面Bとすると・・・
面Aが手前にあって面Bが奥にあるのか、
それとも、面Aが手前にあって、面Bが奥にあるのかが決まっていなくて分からない。
そんな図形が「ネッカーの立法体」である。
これはヌーソロジーの『等化』や『次元観察子ψ3』を理解するのにも使えるわけだが、
そこで「3次元」と「4次元」の話が関係してくるため、その話もしていこう。
ネッカーの立方体と4次元の関係
我々はこの世界を「3次元空間」として捉えているが、
実は3次元目の軸(z軸・奥行き方向の軸)に関しては直接見ることができないのが分かるだろうか?
なんとなく3次元を生きているから奥行き方向の軸もあるだろうと思えるけど、
実際に我々が観ている光景は「エルンスト・マッハの描いた絵」のように平たいものなので、
3次元目の方向を直接認識しているわけではない。
そして、どうやってそれを認識しているかというと・・・実は4次元からの視点によって想像しているのである。
3次元の空間を俯瞰して捉えるためには、一つ上の4次元からの視点が必要になるという原理がある。
これは「観察する視点は一つ上次元」の法則からも言うことができる。
また、先ほどの「ネッカーの立法体」も、
面Aと面Bの関係が曖昧ということは、3次元目の奥行き軸が曖昧ということにもなる。
我々が空間を捉える際も、まぎらわしい形をしたものを見た場合は4次元の意識から想像を働かせなければならず、それがない場合はどれが手前にあってどれが奥にあるのか分からなくなってくる。
つまり、ネッカーの立法体において、面Aを手前として3次元をイメージするか、面Bを手前として3次元をイメージするかは、4次元の意識によってなされているのである。
そんなことを考えつつ、
面Aを手前とするか、面Bを手前とするか、どっちも「重ね合わせ」のようにアリだとした時・・・
「知覚正面」も分かるようになるし、
『等化』も分かってくるようになるはずである。
「キットカット実験」について
次にヌーソロジーで有名な「キットカット実験」について説明する。
これは正確には『次元観察子ψ5』に対応する事象を作り出した実験だが、
『次元観察子ψ3』の意識や「能動的に空間を見る」意識を開くのにも役立つものである。
元々は、ヌーソロジーを理解するために大阪のとある人物が、
手作りの装置を作って、それを半田広宣さんが取り上げたことから始まった。
その装置では、外から見るとキットカット缶が人を中心に周っているように見えるが、本人から見るとキットカット缶は不動の状態で回って見えるようになっている。
Twitterで「キットカット実験」のワードで検索すれば動画が見つかる。
◆キットカット実験 – Twitter検索 / Twitter
そこでまたまた「キットカット実験」。この動画を見て、キットカットの周りを自分が回っていると感じたならしめたもの。そのとき見えている中心が存在の絶対的中心に当たる。キットカットとの距離がいくら離れていても構わない。その中心は時空上のすべての位置を一点の中に含み持っているのが分かる。 pic.twitter.com/lWLgrC0f02
— 半田広宣 (@kohsen) July 10, 2019
これを自分(Raimu)がアレンジしたものが「Kitcat実験」である。
先の実験の内容を模倣して、Unity上で動かして再現した。
『視点変換3Dルーム』の4番目の部屋にあり、
『変換人型ゲシュタルトとは?(後編)』の項でも載せたものである。
他者視点(客観)
自己視点(主観)
上記の缶の様子を見て、
「自分が缶の周りを周っている」と思うようにしてみよう。
すると、そうした意識は反転認識のための能動的な意識となってくる。
また、こうした意識は客観からではなく主観を先手にして生まれてくることも重要である。
ミクロイメージのおさらい
ヌーソロジーでは主観性を大事としながらも、
「ミクロとマクロの等化」や、
「止観」や「重ね合わせの原理」といったことも大事ということになる。
これらの作業を能動的に複合してみよう。
まずは『変換人型ゲシュタルトの基礎』の項でやったようにミクロを意識してから・・・
さらに「止観」の要領を踏まえて「エポケー」をしつつ・・・
以下の「KitCat実験」のトレーニングをやってみるとどうなるだろうか?
そうすることで『主体』を発見できるだろうか?
また、『主体』を意識した上でこれをやったらどうなるだろうか?
ヌーソロジーを真面目に理解したい人は、
そうしたことを試していって、能動的に空間を観て欲しい。
↓続き
2013:The Day God Sees God 人類が神を見る日 [ digital edition ]
ヌーソロジーをちゃんと学習するならこれ! |